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少年と青年の間

私にとって兄であり弟であり戸籍上は息子である
小5(もうすぐ小6!)継子ボーイと久しぶりに2人で出かけた。

習い事で必要だというニンジャピンと粘土を買いに。


小1から一緒にいる彼と外に出かけるときは
必ず、ずーっとおしゃべりをしていた。

話すことがひと段落すると、
お母さん、なにかしよう?と。

お母さん、しりとりしよう?と。

黙ってる時間は必要ないの?
さんまさんなの?ってくらい常に喋ってるボーイでした。

ついこの間までは。

今日電車に乗ったら、私はずっと小5男子の襟足見てましたよ。

何も言葉を発さず、ずっと電車のドアにもたれ掛かって、ひたすら外眺めるボーイ。

体調悪いのかと心配になるほど静か。

私はというと、ちょっとでも気を引きたくて、
『帰りにおやつ買って帰る?』と言ったら、
景色が襟足から耳の穴に変わって、
一瞥もされず、横顔でうなづかれました。


「おやつ」にクルッとこちらを向く勢いも、
嬉しそうな笑顔も、
いいの?という高い声も、
もう過去の話になりました。

すぐにまた襟足借景に戻り、そのまま目的地までの数分間、過去のベビーボーイに思いを馳せ、
目の前の思春期ボーイを心の中で歓迎しました。

実際しりとり、面倒だったし。
ポケモンの話もゲームの話もよくわかんなかったし。
静かに移動できるのは幸せだな。。
あれ、、なんだか、ボーイの襟足がボヤけて見える・・・?
花粉のせいかな・・・

人混みの中ホームに降り立った私は、
ふと試してみたくなり、ボーイの手をきゅっと握ると、
ボーイも少し遅れて優しく握ってくれた・・・!

まだ、繋げるのか・・・!!!


これが最後かもしれない。

あと数回で、次に手を握られるのは介護されるときかもしれない。

今、ボーイは何を感じているんだろうと、
乙女のようにドキドキしている私。

そんな私の心を知ってか知らずか、
突然私の手を強く握り、人を掻き分けながらグングン先を歩いていくボーイ。

ホッ。

なんだ、変わってないじゃないか!


なんだかんだ店でニンジャピン見つけたときも、
久しぶりに好物のおやつ買うときも、
相変わらずのきゃわいい笑顔で喜んでいたボーイ。


こうやって世の中の親たちは、
子どもと少年、少年と青年の間をフワフワ行き来するのを見て、変化を受け入れていくのですかね。


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