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おいせさま

我が家には1冊の絵本があります。その名も おいせさま

子供が生まれて間もない頃、立ち寄ったブックオフで100円で売られていたものでした。どうせ100円だしと、半分洒落で購入しました。なんとも言えない昭和レトロな表紙に惹かれ、もう少ししたら子供に毎晩読み聞かせてやる!と冗談で言っていました。

さて、この絵本、内容は中々侮れないもので、ある家族が伊勢神宮にお参りする様子を描いているのですが、要所要所の説明が簡潔にまとめられており、これを読めば伊勢神宮の由来から、お土産に何を買えばいいのかまで分かってしまうという優れものです。
流れとしては以下のようになります。

1.伊勢神宮にお参りにいく
2.伊勢の国の概要と何故ここに伊勢神宮が祀られたのか
3.まずは外宮にお参り。外宮の祭神と神様の説明
4.宇治橋を渡って五十鈴川でお清め
5.内宮の祭神と神様の説明
6.神嘗祭(かんなめさい)の説明
7.神御衣祭(かんみそさい)の説明
8.内宮外宮の構造
9.式年遷宮の説明
10.遷宮の際に使う木材を運ぶ お木曳き(おきひき)の説明
11.伊勢名物のお土産の説明

文章は一貫してきれいな七五調です。
例えば、出だしは「たのしいうれしいいせまいり とおいとおいむかしから ずっとつづいたいせまいり・・・」と続きます。

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著作権的にアレなので、ぼかしを入れます。
外宮にお参りしていますね。
「げくうにまつる とようけの おおかみさまは みけのかみ・・・」と豊受大御神(とようけのおおみかみ)の説明です。

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きちんと大人向けの解説も載っています。

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ぼかしてもわかりますが、赤福本店ですね。
「おいせまいりの おみやげは あかふくもちに しょうがとう にけんぢゃやもちも おいしいと みんなにかって かえります まいってよかったおいせさま またらいねんも いきたいな」で終わります。

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さて、これを子供が読み聞かせをする年頃になった時に、毎晩読んであげました。もちろん普通の絵本も読みましたが。
毎日読み聞かせをしていた家内に至っては、暗記してしまいました

子供が幼稚園に入る頃になると、自分で本を開いて、このおじさんたちはなんでみんな同じ格好なの?(式年遷宮の神主さんたちの絵を見て)とか、川に魚がいるとか(五十鈴川)毎日のように見ていました。おかげで神社に行くと屋根の上に乗っている木をみて「かつお木だ!」というほどになっていました。

そんなわけで、我が家ではこの おいせさま がある種バイブルのようになっていたのです。江戸時代には犬まで一匹でお伊勢参りをしていたというではありませんか。
これは一度は行かずばなるまい、というわけで、はるばる伊勢神宮にお参りに行く事になったのです。

しかし、遠い地に住んでいるという事で、ゆっくり伊勢神宮だけを見て回るのも勿体ないという事で、2泊3日の旅行で、奈良、大阪、京都、三重の二府二県を回るという鬼のスケジュールを組んだわけですが、その話はまた別の機会に。

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