39歳最後の夜
あと数分足らずでわたしの30代が終わろうとしている。
正直まだ実感がない…どころか、かなり焦りを感じている。
それは結婚や出産の経験を未だしていないからだろうか。
まだ何者にもなれていないどころか、どの方向へ進んだらよいかさえ定まっていないからだろうか。
髪の毛の質感に違和感を感じはじめたからだろうか。
薄暗がりの中途半端なライトに当たった自分をふとガラスの中に見たとき、その顔の翳り方にショックを受けたからだろうか。
そのどれも当てはまると思う。
40代から保険料が上がると聞いたので、先週ようやく重い腰を上げ契約ボタンを押すに至ったのだが、誕生月だからか「契約年齢」は40歳となっていた。
40歳…。人生で初めて、その歳の扱いを受けた瞬間だった。
30代。東京に疲れ果て、愛知の実家に戻ったこともあった。
絶対に実ることのない無謀な恋をして、自分らしくない行動に出たこともあった(ふわふわと3センチくらい浮いていたような3年間だった)。
好きな人を追って、ふたたび上京もした。(すぐにフラれた)
事務の仕事から抜けだしたくてデザイナーになったはいいが先輩からめちゃくちゃに嫌われ、そのストレスから(かは定かでないが)バセドウ病になったりもした。その後ライターとしてと前職場の会社に拾われ、今に至る。
マッチングアプリで出会った価値観のまったく異なる彼と、伊豆で移住生活もはじめた。
波乱万丈!!とまでは言えないが、絶対になるもんかと思っていた「そこそこの人と27歳くらいで結婚・出産し、パートやなんかしながら家事をこなし子を育てあげる」みたいな普通の人生になっていない(万歳!か?)。
平凡な人生なんて送ってやるものか!ってツバ吐いてたもんね。
(今や平凡どころかそれが選ばれし者しか送れないような理想になりつつあるけれども…)
さて、これからである。
40代はどう過ごそうか。
若さはどんどん失われていく。瑞々しさ、ピチピチ感、無知さ…そういったものは通用しなくなっていく。
(あ、彼が今コンビニへ行くといって出てしまった。
その瞬間は一人で迎えるのが決定してしまった…)
おっと脱線。
若さにしがみつくようなことはしたくない。わたし自身が価値のあるひとになりたい。
できれば何か残るようなものを生み出していきたい。
10代の思春期の少女が言うようなことだが、未だわたしはそんなことを思っている。
楽器?うた?絵?まだまだやりたいことはたくさんある。
まずは一歩踏みださないと。
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