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真実はいつも1つか2つくらい

名探偵との出会い

私とこの作品との付き合いはもう25年以上になるらしい。一作目の当時はまだ本作品の主人公である『江戸川コナン』よりは少しお兄さんで、そのコナンの正体である『工藤新一』よりは幼かった。いきなり正体をネタバレしてしまい、まだ本作品を観たことない方には非常に申し訳ない。

記念すべき1作目は『時計仕掛けの摩天楼』という何となく口に出して読みたくなる語感のタイトルで、何かと爆発するシーンが多い印象だ。
2作目は『14番目の標的(ターゲット)』という漢字で書いてカタカナで読ませる手法で、後の『劇場版 名探偵コナン』では主流のパターンとなる。話の内容としては、そこそこ爆発する。

そして3作目の『世紀末の魔術師』意外かもしれないが、これは『マジシャン』的な読み方はしない。ここで『怪盗キッド』という別作品の主人公が初登場するのだが、個人的には正直、あまり好みではなかった。原作の漫画もほとんど読んでいないし、テレビアニメもたまにしか観ていなかったが、同じ作者の作品とは言え、世界観が異なる作品を安易に混ぜてほしくなかったのだが、意外と馴染んでいるというか、便利キャラとして、後の劇場版で準レギュラーになっていったので、それはそれでよかったのだと思う。

4作品目『瞳の中の暗殺者』、これはあまり爆発しない。5作目『天国へのカウントダウン』、これはよく爆発する。6作目『ベイカー街(ストリート)の亡霊』、『亡霊』の方じゃなくて『街』の方をカタカナ読みするの??ってなる作品。割と人気の作品だったと記憶しているが、仮想空間が舞台だからか、イマイチ感情移入できなかった。

7作目『迷宮の十字路(クロスロード)』京都あたりが舞台になっていて、『せやかて工藤』でお馴染みの西の名探偵『服部平次』が登場する。この作品はなんと言っても主題歌が好きだ。倉木麻衣の『Time after time〜花舞う街で〜』という曲で、作品に非常にマッチしている。一瞬だが、『工藤新一』に戻るという禁断技が炸裂した作品でもある。ネタバレごめんね。

8作目『銀翼の奇術師(マジシャン)』こっちは『マジシャン』って読むんですねでお馴染みの『怪盗キッド』さんが再登場。この作品はね、飛行機に乗るときは気をつけようねって話。
9作品目『水平線上の陰謀(ストラテジー)』なんか響きがカッコいいけど、こごろーのおっちゃんが活躍する話。
10作品目『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』
これはなんて言うかずるい。でも面白い。

暗黒期

11作品目『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』
10年も毎年ゴールデンウィークあたりの季節に『劇場版 名探偵コナン』を鑑賞する習慣が続いていれば、公開される度に行かないという選択肢はないのと同然だ。ただ、この辺りから物語のクオリティが怪しくなってきた。他の視聴者がどう感じていたかはわからないが、明らかに小慣れてきた感というか、良くも悪くもテンプレ化というか、惰性で映画館に足を運ぶ時期が続いた。
気がつけば、いつの間にか『工藤新一』よりも遥かに歳上になっていたことが少しショックだった。

12作目『戦慄の楽譜(フルスコア)』これはオペラ歌手だった母親が興味があったようで、一緒に観に行った思い出深い作品だったが、予想外というか、かなりぶっ飛んだ内容だった為、鑑賞後の親子の会話は特に弾まなかった。話自体はあまり面白くなかった。

13作目『漆黒の追跡者(チェイサー)』ようやく物語の本筋とも言える『黒の組織』絡みの物語が映画で描かれることになって、かなりテンションが上がったのを記憶しているが、まぁ、物語としては特に何の進展もなく、東京タワー的なところでなんやかんやしていた以外、正直あまり内容を覚えていない。

14作目『天空の難破船(ロスト・シップ)』またまた怪盗キッドが活躍する作品。彼は基本的に空を自由に飛び回るし、誰にでも変装できるし、便利キャラすぎてしらける面があることは否定できない。今に始まった話ではないが、アクションがなかなか派手になってきた。アニメならではのありえないようなアクションもこの作品の魅力の一つだ。メガネとスケボーとサッカーボールでだいたいのことは解決できる。

