プロジェクトの組織化と資源利用に関する協議
プロジェクトを組織化するのに資源が必要です。
経営資源の利用可能性とタスク実行に必要なスキルなどを協議していくことになります。
今回も読み上げ動画あります。読み上げの方がお好きな方はこちらをどうぞ。
経営資源とは
経営資源とはある活動の実行により消費されるものです。消費される際にコストが発生します。経営資源というとお金のことのように感じますが、プロジェクトの組織化のためにはどんなコストが発生するのかを明確にする必要があります。
人的資源
人そのものや、人が集まったチーム物的資源
設備など消費可能資源
原材料など
資源にはフロー資源とストック資源があります。
フロー資源はプロジェクトの実行のため、制約条件の元に活用可能なもので、ストック資源は常に利用できる状態にある資源です。
フロー資源の例:設備・人・チーム
ストック資源の例:原材料・予算
「ストックを持たない」とされるTPSやコロナ禍以降の原材料不足の環境下では、材料もフロー資源に該当するという考え方になるかもしれませんね。
利用可能性についての検討
利用可能性の計画では経営資源をプロジェクトに利用できない可能性を考慮する
特に人気のチームは他のプロジェクトに利用されていて使えないかもしれません。同じ経営資源に対して、別のプロジェクトに関連した2つの予定を組める
一人の人が、1日6時間はあるプロジェクト、残りの2時間は別のプロジェクトというふうに時間や日を分けて兼任することができるかもしれません。活動の大きさは活動量に影響を与えず変更可能
期間×活動の大きさ=活動量
4日間2時間ずつ活動するのと、1日間8時間活動するのは、同じ活動量になります。兼任させる場合は活動の大きさも考慮しましょう。同じ活動をいくつかの経営資源に配分できる
同じ活動を複数人で分担すれば早く終わらせられるかもしれません。
責任分担と契約締結
責任分担表を使って、各自の役割を特定し、スキルに応じてタスクを配分することができます。責任分担表の作成はプロジェクトの組織化に相当する作業です。
責任分担を行うため、利用可能な人的資源に必要なスキルを持つ人を特定します。利用可能な範囲にスキルを持つ人がいない場合、外注する必要が出てきます。
タスクと貢献者が特定できたら、期限に間に合わせるために必要な貢献者の数を計算します。
仕事の量に応じて、貢献者の数を日割りなどで計算し、累計工数をグラフ化します。これに人的資源を当てはめていきます。
このグラフをS曲線と呼ぶことがあります。これはプロジェクトの経営資源がどのように消費されるかを表します。
プロジェクトリーダーが最終的に経営資源の配分に関する制約に則した人材プロフィールを作成するとそうした人材に関する契約を結べます。
資源不足
タスクに対して経営資源が不足している場合、延期や内容変更が可能なタスクを特定し、対応していきます。
タスクを延期すると、他の経営資源の人材プロフィールも見直していく必要が出てきます。
経営資源の計画は調整が必要なので、非常に時間がかかります。しかも、プロジェクトに必要な経営資源は1度にまとめて配分しなければ、計画の実現が困難になります。
人材資源の確保は人材をプロジェクトに提供する部門の部門長などが保証しますが、いったんプロジェクトに配分された経営資源は人も物も金も全てプロジェクトリーダーの指示に従うことになります。
全て計画通りに進んでいることを確認する責任をプロジェクトリーダーが持っているのです。
タスクの責任
タスクを成功させるという目標は全員が持っていますが、その責任を持っているのは代表者一人です。
代表者は成果物と期待する成果が一致するよう責任を持ったり、チーム内の対立の解決をしたりします。
プロジェクト進行前に実施すること
プロジェクトの成果物を決定する
必要な経営資源を特定する
経営資源の量を計算する
経営資源を配分する
役割を正式に決定する
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