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毎月リレー投稿 第8回「ピルと生理」

NPO法人お客様がいらっしゃいました.のメンバーがそれぞれ個人的に興味関心のある生理と関わるテーマを設定し、調べ、noteにアップしていくリレー投稿。
第8回は、イベント担当のすずが担当します。
今回のテーマは「ピルと生理」についてです。

※私自身、専門家ではないため、自らの経験と独自の調査に基づいてまとめたものになります。ご了承ください。

【目次】
1なぜこのテーマを選んだのか
2ピル服用までの流れ
3ピル服用によって変化したこと
4ピルについて気になる疑問あれこれ
5おわりに

1なぜこのテーマを選んだのか

 私は昨年の11月からPMSや生理痛の緩和などを目的として低用量ピルの服用を始めました。ピルを服用するようになってから、生理との向き合い方が少し変わったかな、と思います。私自身も今飲んでいるピルについてもっと知りたいし、自分の経験についても改めて向きあいたいと思いました。また、ピルについて怖いと思っている人や良く分からない人、避妊のためだけのものだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。この投稿によって、ピルについての実態を知ってもらいたいという思いもあります。なお、この投稿ではピルは「低用量ピル」のことを指します。

2ピル服用までの流れ

 まず、ピル服用までの流れです。現在、日本ではピルはドラッグストアなどでの市販の販売はなく、医療施設で処方してもらう必要があります。海外から個人輸入したピルを販売しているサイトもありますが、国内未承認の薬や偽造薬を扱っている場合もあり、安全性が担保できないので必ず医療施設で診療を受けて、ピルを処方してもらうようにしましょう。
 ピルを処方してもらうにはまず医療施設で問診と検査を行うのが基本です。問診では、生理周期や生理中の症状、ピル服用の目的、喫煙習慣などを確認し、ピルを服用してはいけない人の条件に当てはまっているかチェックします。また、月経困難症や子宮内膜症など、治療が必要な疾患が発見されることもあるので、日ごろの症状や悩みを正直に伝えましょう。検査では、主に血圧測定と採血を行います。近年はオンライン診療が発達していることもあり、問診のみでピルが処方できるか確認することもあります。これらを元に、自分に合っていると判断されたピルが処方されます。
 私は、オンラインでの診療だったため、問診のみでピルを処方してもらいました。その中でいくつか注意事項を伝えられえたのでそちらも紹介します。
①生理が来たら内服を開始すること
詳しく調べたところ、ピルの内服開始は基本的に生理1日目から生理5日目の間に行う必要があるそうです。避妊目的でピルを服用する場合、排卵が抑制できず、避妊効果が薄れるとのことでした。
②副作用が出る可能性があるが飲み続けると落ちつくことが多いからまずは3シート(およそ3か月分)試してみる
副作用があまりにひどい場合はピルと身体の相性が合わないのかもしれず、薬を変更することで症状が和らぐ可能性もあるため医師に相談してほしいとの事でした。
③毎日同じ時間に飲むこと
多少のズレは問題ないとも言われますが、時間を決めて習慣化したほうが飲み忘れを防げそうです。1日飲み忘れた場合は気づいた時点で直ちに飲み忘れた分を服用しその後はいつも通りの時間にもう1錠飲むとよく、2日以上飲み忘れると一度服用をやめ、次に出血があったときに服用を再開する必要があるようです。
ちなみに私が服用しているお薬は1ヶ月だいたい3000円ぐらいです。子宮内膜症などの症状で服用する場合は保険が効いてもう少し安くなることもあります。

3ピル服用によって変化したこと
 私がピルを服用して一番変わったことは、「必ず生理が来る日がわかる」ということです。ピルを服用するまでは、生理が規則的に来ず、不安になることがしばしばありました。ピルを飲んでからは休薬日(ピル=ホルモン剤の入った実薬の服用をお休みする期間)の3日目あたりに必ず生理(ピル服用中の出血は「消退出血」といい厳密には生理とは異なるそうです)が来るため、いつ生理が来るかわかってとても楽になったし、旅行や大好きなサウナ・岩盤浴などの予定も立てやすくなりました。また、ピルを服用する前は生理の量が多いことや生理が2週間近く続くことにも悩んできました。ピルを服用するようになってからは経血の量が減り、また生理が5日間ぐらいで終わるようになり、以前より快適に過ごすことができるようになりました。
 また、私がピルを服用するにあたって一番の不安要素は「飲み忘れ」でした。上でも述べたように飲み忘れが続くとピルの効果が下がってしまいます。私は忘れっぽい性格なので、家族からは「飲み忘れをするんじゃないの?」と心配されてきました。しかし、携帯のアラーム機能を活用したり、必ず持ち歩く財布やポーチの中に入れておいたり、確実に起きている時間を服用時間に設定したりなどの工夫で、ここまで少しの時間ズレはあったものの、飲み忘れることなく続けられています。
 副作用については、私はあまり感じませんでした。飲み始めの2週間くらいは少し吐き気や不正出血がありましたが、それ以降は特に思い当たる症状はありません。ピルを服用していて3か月以上副作用が気になるようなら医師に相談することをお勧めします。

