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No.121 2006年~2020年 私立小学校社会科研究会による社会科問題集・携帯地図の出版

 1981年から私立小学校の教師になり、日本私立小学校連合会で他校の先輩や後輩の先生方から多くのことを学ばせて頂きました。私の専門は社会科でしたので社会科部会での公開授業や研究発表を2020年3月の定年退職まで9回行いました。9回とも現在でも記憶に残っています。公開授業や研究発表以外にも2006年から子どもたちに活用してもらう意図で社会科の基礎知識や発展学習、活用力を身につける問題集と携帯できる日本地図・世界地図を出版してきました。全国の私立小学校で社会科を専門に研究している先生方の有志で私立小学校社会科研究会を組織しお手伝いをして頂きました。

出版したのは以下です。私が編集代表を務めました。
①私立小学校社会科研究会『これだけは身につけよう!社会科の基礎知識』東洋館出版、2006年4月
②私立小学校社会科研究会『ここまでできるよ!社会科の発展学習』東洋館出版、2007年3月
③私立小学校社会科研究会『地図はともだち!』東洋館出版、2007年11月
私立小学校社会科研究会『改訂版 これだけは身につけよう!社会科の基礎知識』東洋館出版、2011年4月
④私立小学校社会科研究会『改訂版 地図はともだち!』東洋館出版、2011年4月
⑤私立小学校社会科研究会『三訂版 これだけは身につけよう!社会科の基礎知識』東洋館出版、2016年4月
⑥私立小学校社会科研究会『これだけは身につけよう!社会科の基礎・活用』東洋館出版、2020年3月
⑦私立小学校社会科研究会『三訂版 地図はともだち』東洋館出版、2020年3月
 多くの先生方に協力頂き14年間出版を続けました。今回はこの話題について述べます。

 これらの問題集や携帯地図の発行の動機はある新聞記事でした。5冊発行した問題集の子供向けに書いた「はじめに」では毎回問題集発行の契機として書いていました。その掲載記事は以下です。

 この発行の契機について「はじめに」で次のように書いています。
 「朝日新聞」2005年2月23日朝刊の「大学生イラクどこ?4割が不正確」の記事には大変驚きました。当時、新聞やテレビなどのメディアに登場していた国の位置を大学生や高校生がどのくらいまちがえるかの調査結果がのっていたのです(次のページの記事を見てください)。イラクの位置が分からない大学生が約44%(100人のうち44人)、高校生が46%(100人のうち46人)朝鮮民主義人民共和国(北朝鮮)の位置が分からない大学生が約10%(100人のうち10人)、高校生が約24%(100人のうち24人)いるのです。アメリカ合衆国の位置が分からない大学生が約3%(100人のうち3人)、高校生が約7%(100人のうち7人)いることもわかりました。以前、小学校で習う分数の計算ができない大学生がいることが話題になりましたが、社会に関することでも基礎的な知識がない高校生、大学生がいるのです。このようなことでは、現実に起こっているような時事問題について考え、判断し、関心をもつことなどできず、社会科で学んだことと現実の社会で起こっていることを結びつけることはできません。国際社会の問題に目を向けることはさらに難しいことでしょう。
 この考えは「携帯地図」の発行にも繋がっています。次のような「地図活用のポイント」が書かれています。

 ニュース、博物館・動物園・水族館、オリンピックやサッカーのワールドカップなどの国際的なスポーツの大会で日本や世界の地名が出てきた時にその場所を確かめるよう促しています。
 問題集、携帯地図とも内容はNo.68「1984年・2020年 教員として最初と最後の出版」を参考にしてください。
 
 こんなエピソードがありました。
 携帯地図の発行が「朝日新聞」(2008年1月18日朝刊)に掲載されました。

 この記事を家族で読んだ初等科1年生のある子どもが、「あのねノート」に書いたことを担任の先生が私に「お手紙を書いてみたら」とアドバイスをし、私のもとに届いたのです。

 私立小学校社会科研究会の方々に沢山のサポートを頂きました。感謝致します。定年退職しましたが、これからも一緒に研究や出版活動ができればと考えています。

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