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【境界線】を超えた先にあるもの

4月に開講して、今回7日目・8日目にあたる「コーチング ブートキャンプ」(私が勝手にそう呼んでいるだけで、実際は「アナザーヒストリー プロコーチ養成講座第39期」というクラスです)では今回、コーチ自身が自らに設定してしまう【境界線】について学びました。

【境界線】というのは、その【境界線】の範囲内であれば「快適」と感じ、違和感なくものごとを進められるギリギリの線、といったイメージです。つまり、その【境界線】を超えようとすると、自分の「コンフォートゾーン」から出ていかなくてはいけないので、安全性が脅かされるような違和感を感じる「崖っぷち」とも言い換えられると思います。

それは意識するしないにかかわらず、コーチ自身が自らに対して「自分では超えられない、と設定してしまっている限界点」だとも言えるでしょう。

それは例えば「このクラスの昼休みに気持ちよく行けるランチの金額の上限」であったり、コーチングのことなら「今、有償セッションを行うとして、自分が設定し得る最高額の料金」であったり、「どんなクライアントになら、自分はセッションできると思うか」というポイントであったりします。

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その【境界線】を意識するための、より具体的な問いとするならば、
・土日に東京都心部にセミナーを受講しにきて、その1時間の昼休みの間に気分よく使える「ランチ価格の上限」は?
・今の自分が有償セッションをするとして、いくらまでならセッション料金として違和感なく受け取れるのか?
・たとえば、企業の経営者や、自分より20歳も30歳も年上の人物にコーチングすることは可能だと考えているか?
というようなことになるでしょう。

コーチがその【境界線】【自分の設定したコンフォートゾーン】について意識することがなぜ必要かというと、その境界線を超えることなくその中に留まり続ける限り、コーチ自身が描ける夢の大きさが限定されてしまう可能性が高いからです。

そうすると、クライアントに対し、コーチとしてリードしていくはずの「何の制限もなかったとしたら、どんな夢をあなたは描きますか?」という問いに対して、コーチ自身が実は十分に答えていないことになり、コーチが「自己一致していない」状態であると考えられるからです。

それらの問いに対してクラスで考えた、「では、私は一体いくらの有償セッションが可能なのだろうか?」や「独立してビジネスをした経験が一切ないのに、経営者相手のセッションが今のわたしに可能だろうか?」という自らへの問いに、仮の答えを用意してみたものの、私は確信をもってきちんと答えることはできていませんでした。

このような講師による講義や問いかけ、質疑応答の時間、そしてワークの実践、セッション練習などで構成される、土日の丸二日間にわたるコーチングクラスが終わった後、実は私は25年来の親友に会うことになっていました。

彼女と会うのは約半年振りで、その前は数年間、会っていませんでした。というのも、彼女は海外で新しい事業を始めていたから、しばらく離れ離れで会うことができなかったわけです。

彼女と私は25年ほど前に、私たちがクアラルンプールで仕事をしていた時に知り合ったのですが、そのきっかけは、私たちが当時住んでいたマンションで、手紙が誤配されたことでした。やがて二人が意気投合してからは、一緒にサバ味噌を作って食べたり、一緒に出掛けたり、お互いのボーイフレンドの話をしたりと日々親交を深めていきました。それは二人のマレーシア滞在中もずっと続いたし、私が帰国して結婚しても、すいぶん離れて暮らしている今も続いていて、もうそのつきあいも四半世紀になってきたわけなんですね。

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そんな長いつきあいの彼女と、半年ぶりに東京で会ったのです。普段なら美術館だとか、東京に来たら行ってみたいところがあるのが私の常ですが、今回はコロナ禍ということもあり、とにかく二人でゆっくりおしゃべりしようということになりました。

「コーチングってどんなことをしているの?」という彼女の問いかけから、私は「クライアントの本当の目的を聴いていく」ことや「意識の上に表れて言葉にされていることのみでなく、クライアントが普段意識していない『無意識下』にあることを聴いて行くことで、アドバイスしなくてもクライアントの中から自然に答えが出てくるんだよ」、そういう「聴き方のプロセスをきちんと設計して、話を聴いていくのがコーチングだよ」というような話をしました。

意識と無意識

そうしたら、彼女はふいに「それなら聴いてほしいことがある」と言いました。元々この日は彼女にコーチングをさせてもらおうという気はなかったので、意外な展開に少し驚きつつ、快くそれを受けて、隅田川の遊歩道を梅雨空のもと歩きながら、セッションは始まりました。

その日の話題は、彼女が経営する事業の今後のことについてでした。途中私が投げかけた問いに、彼女がはっと気づいたような瞬間もあったし、「うーん・・・」とかなり自分の中を探索的に考えて答えてくれているなあと感じたところもありました。

40分程度のセッションが終わったあと、「話してみてどうだった?」と、普段のセッションのようにフィードバックをじっくりともらう中で、彼女は答えてくれました。

・もやもやしていた課題が明確になって、今週からすべきことが明確になった
・自分にとって、「根拠や意味がある」と思っていたことについて、「それについて具体的な例はある?」と聞かれてみて「実は根拠なんてなかったのだ」ということに気づけた
・言語化されていなかった自分の「本心」が、ひっかかっていた喉元を超えて出てきて、言語化できたと感じた
・フィーを支払うとしたら〇〇円

「おやこれは・・・」
私はこのセッションを終えて、彼女からフィートバックをもらったとき、クラスで話されていた【境界線】を 二重三重の意味で、超えることができたのでは?と気が付きました。

・まず、彼女は海外で自身のビジネスをしている経営者だ。
 ⇒ 【境界線1】「私は経営者をコーチングした経験もないし、今の自分ができるとは思えない」・・・これを超えられた!


・頼まなくても、本人自ら「セッションを受けてみたい」と言ってくれ、しかも結果にも満足してくれた。
 ⇒ 【境界線2】親しい友人に「セッションをしてみないか?」と誘うのはまだ早いと思っていた。・・・これを超えられた!


・そして彼女が示してくれたフィーは私が前の日に設定した「境界線として考えていた最高額の2倍」だった。
 ⇒ 【境界線3】「私のコーチングには〇〇円程度の価値しかない」・・・ これを超えられた!

How amazing ! 本当にびっくりだ。
図らずして、親友が一日にして私の数々の【境界線】を突破させてくれたことになったのです。
しかも、彼女自身がビジネスの進め方で明確にできていなかったことに対して、「実現したい方向」を明確にし、さっそく今週から解決に向けて「ファーストステップ」を取っていけることになりそうだと、感謝の念を伝えてくれたのです。

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隅田川の向こう側に、高くそびえるスカイツリーのてっぺんを眺めながら、
「そういえば、これを建てていた時、まだ本体どころか、基礎工事している穴ぼこを上から眺めたことがあったっけなあ・・・。」と、巨大な丸い基礎工事をしている映像がふと思い出されました。


そして、そんなふうに基礎を固めつつ、やがて一段一段積み上げていくことで、いつか私にも634mの高さに到達する日がやがて来るのだと、おぼろげな「私のスカイツリー」の姿が浮かび上がってきたのでした。

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