15作目『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』かなり序盤でオチが読める作品。どんな理由があったとしても、ダムを爆発させたらダメだと思った。16作目『11人目のストライカー』スタジアムは爆発させたらダメだと思った。17作目『絶海の探偵(プライベート・アイ)』これもオチが序盤で読める作品。ただ唯一、ほとんど爆発しないので、爆発好きにはオススメできない。

復活の兆し

18作目『異次元の狙撃手(スナイパー)』この作品から復活の兆しが見え始めた。ただ、知らないキャラがいつの間にか当たり前のように物語に絡んでくることに若干の不快感はあった。原作読めよって話だが、私はあくまで『劇場版 名探偵コナン』のファンであって、原作の『名探偵コナン』のファンではない。アニメも基本的には観ない。
映画だけで話を完結させてもらいたいとさえ思っている。

19作目『業火の向日葵(ひまわり)』まずタイトルの意外性に驚いた。向日葵をカタカナ読みするわけでもなく、ただのふりがなをカッコ書きする斬新さに世間が沸いていた(かどうかは知らない)主題歌『ポルノグラフィティ』の『オー!リバル』も最高にカッコいい。だが、この作品には1つだけ問題がある。ゲスト声優の存在だ。何作目からだったか、やたらと俳優、女優やら、芸人やら、歌手やら、サッカー選手やらがゲスト声優をしているのだが、この作品は起用方法をもう少し考えてもらいたかったなという感想。

20作目『純黒の悪夢(ナイトメア)』これは個人的にトップクラスに好きな作品。簡単に説明すると『ガンダム』。
21作目『から紅の恋歌(ラブレター)』これも好きな作品。簡単に説明すると『ちはやふる』22作目『名探偵コナン ゼロの執行人』
これもだいたい『ガンダム』。

23作目『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』
ついに舞台が世界に。身分偽って小学校に通ってるんだから、パスポートくらいなんとかなるやろがいと思いながらも物語序盤でかなり雑な手段でシンガポールに連れて行かれるコナン。いつの間にか仲間入りしていた空手家と毎度お馴染み『怪盗キッド』が活躍する話。有名な建造物はだいたい爆発する。

公開延期

24作目『名探偵コナン  緋色の弾丸』公開が予定されていたのは、2020年4月だったが、世の中がまさかのパンデミックに襲われ、公開が延期された。もっと驚いたのは、割と早い段階で丸一年延期することが発表されたことだ。それだけを楽しみに生きていたと言っても過言ではない私にとって、この仕打ちはあんまりだった。生きる気力の75%程度が削がれた状態で1年生きていかなければならなかった。

そして2021年4月、1年遅れでやっと映画館で観ることができた。この作品に対する期待感が半端なかった。女性にも人気のキャラ『赤井』さんが活躍する作品だったが、職業『システムエンジニア』で『将棋』を趣味とする私としては、ゾワっとするシーンが多々あった。期待していた割に爆発は少ないし、イマイチしっくりこない作品だった。

毎年、映画館で本編が終わった後に、次回作のキーパーソンの声が一言二言聴こえてきて、劇場が明るくなるとざわざわするのだが、本作で聴こえてきた声がスピンオフ作品の登場人物を匂わせるような演出だった。私はその時に心に決めた。
『劇場版 名探偵コナン』を観るのはもう終わりにしようと。そう思った理由を上手く説明できないが、個人的には早く完結してもらいたいのだ。

確かに毎年の恒例行事で、楽しみにしている唯一のイベントではあるが、特に思い入れのないキャラクターが突然活躍し始めて、人気がでたから多用されたり、意味深な予告をしておいて本筋がほんの少ししか進まなかったり、この作品をいつまで楽しめるのか自信がなくなってきた。もうすでに楽しめていないのではないか、惰性で続けているだけなのではないかと考えるようになっていた。今はまだいい。このまま何年、何十年も、人間離れしたフィジカルとメンタルをもつ小学一年生を観続けなければならないのは正直キツい。

ラストイヤーの向こう側

25作目『ハロウィンの花嫁』
もう観ないとTwitterで宣言して数日しか経過していないが、恥ずかしながらラストイヤーを延長し、映画館で鑑賞することにした。ネタバレになるので内容には触れないし、あえて感想は書かないでおくが、一つだけ言えることがある。それは、来年も必ず劇場に観に行くだろう。


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