パパのロボロボ、 火星へ旅立つ
前日の夜は心配であまり眠れなかった。半分は寝過ごして見逃してしまう心配。もう半分はロケットが爆発して全てが海の藻屑になってしまう心配だった。
15年前、22歳だった僕は日本からアメリカに渡った。2個のスーツケースには日本食と、身の回り品と、夢がいっぱいに詰まっていた。いつか自分が作った宇宙探査機を宇宙へ飛ばす夢だった。
火星ローバー・パーサヴィアランスの打ち上げは、カリフォルニア時間の7月30日午前4時50分に予定されていた。このローバーには文字通り何千時間も、僕の持てる