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[原点へ回帰せよ]GIVER(与える人)こそが最強である〜”適切に尽くし”て幸福に生きる〜

「成功の秘訣とは『寛大さ』である。」


こんばんは、ヒロです。(ただいま23:00)


今回は、超有名なこちらの本「ギブアンドテイク」を紹介していきます。


一見、ボランティアや寄付には自分にとって利益などないように思えますよね。

お金持ちなどの余裕のある人がやればいいのだ、と思ってしまうかもしれません。


しかし、それは間違っています。


彼らは優しかったからボランティアをしたのではありません。
お金持ちだったから寄付したのではありません。

与えることを習慣にしていたからこそ、豊かな人生を送れるようになったのです。


著者アダム・グラントは、名著「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代」も執筆した非常に優秀な人物です。
彼は「ギブアンドテイク」の終章で”本書で証明すること”として以下のように記しています。


君たちはギバーは成功できないと思っているかもしれない。確かに、何の見返りも期待せず、ひたすら他人を助けている人たちのなかには、成功の階段の一番下に転げ落ちる人もたくさんいる。しかし同じギバーであっても、ほんのちょっと工夫すれば、階段の一番上にのぼることができるんだ。
他人の人生に”ちょっといいこと”を起こすことに、注意とエネルギーを集中して見て欲しい。そうすれば、成功は自ずとついてくる。僕にとって苦しい戦いになるだろうが、君たちが間違っていることを証明してみせようじゃないか

(380ページ)


今回の結論そのものであり、そのまま引用しました。

与える人は適切な与え方をすることでその恩が因果応報の如く自身の身に返ってくるのです。

しかし、無計画な人助けは身を滅ぼします。


この記事では「適切な与え方」を明らかにすることで、この世に一人でも多くの与える人が増えることを願います。

また、搾取こそ成功の鍵だと考える「TAKER」ではなく、思いやりを持った「GIVER」として生きていくことの素晴らしさをあなたに伝えたいと思っています。

本書では、人間は基本的に3種類に分けられるとされています。

・自分の利益にならないことも進んで行う「GIVER(ギバー)」
・相手から搾取する「TAKER(テイカー)」
・そのどちらでもなく、借りは忠実に返すが見返りはきちんと求める「MATCHER(マッチャー)」

この記事ではこれらの用語を用いて説明していきますので把握しておいてくださいね。


アダム氏の書かれる本を読んでいると、思います。

彼の書く文章には、結論を裏付ける豊富なエピソードに加え、非常に分かりやすい論展開によって読者を魅了する術がふんだんに用いられている、と。

「ペンシルベニア大学ウォートン校現教授であり、同大学最年少の終身教授」である彼の思考や生き方、研究結果を学べることに深い喜びを感じるとともに、この学びをこうして伝えられる嬉しさも噛みしめながら執筆しています。

今回もどうぞよろしくお願いいたします。



でははじめましょう。


1 GIVERとして生きた、とある政治家を知って欲しい


本書にならって、ある政治家のストーリーから書き始めようと思います。

少し長いですが、必ず最後まで飛ばさず読んでほしいです。

その「ある政治家」の過去は、農村出身の青年。
政界入りを目指して悪戦苦闘していた。ここでは名をサンプトンとする。

「イリノイ州のクリントン」を目標にしていた彼は、いつか上院議員に立候補したいと考えていた。
初めての州議会議員立候補は若干23歳のときで、結果は13人中8番目。上位4位に入れず議席を確保することはできなかった。

その後は借金をして小売店を始めるが、その借金は年収の15倍にも上り、何年もかけて返済。のちの選挙に出馬した際には当選し衆議会議員を務め、その後は弁護士になった。

そして彼は45歳になるとついに上院議員選挙に出馬した。一度目の投票では44%もの票を獲得してトップに。

しかし、次の投票で現職の州知事「マットソン」が参戦したことで形成は一変した。

マットソンは一部からは人気があった。

しかし、サンプソンは彼の汚いやり口や動機を危惧していたため、自分の当選を犠牲にしてでも彼の当選を回避させたいと考えるようになっていた。

ところで、この選挙に出馬しているのは主に3人。

主人公として書いているサンプソン、現職の州知事で汚いやり方を厭わないマットソン、そして「トランブル」だ。

サンプソンはマットソンのことは気に入らなかったが、トランブルの主義主張には共感できるものがあった。

そこでサンプソンは驚くべき行動に出る。


自分の多くの支持者に「トランブルを代わりに支持するよう」に頼み、選挙戦から撤退したのだ。

内訳は、マットソンが44%、サンプソンは38%、トランブルはわずか9%だった。

決して諦めるような戦況ではない。
もっと直前まで戦えばギリギリでも勝てる見込みはあるように思える。

しかし、彼は自分の当選よりも市民の未来を選んだ。

自己の利益よりも全体の利益を考える−GIVERの特徴であり、事実、彼は偉大なGIVERとして知られる存在である。

なぜなら、実は”サンプソン”とはあなたもよく知る人物。

これは彼が用いたペンネームだ。

彼の本当の名前は−エイブラハム・リンカーンなのだから。


2 与える人生は素晴らしくなる、これだけの根拠


さて、1では偉大なGIVERを紹介しました。
専門家によると、「リンカーンほど利己的でなく、自己中心的でなく、自惚れ屋でも無い大統領はほとんどいない」と言われます。

