香水『刀』を探して……香りの話
赤江瀑の『オイディプスの刀』という小説には『刀』という香水が登場する。
ラベンダーをメインとした香りらしい。フランスのグラースの情景と、主人公たち兄弟の母親や実家の記憶を思い出すような香りとしてラベンダーは登場する。
『刀』という香水はどのような香りがするのだろうか、と想像しながら時折読み返す作品である。
私にとってのラベンダーは幼い頃の、風邪をひき寝苦しい夜の記憶と結びつく。
鼻炎や止まらない咳の時に、マスクにラベンダーのアロマオイルを付けて布団に入る。そうすると、いつの間にか眠ることができたのだ。
だから私はラベンダーの香りが大好きだ。気合を入れたいとき、眠りたいとき、どちらの場合もラベンダーを香りたいと思う。
思えば、ラベンダーの香りに限らず、私は香りが身近にある生活を送ってきた。
ハンドクリームやリップクリームなど、身体に塗布するものについても、一番に気にするのは香りだった。
最近、香水や香り付きのオイルに凝っている。もはや読書や映画や音楽に並ぶ一つの趣味として考えている。
ラベンダーの香り
以下では、私が持っている香りアイテムについて少し自慢したい。
uka
リップ&ネイルバーム メロウトーク
ウカの唇にも爪にも使えるバームは、ラベンダーと柑橘の香りである。
ラベンダーも柑橘も単体で好きな香りなので、それが同時に楽しめるのは良い。
爪に塗る量で両手全体にのばしてハンドクリームのように使える。かといってそれほど濃厚な付け心地でもないので、夏のように、手がべとべとになりがちな季節にハンドクリーム代わりに使っている。
Aesop
Ginger Fright Therapy
イソップのロールオンタイプのオイルは、普段マスクやこめかみに付けて使っている。ラベンダーの香りにショウガのツンとした香りがやる気を出してくれるような気がする。
それほど香りの持続力が強くないので、気軽に使うことができる。
GOLCONDA
Amulette de l'espace [medicine]
京都の船岡山公園近くにひっそりと店舗を構えるGOLCONDAというお店のポプリと香水である。
どちらもmedicineという香りで、ラベンダーを中心にセージやミントの爽やかな香りとなっている。
ポプリと小さな瓶に入った香水はそれぞれ香り方が違い、その個性を楽しめる。
大きなサイズの香水も販売されているので、いつか買いたい。
以上、私のラベンダーアイテムを紹介してきた。それぞれに個性のあるラベンダーを香りながら、やはりあの『刀』という香水はどんな香りだったのだろう、と考える。
南フランス、グラース……
「南フランスの太陽は苛烈だ」という文がこの本には出てくる。
ラベンダーとともに、むせかえるような暑さを感じさせるような香りが漂うような香水なのだろうか。
おまけ 香水など
ETAT LIBRE d’ORANGE
YOU OR SOMEONE LIKE YOU
この香水はノートが非公開で、それだけでミステリアスな印象を受ける。
私はこの香水を香った時、実家のブルーベリーの木とペパーミントが生えている庭を思い出した。
FIVEISM×THREE
Touching From A Distance FUTURE MEMORY
タバコの香りと革の香りが嗅ぎたいときに付ける。重厚で力強い香りだ。これを付けるとカッコいい人間として背筋が伸びる気がする。
Aesop
ローズ
これはいわゆるバラの香りの香水とは一線を画す。
香水としてのバラの香りと、本物のバラの花の香りは別物だ。
この香水は、バラをその花から茎から葉からすべてを詰め込んだような香りだ。そこにシソのアクセントが効いている。系統としては、フローラル系というよりグリーン系かもしれない。
diptyque
EAU de MINTE
最近購入したディプティックのオードパルファンである。
私はミントの香りが生来好きなのかもしれない。
この香水は、ミントにゼラニウムの香りが合わさって、爽やかだけど甘やかな不思議な香りが癖になる。
その他
マスク着用や手洗いの増加という日々に重宝しているアイテムを紹介して終わりたい。
Aesopレバレンズ ハンドバーム
nahrin ハーブオイル33+7 ロールオン
以前、「明日何色を纏おうか」ということを毎晩寝る前に考える、というようなことを記事にした。
最近は同時に「明日どんな香りを纏おうか」ということも考えるようになった。
個人的な領域に閉じこもることが多いから、好きなように好きな香りを楽しめるようになったと思う。
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