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パフォーマンスビルダー三浦の視点 #4~クロスカントリースキー:四駆の力を活かす

こんにちは、パフォーマンスビルダーの三浦千紗子です。
2021年3月、コロナ禍ではありますが少しづつ色々なスポーツも動き始めていますね。その中で私の目をひいたのがクロスカントリースキーです。
ニュースを見た時に、ふとクライミングのことを思い出しました。
「クライミングに関わる中で身に着けた“四輪駆動のパフォーマンス構築”をクロスカントリースキーにも応用できるのでは~?!」と考えたからです。
今回は、四輪駆動の体づくりのメリットをお話したいと思います。


1、 パフォーマンスビルダー×クロスカントリースキーの可能性

冬季オリンピックの種目にも採用されているので、目にしたことはありましたが、あの競技を見ると自身の中学・高校時代に長距離走した後の血の味と、パンパンの足…を思い出します(涙)。

そんな私が、もしクロスカントリースキーの選手とトレーニングをすることになったら何を考えるか。ひとえに「いかに疲労をためにくい体をつくるか」でしょうか。
レースを展開していく中で、ここぞという勝負時にスパートをかけられる、自分の望むレースができるような体。ゴール間際まで競ってせって最後の最後に勝敗が決まるようなレースを何度も見ました。みんな必死、絶対に負けたくない最後の競り合いでも、勝ちきれるためのパフォーマンスをつくる。


2、 四輪駆動の体がもたらすメリット

その疲労をためない、粘れる体づくりをする際に四輪駆動の体が役に立てるのではないかと考えます。
四輪駆動の体をつくるということは、エンジンの馬力が増えるということです。
クロスカントリースキーに留まらずあらゆる競技のトップ選手は、人間の体の中でも大きな力を出すと言われているお尻の力を上手に活用している選手が多いです。しかし、せっかくクロスカントリースキーには、ストックという上半身の武器が与えられているので、その武器をうまく活かし、上半身のエンジンも動員し、馬力を増やしてしまおうというわけです。
(詳細は「パフォーマンスビルダー三浦の視点 #3 ~クライミング:四駆の体づくり」参照)

ストックを使う際に、腕の力でストックを活用するのではなく、背中の力でストックを活用できるような上半身の動きをつくりながら、お尻と背中の協調性を高め、常にビックエンジンがスムーズに連動するような体づくりを行います。
もし、選手と一緒にトレーニングをすることになったら、一番重要視するトレーニングは「懸垂」ですかね!


クロスカントリースキーを見ていると、やはり欧米諸国の選手と日本人選手の体の大きさの違いを感じます。どんなスポーツでもそうですが、日本人選手はまず体のサイズで欧米諸国の選手に負けていることが多い。体が大きいということは、必然的に積んでいるエンジンも大きいということなので、日本人が日本人の体のつくりを活かし、最大限のパフォーマンスを発揮するとしたら、体にあるエンジンを四輪駆動仕様にし、滑り方をつくること、そしてそれに伴う体づくりを行うでしょう。日本人は比較的器用だという言われることもあり、細かい技術力が高いケースが多いので、その四駆の体を活かして細かいコーナリングや滑り方の技術力向上を見込むこともできると思います。四駆の体になることで、既存の技術力を向上させ、もしかしたら新しい技術力を生み出すことができるかもしれない、そんな風に考えています。


3、 他のスポーツへの応用

この「四輪駆動の体づくり」の考え方は、下半身の負担を軽減させたいあらゆる競技に応用できるものです。
「下半身」ということは、後輪。
さざままなスポーツを見ていると、クライミングとは逆に後輪駆動であることが多いようです。トレーニングや体づくりという単語から皆さんが想像するのは、と圧倒的に下半身ではないでしょうか??
後輪駆動から四輪駆動へ移行することで下半身の負担を軽減する。
いくつか例を挙げてみましょう。

①足への負担軽減
・テニスやバドミントンなどの対戦型競技でフットワーク力が必要なもの
・ラグビーやバスケットボール、サッカーなど走力が必要なもの
・トーナメントの大会で何試合もタフな試合を求められる場合の
 パフォーマンス
・マラソンなど長距離の競技の中でスタミナが必要なもの


②下半身の怪我の予防
・スポーツをする際にネックになる怪我、特に膝の怪我やふくらはぎ、足部 (足首や足の裏、足首周囲)の怪我の予防
 …だいたいの場合、これらの怪我が起こる理由は「慢性的な疲労の蓄積」
  であるため
   
と、まだまだ書ききれないことばかりですが、このように競技の枠を超えて、あらゆる場面で活用することができます。
以前「体のトリセツ #3 ~黄金の三角形」でも取り上げましたが、このように下半身の負担を軽減し、疲労をためにくい体づくりをするということは、常に筋肉をプルプルの状態に保ち、良いパフォーマンスを発揮しやすい状態をつくるということに繋がります。

私は、体づくりの目的は「立派な体」をつくることではなく、実際にパフォーマンスを生み出す場面において、「どのような効果をもたらしてくれるのか」という観点が重要だと考えています。


4、 おわりに

今回は、クロスカントリースキーを例に四輪駆動の体を様々な場面に当てはめて考えてみました。
もし今度皆さんがクロスカントリースキーを見る機会があれば、四輪駆動のイメージを持って見てみてください!
ちょっとだけ足の疲労感が軽減されているかも~しれません。
そして、この四駆の作用は思いもよらない効果をもたらしてくれるパターンもあるので、また後日このお話の続きをさせてもらえたらと思います。


画像引用:見出し「depositphotos

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