周りと差をつけられるパフュームの知識vol03/現代の女性達を魅了し続ける調香師ジョー・マローン

このコーナーは香水の歴史や経緯などはもちろん買うべきアイテムや基本的な知識などを連ねていきます。

__________________________________________________________________________________


皆さんは最近ZARAがジョー・マローンとコラボして、香水を出したことはご存じでしょうか?

今回はジョーマローンが如何にしてフレグランス帝国を築き上げたのかについて話していきたいと思います。

彼女は1963年にロンドンの貧困層の集まる公営住宅で生まれ育ち、ローカルマーケットで父親の書いた絵を売る手伝いをしていた時に、一緒に自作のTシャツを売っていて、この時に自分でつくったものを人に売る喜びを知ったそうです。

ジョーが美容業界に関わるようになったのは、当時、美容家のマダム・ルバッティの下でフェイシャリストとして働いていた母親の影響が大きいく、9歳の時にマダム・ルバッティからサンダルウッドから作られた秘伝のフェイシャルマスクの作りかたを学んだりしていたそうです。

1970年にマダムの死後、ブランドを母親が引き継ぐことになるのですが、その母親も脳卒中で突然の死去。これを受けてジョーは15歳で学校を辞め、元々失読症であるハンデを抱えながら、昼は花屋で働きながら、夜はキッチンや出張で、母親の顧客に対して、フェイシャリストとして腕を磨いていきます。
彼女の努力も実り、プロのフェイシャリストになった彼女は同業者との差別化を図るため、アロマティックな軟膏を使用したマッサージパーラーを自宅に開き、夜はバスオイルを調合する日々を送っていたそうで。


そんなある日、相反する素材を合わせてみたらどんな香りになるだろうか?と疑問に思い試しにナツメグとジンジャーを調合してみた。


その時出来たのがナツメグ&ジンジャー・バスオイルではじめは自分の顧客にギフトとして送っていたのですがこれがめちゃくちゃ評判が良くって、次々追加注文がされ、彼女は自分のブランドを作ることを決意します。

※参考画像「ナツメグ&ジンジャー・バスオイル」

画像1

夫のゲイリーと154ウォルトン・ストリートに店を構えた彼女は、その時に、フェイシャルマッサージを捨て、フレグランスに生きると誓ったそうです。


彼女の作るフレグランスはとても好評で、最初の大物顧客は、スノードン伯爵夫人ことセレナ・アームストロング=ジョーンズとJOSEPHの創業者ジョゼフ・エテッドギーの妻のイザベル・エテッドギーで、

※セレナ・アームストロング=ジョーンズ

画像2

特にイザベルは、ジョーマローンのブランドの象徴ともなっているクリーム色のボトルに、黒いリボンの包装をデザインし、ヴィンテージの薬局スタイルのボトル・デザインを生み出す手助けをした。

※JoMaloneの包装デザイン

画像3


それから、グッチの社長だったドーン・メロにも認められ、1998年には、ニューヨークのバーグドルフ・グッドマンで扱われるようにもなる。

彼女がここまで躍進することができたのは、当時、複雑な香りのフレグランスが乱立していて、人々がそれに飽き飽きしていたという背景があり、それにより彼女が作る高価な天然香料をしようしたシンプルな香りが人気になっていった。
彼女の躍進は続き、1999年にジョーはロンドンに旗艦店を作り、同年エスティローダーに自分のブランドを売り、以後も、ジョーは、クリエイティブディレクターとしてジョーマローンに残り、アドバイザーとして世界各国を回る生活を送っていました。

2001年にはニューヨークにショップをオープンさせ、さらに同年、念願のスキンケア部門もスタートさせました。

そんな彼女にいままでの幸福を吸い取るような出来事が起こります。
2003年彼女は乳がんになってしまうんです。そんな彼女のためにエスティローダーは最高の医療技術を提供し、化学治療を行いました。その甲斐あって彼女は徐々に回復していき仕事に復帰できるまでになるのですが、2006年にクリエイティブディレクターをやめてしまいます。

それ以降優雅な引退生活を送っていたのですが、心は満たされなかった、、彼女は心からフレグランスを愛し、美容ビジネスが大好きだったことを実感し美容業界に戻る決意をするのですが、エスティローダーを退職するときに5年間は同業のビジネスを行えないという条件を提示されていて、その間は百貨店の美容コーナーを通るだけでもいやになっていたそうです。

2011年、ジョーマローンはジョー・ラブズというブランドを立ち上げ、再始動を果たす。
古巣のエスティローダーは彼女の動きに警戒し、英国中のデパートがジョー・ラブズに興味をもっていた。しかし、はじめてからの2年間は鳴かず飛ばずの期間が続き、ジョー自身も何度もジョー・ラブズを閉めようと悩んでいたときにシトラス系のフレグランス『ポメロ』が生み出されます。

※ジョーラブズ ポメロ(POMELO)

画像4

ポメロはヒットし、そのことによりロンドン・エルザべス・ストリートに一号店を出せるまでに成長していきます。

そんなジョー・マローンが世界的に有名なZARAとコラボして香水を出すことになる。


こんなに情熱的でフレグランスを愛している女性が作った香水が粗末なわけないです!

