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刷り込み

自分が○〇を好きなのは、幼いころにそれに慣れ親しんでいたから、というのは誰にでもあることかと思います。
刷り込みというやつですかね。
逆に幼いころは夢中だったのに、成長とともに興味を無くすということもあります。

うちの子どもは幼い頃深海魚に夢中で、図鑑を眺めては知識を吸収して、水族館ではペラペラと魚の特徴なんかを言っていましたが、中学生になった現在、深海魚なんて興味ないや、名前も殆ど知らないと言っています。
恐竜でも同じような事がありました。
末は考古学者か深海生物学者かなんて親バカを炸裂させていましたが、こんなもんですね。

一方古いお土産屋さんがあるような鄙びた観光地が好きなようで、理由を聞いても良くわからないといいますが、小さいころから神社仏閣に行く機会が多かったからだろうなと思っています。

僕はと言えば、何か幼い頃の経験で今でも好きなものがあるかと聞かれたら、「阪急」と答えます。
ええ、あの関西で走っている阪急電車、阪急阪神ホールディングスの子会社の阪急電鉄です。
恐らく幼い頃、よく乗っていたからだと思います。
あの頃、僕にとって電車と言えば、新幹線ではなく阪急でした。

今でも家族で旅行に行って、新大阪から京都に行くのに阪急をチョイスし、
家内から「大阪と京都って近いかと思ってたけど、意外と遠いんだね40分以上もかかるんだ」と言われて、「JRの新快速なら24,5分かなぁ」「えっ、そっちの方がいいじゃん!なんでこっちに乗るの」「阪急だからだよ」
と答えるぐらいには好きです。

結婚して間もなく、テレビで阪急の電車が映った時に「チョコレート色で昔の電車みたいだね」と言われた時は、「違う!これはマルーンっていう色なの。見て、この塗装。顔が映りそうなぐらいピカピカして綺麗でしょう!」
と力説して気持ち悪がられたりしたこともあります。
おかげで今は家内も阪急の色だけは茶色やブドウ色などと言う事も無く、マルーンと言うようになりました。

幼い頃を思い起こすと、梅田を発車して構内を抜けるまでのポイントを通過する時の音が怖くて、耳を塞いでベソをかいていた、かすかな記憶があります。
つまり、怖い思いや嫌な思いをしてるはずなのですが、不思議なものです。

やがて中学生になりプロ野球に興味を持つようになると、周りの友人はジャイアンツファン一色の中、一人だけ阪急ブレーブスのファンというおかしなことになります。
みんなが「シピンがさぁ」とか「篠塚の守備がー」と言っている中で「今井雄太郎が」とか「マルカーノが」とピントのずれた会話をしていました。

阪急の試合なんてテレビ中継があるわけじゃ無し、ラジオで聴こうにも韓国の放送より感度が悪く、殆ど受信できない状態で、新聞のスポーツ欄を毎日見ては、前日の試合に一喜一憂するという地味なファンでした。
地方に阪急が試合に来る事などほとんどなく、結局阪急の試合を生で見る事はありませんでしたし、西宮球場へ行く事もありませんでした。

そんな訳で子供の頃の遊園地の思い出と言えば、今は無き宝塚ファミリーランドを思い出しますし、チョコレート色を見るとマルーンだと思ってしまうし、旅行に行く時は阪急交通社を使うし、ホテルに泊まる時は阪急を最初に探すし、自分でも理由がよくわからないけど阪急好きなのです。

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