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自分を支える手立てを、もっと身近に。

こんにちは。NPO法人Social Change Agencyです。

今回、「Social Change Agency ソーシャルワーカー 個人向けサポートプロジェクト」を立ち上げ、情報発信をしていくことにしました。

プロジェクトの目的は、「支援者自身が、自分を支える手立てを、もっと身近にしていくこと」「スーパービジョンなどを当たり前にしていくこと」です。

日々、クライアントの困難に向き合い、組織や関係機関からのプレッシャーにさらされながらも、ソーシャルワークの価値や倫理、そして、自身の理想。そういったものを大切にし熟成させ、自分の仕事に誇りを持ちソーシャルワーカーが頑張れる環境がしっかりと整っている組織もあれば、そうでない組織もあることでしょう。

目指し、志した仕事を、長く誇りをもって続けられるような”働きやすい環境”には、賃金などの労働環境、上司、同僚、後輩などのチームメンバーの顔ぶれ、組織からの理解などさまざまな要因が重なりあっています。

個人としてできることとしては、セルフケアのスキルを獲得することや、スーパービジョンなどの自分自身が他者からサポートを受ける、バックアップしてくれる人たちを複数持つことなどがあります。

組織内でサポート資源を確保することが難しい場合、組織外で、例えば職能団体が行うスーパービジョンという選択肢がありますが、すべてのソーシャルワーカーが職能団体に所属しているわけではなく、またバイザーについての情報開示が不足しており、気軽に、自分を支える手立てとしてのSVなどに手を出しづらい状況です。

このような状況の中で、どんな方法がソーシャルワーカーがより健康的に活躍できるためのサポートになるのか、広く支える手立てを多くのソーシャルワーカーが活用していくために何が必要なのか考え、最初のアクションとして、ソーシャルワーカー向けのスーパービジョン研修を行いました。

もともと個人でソーシャルワーカー向けのサポート(スーパービジョン・キャリアカウンセリング)を実践している有志のメンバーで集い、企画・実施したものです。

まずは、この研修で「スーパービジョンとは何か?」「他者に頼るとはどういうことか」「ソーシャルワーカーが職業人として成長するためにどのような過程が必要なのか」を伝えることを目的とする内容にしました。

また、希望する方が利用できるSCAで提供する個別相談やグループスーパービジョンのご案内もしています。

初めての試み、また有料にもかかわらず、55名の方にご参加いただき関心の高さを感じました。

ソーシャルワーカーがサポートを得られづらい理由

研修終了後のアンケートでは、研修に対して80%以上の回答者が10点満点中8~10を選択していただきました。

アンケートでは、これまで職場外でのスーパービジョンを活用したことのあるか尋ねたところ、経験のある方は35%ほどで、質問の設定の仕方から(「スーパービジョンを活用したことがありますか?」)、1対1のしっかりとした枠のある個別スーパービジョン以外の、職場外の繋がっている支援者からのサポートも含むものと考えられます。

また、実際に個別に相談ができる機会があったとしても、活用に迷うポイントには以下のようなものが選択されました。

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特に、
・スーパーバイザー/キャリアカウンセラーがどんな人なのか分からない〔48.1%〕
・適切な相談できるスーパーバイザー/キャリアカウンセラーが周囲にいない 〔 51.9%〕
・料金 〔44.4%〕

を選んだ回答者が多い結果となりました。

一方で、研修の満足度が低かった方や、上記以外の選択肢を選ばれた方の意見として、

・実際個別に受けるとなると費用負担が難しい
・気軽に利用できる社会資源はないのか
・そもそも相談できる準備ができていない

といった意見もありました。

費用に関しては、インターネット上で公表されているソーシャルワーカー向けスーパービジョンの料金を調べてみると、1回あたり4,000~15,000円ほどとかなりバラつきがあります。

費用負担の問題以外にも、それぞれのスーパーバイザーが何の相談を得意としているか、どんな人柄なのかネット上での情報では十分でなく選択しづらい印象も受けました。

また、スーパービジョンを気軽に受けることができる社会資源としては、職能団体や、任意で集まって開催している勉強会、仲間内での学び合いなど、どこかのコミュニティに自力でたどり着く必要がある現状です。

「相談できるほど自分の悩みを言語化できていない」という意見もあり、これはスーパービジョンの相談の中で紐解いていけるテーマですが、この研修で「スーパービジョンではどのようなことが相談できるのか」十分に伝わらなかった可能性が考えられました。

自分を支える「経験」をしていく

この研修を実施したメンバーで、このような研修の振り返りを行い、やはり課題は「現場で孤軍奮闘している支援者」と「支えることのできる環境」をいかに繋いでいくか、その谷間にどう橋を渡していくか、というアクションを試みることが、自分を支える手立てを身近にしていく第一歩だと考えました。

自分の支え方、にも多様な方法があります。

・仲間づくり
・セルフケア
・リフレクション(内省)
・自己覚知
・共感、励ましてもらうこと・・・

そして、それらを自分のものにしていくためには、他者との相互作用が不可欠です。

アイデンティティ形成は一人ではなしえず,多様な役割を通して自らを見,
他者の反応から構築(Alexander & Charles 2009)するものであるとする

「Social Change Agency ソーシャルワーカー 個人向けサポートプロジェクト」では、そのような「機会」の提供を増やしていくアクションを行っていきます。

こちらのnoteでお知らせもしていきますので、ご興味のある方はフォローしていただけますと幸いです。

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Social Change Agencyで行っているソーシャルワーカー向けサポート(個別相談、オンラインプラットフォーム)のご紹介です。皆さんの手立てとしてご活用ください。

①個人向けサポート(スーパービジョン、キャリアカウンセリング)を実施しています。ご自身に合うサポーターを選び、個別に相談していただけます。


②ソーシャルワーカーが集えるコミュニティのひとつとしてソーシャルワーカー向けのオンラインプラットフォーム「swallow」を運営しています。月額500円の参加費で、現在約100名の支援者が参加し、交流会や研修などを行っています。



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