あなたもお分かりの通り、「与えることは良いことである」と言う概念が今更新たに生まれたわけではありません。
逆に「因果応報」と言われるように、他人への行いは自らに返ってくるものだと古くから語り継がれてきました。


現代は、資本主義社会の激しい競争文化が尾を引きずる状態のように思えます。
以前の私のように、誰かに勝つことこそが成功への唯一の道だと信じ込んでしまう人は多いでしょう。

しかし、それは間違いだと断言できます。

根拠は大きく2つ。


1つ目は、人の行動は社会心理学的に説明できることです。
社会心理学のバイブル−「影響力の武器」によると、人間の心理原則は6つだと言います。

その1つに返報性の原理というものがあります。

これは一言で言うと「恩返し」したくなる心理です。
恩を受けたらそれを返したい-”恩返ししたい”を思うのが普通なのです。

よって、何かをしてもらった人は遅かれ早かれその恩を返すために様々に動いてくれると言える。

これが1つ目の理由です。


2つ目は、”現代”という追い風が吹いていることです。

以前は人に多くのものを与えても、インターネットが普及する前は個人がもたらす影響力というのはよほどの人物でない限り限定的でした。


しかし現在、IT技術の台頭によってGIVERに追い風が吹いています。


”与えられた人”は自分の「広大なネットワーク」によって与えてくれた人の評判が非常に早く、広く伝わるようになったのです。


その分、与えることによって得られる恩恵は多くなります。
なぜなら、全ての仕事において他者による支えが想像以上に大きいからです。


GIVERに懐疑的だったとしても、そのメリットがをあなたに伝えられたと思います。

ただし、注意すべきことがあります。

ただ単に自己犠牲的に働けという意味では全く無いということです。


では、どのようにして与えればいいのか?
適切な与え方などあるのでしょうか?


安心してください。しっかりと説明していきます。


3 闇雲に与えすぎて、身を滅ぼす人


さて、与えれば良いというわけでは無いということをもう少し掘り下げていきます。

あなたはこれまでの章で「与えることは実は遠回りでは無い」と思っていただけたかもしれません。
しかし、ある重要な事実をお伝えします。

世の中にいる三種の人間−「GIVER」、「TAKER」、「MATCHER」の中でもっとも成功できないのは、実は「GIVER」なのです。

おい、嘘つきか!と言われそうです。これは補足が必要ですね。

最も成功しているのも「GIVER」なのです。

(なお、本書によるとマッチャーとテイカーは共に程々の成功にとどまることがほとんどとされている。)


つまり、最も成果を出すことができるのも、最も出せないのも「GIVER」だということです。


これは、適切に与えられる者は成功し、適切な施しができない人間は身を滅ぼすことになるという証明と言えます。


ではその違いは何か?
成功できる、正しく与えるための条件は?


4 適切な与え方を、あなたに


さて、ただ単に人に尽くし続ければいいわけではないという、よく考えてみれば当たり前の話をしてきました。

ここでは「”幸福なGIVER”になるための条件」について明らかにしていきましょう。


成功できるGIVERの条件。

それは、「合計時間と与え方」にあります。


まず、前者の「他人のために使う最適な総時間」を知りましょう。

これは、年約100時間がもっとも良いとされています。

1週間で考えると約2時間です。

それ以上の”尽くし”は自分に悪影響が及びます。つまり与えすぎです。
与えすぎるは心身ともに疲弊してしまい、単なる自己犠牲に終わってしまいます。

健康な自分あっての他人の幸福です。

自らの心と体を労り、適切な時間を把握しておきましょう。


そして、本書は「与え方」にもアドバイスしてくれています。

「毎日少しの”尽くし”を継続して行う」のではなく、「日を決めて一気に与えよ」というのです。


ただ、少しずつ与えるのが他人にとって良く無いということではありません。

これは、あまり自らの幸福感には繋がらないという理由によります。
脳が習慣との判断を曖昧にしてしまい、「楽しくも無いのに与えてばかりだ」、「やってあげることが常態化してしまっている」という状態になってしまうのです。

これでは次第に疲労感がたまり、幸せに生きることはできないでしょう。

見返りを求めないGIVERになるためには「他人のために行動すること」が自分にとってもワクワクすることであり、幸福感をもたらしてくれるものである必要があります。
そうでなければ続けることもできないのです。


まとめ 豊かに生きよう


いかがでしたでしょうか。

競争に勝った者こそが成功できると思い込んでいる方、いませんか?

そんなあなたは、自分はこの世界で想像以上に他人に支えられて生きていることを、再認識すべきです。


他人のために何をしてあげられるか。

今までは自分がいかにお金を稼ぐかとか、いかに学歴を手に入れられるかなど、自分にしか考えが及んでいませんでした。

しかし、本書を通じて自分は社会のどんな役に立てるのかを考え、それを達成できたときが最高の喜びであり、最大の名誉だと考えるようになりました。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

最後に、心に刺さった一文と共に記事を締めたいと思います。

自分に全く利益をもたらさない人間をどう扱うかでその人がどんな人間なのかはっきり分かる。」−サミュエル・ジョンソン(イギリス、辞書編集者)
(70ページより)



あなたの幸せな人生を祈って。おやすみなさい。





本当にお金に余裕のある方だけ、ヒロに投資をお願いします。 得たお金は全て書籍代にさせていただきます😆