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キャラソン日記 2023年11月編

こんにちは、私的音楽同好会です。

今回は、2023年11月分の #キャラソン日記 をまとめました。
ぜひ皆さまも、紹介文を読みながら曲を聴いてみてください!


11/15 silky heart

歌唱:堀江由衣
発表年:2009
作品名:とらドラ!

ラブコメの金字塔、「とらドラ!」の後期OP。放送時期や作中の時間と同期して、冷え込んでくると聴きたくなってくる一曲。本曲は堀江由衣名義の曲であり、厳密に言えばキャラソンではない。しかしながら短調気味のメロディーやあるいは歌詞から考えてみると、櫛枝実乃梨の心情を歌っているように解釈することが可能であるように思われる。また、わざわざ12話や13話ではなくわざわざ17話からOPを変更しているのも、それ以降のストーリーの展開を考えてみると確信犯めいている。こうした曲をキャラソンと考えることができるのも、キャラクターソングにおける一つの面白さでもある。ぜひアニメと共に楽しんでいただきたい。

11/17 愛・おぼえていますか

歌唱:飯島真理
発表年:1984
作品名:超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

現実とアニメを融合するオタクカルチャーの先駆け的なキャラソン。アニメ放映後の1984年に公開された『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の同名タイトルであるこの曲は、アニメのキャラソンながらオリコンチャート週間7位を記録するという「ヒット曲」となった。劇中ではヒロインのミンメイを演じる飯島真理は、このキャラソンで『ザ・ベストテン』や『歌のトップテン』などのテレビの音楽番組に出演し、劇中のミンメイと同じように、現実の世界で人気アイドル歌手へと成長していく。アニメーションという虚構が現実を動かす原動力となった「愛・おぼえていますか」はキャラソンの歴史を一歩前進させた、そんな存在だ。

11/20 妄想サンシャイン

歌唱:佐々木志乃(CV: 茅野愛衣)
発表年:2015
作品名:緋弾のアリア AA

HARDCORE TANO*Cに所属するDJ Genkiが作曲した本楽曲は、オリエンタルな雰囲気も感じさせるミドルテンポのテクノポップに仕上がっている。彼がSketch Up! Recordingsで頒布していた同人CDに収録されていたような楽曲群と近しく、DJ Genkiが同人音楽のシーンで示していた作家性が、そのままキャラソンの世界でも発揮されている。

11/22 幸せ願う彼方から

歌唱:泉かなた(島本須美)
発表年:2007
作品名:らき☆すた

『らき☆すた』の主人公こなたの母、「かなた」が彼方から此方へ、愛を歌ったキャラソン。アニメ第22話「ここにある彼方」で流れた劇伴をアレンジして制作されている。「遠く 幸せ願う彼方から」届かない想いを抱えながらも、彼岸から静かに見守るかなたの姿が、透き通った優しい声と、美しいピアノ、バイオリンの旋律で表現されている。いつかの思い出、あるいは「届かない場所」を描いたような、美しいジャケットも魅力。是非、『らき☆すた』22話と共に視聴してほしい。

11/26 K・A・W・A・I・I of the WORLD!

歌唱:野々原茜(CV:小笠原早紀)
発表年:2021
作品名:アイドルマスターミリオンライブ!

自分が「かわいい」と自覚し、それを強みとしている野々原茜さんによるソロ曲。茜ちゃんがかわいいのは、茜ちゃんがかわいいからというだけでなく、茜ちゃんが日頃色々なものに対して「かわいい」と感じる要素を探しており、それが自分にも当てはまっているからであるという思想を感じることができる。「キモかわ」「ブサかわ」など「かわいい」概念は時代に応じて拡張しており、かわいさを売りにするアイドルは「かわいい」と向き合い続ける必要がある。ストイックに「かわいい」と向き合い続ける茜ちゃんの姿勢からは、アイドルという仕事に対する彼女の真摯な態度が伝わる。また、文学や芸術において「異化」という、日常的な事物を一般的な見方と異なる見慣れないものにする手法が存在する。なんでもないありふれた風景をかわいい対象として異化するこの曲は、ある意味とても文学的だといえるのかもしれない。茜ちゃんめちゃめちゃ可愛いのでぜひ聴いてください。

11/28 ワオワオ動物園

歌唱:チマメ隊
発表年:2020
作品名:ご注文はうさぎですか? BLOOM

どこから来てどこへ行くのか、全く予想がつかない劇的な展開を見せるチマメ隊のキャラソン。トキメキだらけの動物園は、何周歩き回ったって同じことの繰り返しなんかにはならない。アニメ本編を超えて、他のどこにもないチマメ隊3人の世界を見せてくれる楽曲。

11/30 ろくでもないBLUES

歌唱:カズマ(CV.福島潤)
発表年:2016
作品名:この素晴らしい世界に祝福を!

異世界でも過酷な生活を送るカズマによるブルース。異世界系・なろう系アニメと言えば、現世では弱い立場だったとしても、異世界では無双するような設定が多い。しかし、現世で引きこもりだったカズマは、異世界にまで来ても貧乏生活。おまけに一緒に冒険するのは、宴会芸駄女神(=アクア)と、一発屋魔法使い(=めぐみん)と、ド変態騎士(=ダクネス)であり、その日暮らしを過ごすのである。ブルースは個人的な苦悩を歌うことが定番であるが、この曲ではカズマの辛さと自棄糞な気持ちがブルースに乗せて表現されている。もしかしたら、現代のブルースマンは異世界にこそ居るのかもしれない。


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