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【映画の中の詩】光は闇の中で輝く

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映画と詩の交歓にまつわる文章を綴ります。 〈注:引用するのは主に1930〜50年代の映画です。 字幕と翻訳者明記のない引用詩は私の勝手訳(語句の入れ替え、省略有り)であることをご…
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#ボードレール

【映画の中の詩】『誘拐魔』(1947)

フィルム・ノワールが咲かせた「悪の華」。 犯人はボードレール?ダグラス・サーク監督。 警察に送られてくる奇妙な詩。その内容どおりに若い女性の連続失踪事件が起こる。 その詩の特徴から警察は犯人はボードレールに心酔していると推理する。 ロバート・シオドマク監督『罠』(1939)のリメイク作品。 元になった『罠』(PIÈGES)は『悪魔が夜来る』(マルセル・カルネ監督)のマリー・デア主演のフランス映画。 ハリウッド映画でありながらボードレールが事件を解明する鍵になっているのはそ

【映画の中の詩】『夜は我がもの』(1951)

「わたしたちの使う言葉は 音を奏でるだけです  でも 詩人の言葉は 光を放つのです」 原題は〈 La nuit est mon royaume〉「夜は私の王国」。 事故で失明した男性にジャン・ギャバン、視覚障害をもつ女性教師にシモーヌ・ヴァレール。 引用詩はボードレール 「風景」。福永武彦訳を使用しました。 ラストシーンの「LUX IN TENEBRIS」については〈ウィキペディア〉によると 参考リンク:ボードレール「風景」の邦訳 福永武彦訳 『ボードレール全集 第1