籠の中の鳥
瀬斗(せと)…大学生。口下手で自分の事をコミュ障だと思っている。人との関わり方は狭く深く。
愛奈(まな)…大学生。社交的で誰とでもすぐ仲良くなれる。人との関わり方は広く浅く。ウーパールーパーを飼っている。
一羽の鳥が飛んでいく。
翼をはためかせて
自由に…
無邪気に飛びまわる様は
まるで君みたいだね。
ずっと…
ここにいていいのに。
愛奈「おっはよー!」
瀬斗「…おはよ。」
愛奈「テンション低いよーっ!!もっと声張れよ~。」
瀬斗「(小さく笑いながら)…うるせぇよ。」
瀬斗「(愛奈とは大学で出会った。初めて会ったはずなのに、不思議とすごく気楽に話せた。こんな子…初めてだった。好きになるのに…時間はかからなかった。)」
愛奈「あっ!じゃあ、また!」
瀬斗「…あぁ。
(僕は彼女が去っていくのをとめられない。だって、彼女にとっては僕はただの友人のひとりなんだから。)」
愛奈「たーくん、おっはよー!」
瀬斗「(他の男に笑いかける彼女が嫌い…。
いや…嫌いになれたなら
どんだけ楽になるだろうか…。
この感情からは逃げられない。
…逃がしたくない。)」
愛奈「あはは(笑い声)」
瀬斗「(彼女にまとわりつく男が嫌い。彼女を見るな。触るな。腸が煮えくり返りそう…。)」
瀬斗「(…僕がこんなどす黒い感情、君に抱いてるって知ったら…君はどんな顔するのかなぁ?)」
愛奈「ねぇねぇっ!」
瀬斗「…なに?」
愛奈「また自分の世界入っちゃってたの~?本当にポケーっとしてるんだから。ま、いいや!今度さ、ペットショップ行くのついてきてよ!」
瀬斗「いいよ。」
愛奈「やった~っ!!ウーパールーパーのエサ欲しかったんだ~♬ありがとうっ!」
瀬斗「どういたしまして。」
瀬斗「(君の誘いなら断るわけないのに…。なのに…どうして…どうして僕だけを選んでくれないの?)」
――約束の日――
愛奈「ごめん!待った?」
瀬斗「…いんや。今来た。」
愛奈「よかった~っ!!じゃあ、行こう行こう~♬」
瀬斗「なんか…ゴキゲンだな。」
愛奈「いやぁ、それがさ!聞いてよ!今度、宮間先輩にカラオケ行かないか?って言われててさ~。」
瀬斗「…へぇー。」
愛奈「いや、興味なしかっ!!さすがにふたりじゃないけど、ドキドキするなぁ。緊張して歌えなさそう。」
瀬斗「(饒舌に喋る君…。あぁ、ダメだ、これ…イライラする。)」
愛奈「何着ていこうかなぁ~♬女の子らしい格好の方がいいよね…。てか、何歌おうっ!!?」
瀬斗「(僕のこと、なんだと思って…。)」
愛奈「…ちょっと聞いてんの!?」
瀬斗「聞いてるよ。
(ダメだ、これ…。怖がらせないように…傷つけないように…今まで優しい顔してた。」
瀬斗「早く行こう。」
愛奈「え?あぁ。そうね。」
瀬斗「(少しは自覚させないと。)」
――ペットショップにて――
愛奈「わぁ~!!可愛いいぃぃぃ!!」
瀬斗「可愛いね。すごく。」
愛奈「…よかったぁ。」
瀬斗「…え?」
愛奈「いやぁ…なんかさっきすごい顔してたからさ。具合悪いのかと。」
瀬斗「違うよ。大丈夫だよ。それよりこっち見て。」
愛奈「ん?あっ!!可愛いインコちゃーーーん!!」
瀬斗「…籠の中の鳥って可愛いよね。」
愛奈「…ん?うん、そうだね。」
瀬斗「(絶対に逃がさないから。)」
ーーーー終ーーーーーー
男女不問
私の作品は百合でもBLに
変更しても大丈夫です。
その場合、一人称や名前など
変えてください。
例(瀬斗→星那、愛奈→愛斗)
女性キャスト様が演じてくださる
中性声も大好きなので
男性として演じてくださるのも
大歓迎です。
もし、使ってくださる時は
お声がけしてくださると
喜んで見に行きます(◍´꒳`◍)
自作発言、転載はしないで下さい。
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