4ピルについて気になるあれこれ
 ここまで主に私の実体験を元にピルについて述べてきましたが、他にもピルについて気になることや疑問点がたくさんあると思います。私が気になることも含めていくつか紹介していきます。

Q1 ピルは何歳から飲めるの?また、ピルを飲んではいけないのはどんな人?
世界保健機構(WHO)の定めによると、生理が始まっていればピルの服用は可能です。生理痛がつらい場合など、小学生でもピルの服用は可能です。また、閉経まで服用は可能ですが、40歳を超えると血栓症のリスクが高くなる可能性があるため、服用を中止するよう説明する医師もいらっしゃいます。また、日常的に喫煙をしている方は35歳以上になると原則服用はできません。35歳以下であってもタバコは血栓症リスクを高めるため、ピル服用中は禁煙することを強く推奨します。

Q2 そもそもピルってどんな効果があるの?
 ピルを服用すると得られる効果は主に「排卵の抑制」「子宮内膜の増殖の抑制」「女性ホルモンのバランスを一定に整える」の3つです。排卵の抑制によって避妊効果が得られ、また、排卵による卵巣のダメージが軽減できることで、卵巣がんのリスクを減らすことができます。子宮内膜の増殖を抑制することで、生理痛や月経困難症の改善に効果があり、また、出血量が減るので貧血の改善も期待できます。女性ホルモンのバランスが整うことで、肌荒れや生理前・生理中の気分の落ち込みの改善といった効果もあります。

Q3 ピルの副作用は?また、血栓のリスクは?
 ピルの副作用には、不正出血や吐き気、頭痛や腹痛、胸の張り、むくみ、眠気などがあります。これらは「マイナートラブル」と呼ばれ、3か月以内に症状が治まることが多いです。3か月たっても改善しない場合は医師に相談しましょう。
 また、ピルには血栓症(血管内に血のかたまりが詰まる病気)というリスクの高い副作用があります。ピルの服用によって血栓症が起こる確率は1年で1万人に3~9人、一方ピルを服用していない場合は年間で1万人のうち1~5人です。この数字をどうとるかは人それぞれですが、足のしびれや激しい頭痛、舌のもつれ、めまい、目がかすむなどの症状が見られたら医療機関を受診しましょう。また、定期的な検査や適度な運動、水分補給などで血栓症を予防できます。

Q4 ピル服用経験があっても妊娠できるの?
 結論からいうと、ピル服用経験があっても妊娠できます。ピルは排卵を抑えることができるため、卵を温存することができ、もちろん不妊の原因は卵の数だけの問題ではないのでピルを飲めば不妊が治るというわけではありませんが、不妊治療に役立つ場合もあるそうです。

Q5ピルの避妊効果はどれくらい?
ピルは1日1錠正しく服用することで、99.7%以上の避妊効果があると言われています。実際は飲み忘れなどの人為的なミスもあるため、使用者全体での避妊効果は92%になります。コンドームを正しく使った場合の避妊率は98%ですが、破損や性行為中に破れるなどのリスクもあるため使用者全体の避妊効果は85%であるため、ピルはコンドームと比較しても避妊失敗のリスクは低くなっています。なお、ピルで性感染症を予防することはできないため、念のためにパートナーと性感染症検査を受けること、また、コンドームを併用することを推奨します。

5おわりに
 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。この投稿を執筆するにあたって、ピルを服用してからの身体の変化や疑問点などについて振り返ることができました。この投稿を読んでピルについての正しい理解が少しでも広がると嬉しいです。また、ピルの服用を考えている方は、自分でも気になることを調べてみて、必ず婦人科などの医療機関に相談してみてください。

 参考サイト
スマルナ|自宅からスマホで、ピルの相談・診察・処方まで。 (smaluna.com)
ピルの副作用とは?血栓症になりやすい人の特徴と予防について | 東京渋谷区の婦人科・不妊治療 torch clinic(トーチクリニック)
ピルを飲むと不妊治療が必要な体になってしまうのか | 山口レディスクリニック|名古屋市南区-不妊治療専門・不妊症相談・不妊検査・人工授精・体外受精・顕微授精 (y-lc.net)