これより下はそんなジョー・マローンとZARAがコラボして作った香水のレビューと全8種類それぞれにあった服装などをご紹介していきます。


__________________________________


はじめにお伝えしたいのが、今回の香水はZARAが出していることもありめちゃくちゃコスパがいい!90mlで4990円のわりにクオリティーが高い!さすがジョーマローンなだけはあります。

種類:全8種
容量:10ml / 40ml / 90ml
価格:¥1,190 / ¥2,990 / ¥4,990(税込)

▼VETIVER PAMPLEMOUSSE


(グレープフルーツ / マンダリン / ベチバー)
グレープフルーツの爽やかな香りで全8種類の中でもっとも夏にあう香水。ただ爽やか印象が強すぎてあまり色気を感じないのと柑橘系だけに香りの揮発も早い。

https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/425974-00-006

https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/425783#thumbnailSelect

↑上記の二つを合わせるのがいいとおもいます。アクセサリーでメガネをかけるのもありかもしれません。白Tシャツはタックインしましょう。

https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/423881#thumbnailSelect


▼WATERLILY TEA DRESS


(ベルガモット / スペアミント / ムスク)
フレッシュ感があるグリーンの葉を彷彿とさせる。ウォーターやアクアと名前の付くものに多いんですが、ちょっと青臭い。ただ値段の割にそこまで嫌な青臭さではなく、ブルガリやトムフォードにも似た洗練された香り。
やっぱりジョーマローンが作っているだけはあるなーと。
草っぽい匂いが特徴的なので使える場面は限られると思いますが、、そうですね、、、海水浴とかにはいいんじゃないかと思います。

https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/425147-32

↑上記のサイトの写真のような着こなしが似合う香りだと思います。あとキャップなんか被ればカジュアル感が強くなっていいですよ。

▼EBONY WOOD


(ペッパー / クローブ / エボニー)
甘い香りが特徴的なマスキュリンのイメージを彷彿とさせる香り。あまり男性がつけることはお勧めしない。女性はデニムをはいてる人が似合うかもしれない。(漠然としていてすみません。)

※イメージ写真

https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/430134-67


▼AMALFI SUNRAY


(ベルガモット / マンダリン / オレンジフラワー)
爽やかさがあり柑橘系ほどフレッシュではないがその分大人びた印象がある香り、ゲランのロム イデアル スポーツに匂いが似ているゲランのは100mlで9,700円なのでこっちの方がコスパはいい。個人的にはめちゃくちゃ好きな香り。浴衣を着た時のお供にもっておきたい一品。


▼TUBEREUSE NOIR


(イランイラン / チューベローズ / サンダルウッド)
チュベローズとイランイランの甘い香りと鼻に抜けるすっきりとした香り。男女兼用で使える汎用性が高い香水。服装はなんにでも会うとおもいます。正直語ることがあまりない。無難なイメージ。

▼FLEUR D' ORANGER


(オレンジフラワー / ネロリ / イランイラン)
オレンジフラワーのすっきりとした花の香りが特徴的、シトラスよりも爽快感はないがフローラル系も入っているのでシトラスよりも色気を感じる。男女兼用で使えるが、どちらかといえば女性よりの気もする。中世的な男性にはいいかも。あまりドレスライクな服装は似合わない。スーツの時は付けるのを控えた方がいいかもしれない。 季節は春夏に向いている香水だと思います。


▼FLEUR DE PATCHOULI


(ピオニー / パチョリ / ユソウボク)
パチュリの香りが際立つ、独創的で個性的な香り。個人的に女性につけて欲しい香水。おそらく名香として知れ渡るのではないかと思う。男性でも寝る前に付けると心地よい眠りにつけるのでは。 本当にいい香りです。一回試しに付けてみてください!きっと気に入ります。

▼BOHEMIAN BLUEBELLS


(ラベンダー / サンダルウッド / ムスク)
ラベンダーとサンダルウッドが混ざった香りがベースになっている。深みのある官能的な香り。人によってはおばあちゃん家の匂いやトイレの芳香剤に似ているという人も多いとおもいます。あまり若い年齢層にはお勧めしない。ラストノートのムスクは少ししか感じれず、普通の人は気づかないと思う。婦人がつける香水というイメージ。男性にはお勧めしない。

ここから先は

0字

従来型の感覚的ではない、論理的、数学的な内容で香水の選び方やつけ方を解説するマガジンです。誰もが理解できる香水のセオリーを伝えます。 Q&…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?