見出し画像

【レガシー】ボロスイニシアチブ -個人的解釈

1. はじめに

今年のレガシーの大会も一式終わったので、ボロスイニシアチブについてこれまで練って得た所見を書いていこうと思います。

そして最初にあれですが似たような記事を存じ上げています。

有料記事の方でしたので少し心苦しいですが、世間のイニシアチブストンピィへの理解のため私も記事を書こうと思いました。
あくまでも私の見解と思って読んでいただけると幸いです。

2. デッキレシピ


3. 採用カード

3.1 マナベース

《古えの墳墓》《裏切り者の都》《金属モックス》《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》各4枚
この辺はまあ王道でしょう。最大限までマナ加速ソースを入れて1ターン目に4マナまでジャンプできる可能性を作ってます。《エルフの指導霊》は色が違うので入れません。
《解き放たれた狂戦士》に対して《猿人の指導霊》がブロッカーになれることは覚えておくといいでしょう。

《魂の洞窟》2
打ち消し対抗土地。これ枚数取りすぎると《鏡割りの寓話》《剣を鍬に》《白羽山の冒険者》あたりがキャストできなくなるので枚数は2に抑えています。実際0.7枚以上2枚以下ぐらい引ければいいかなのカードなのでこのくらいがベストな気はします。

《平地》2《山》1
イニシアチブで持ってくる&不毛対策。全土地を破滅されても4マナ出るように3枚採用。《剣を鍬に》と《鏡割りの寓話》のマナはサーチのこれらからほとんど出すことになると思います。なので実は初手に引けてると意外と強かったりします。

《カラカス》1
白いならとりあえず入れとけ。メリットがデカすぎる平地。

《宝石の洞窟》1
後手になると《金属モックス》5枚目になります。ゲーム開始置き+《別館の大長》を引けた場合完全に先手後手が逆転できます。ただし、先手引きあと引きダブ引きすべてがめちゃくちゃに弱いので1枚にとどめます。

《皇国の地、永岩城》1

結構裁定がめんどくさいことを最近知った

このカードを入れると《濁浪の執政》と相打ちを取れることがしばしばあります。また、最近はやりの《解き放たれた狂戦士》や《廃院の神主》に対して除去できるのが大きいです。

《反逆のるつぼ、霜剣山》1

出てくるトークンは無色です

これも同じく《解き放たれた狂戦士》や《廃院の神主》に対して対応が効きます。そのうえ速攻持ちクリーチャーを二体展開できるのでイニシアチブの取返しや防衛に大きく貢献してくれます。正直《皇国の地、永岩城》よりも推してる一枚です。

3.2 攻めるカード

《練達の地下探検家》4

誰かこいつを禁止にしてくれ!

このデッキの核になるイカレカード。イニシアチブを得て、プロテクションクリーチャーを得て、探検をするとは。はて?

《白羽山の冒険者》4

これも許しがたい

3マナで刷るな。
《キキジキの鏡像》でこれを自分のエンドにコピーすると相手のアップキープに《キキジキの鏡像》が2回立ち上がろうとするので計3回イニシアチブを得られる特殊勝利みたいなコンボがあるので覚えておきましょう。
それからオーク・クレリックなので他のイニシアチブクリーチャーと《魂の洞窟》で食い合うので部族指定には気を付けましょう。《精鋭呪文縛り》とはクレリックで共通するので指定するならクレリックで!

《混沌の洞窟の冒険者》4

赤単プリズンでおなじみ

地下街を爆速で下っていくので攻撃時誘発のアレはすぐタダキャストできます。イニシアチブ12枚体制になる所以。トランプル持ってるので相手にイニシアチブ取られても意外と取り返しやすいです。
人間・バーバリアンなので《練達の地下探検家》の対象になれないことだけは気を付けましょう。

《精鋭呪文縛り》4

デルバーに強い世界チャンピオン

MO村と違ってURデルバーが多いのでこちらをとりました。
《精鋭呪文縛り》は《選定された平和の番人》と違って出たらそれで仕事が終了していること、飛行もちという点で差別化します。
前者の特徴は《倦怠の宝珠》や《静寂をもたらすもの》こそあれど、出てしまえば《稲妻》食らってもいいので相手の手札に《稲妻》《表現の反復》とかあった場合に安心して《表現の反復》を落としにかかれるのが強いです。あと、追放してしまうので、ミラー戦やスパイ戦の指導霊なんかを抜いてマナをもいでしまうことができるのも強いです。
後者の特徴はミラーの場合、飛行クロックなので《練達の地下探検家》がおらずともイニシアチブを取返しに行けます。また、URデルバー対面だと《昆虫の逸脱者》、《ドラゴンの怒りの媒介者》をキャッチでき、その他の対面でも《悪意の大梟》や《氷牙のコアトル》による攻撃でのイニシアチブはく奪を許さないことができます。

《鏡割りの寓話》4

いつもの

縁の下の力持ち。役割はマナ基盤と手札の安定、そしてドブンです。
《キキジキの鏡像》がアクティブな状態になれば他のクリーチャーは《別館の大長》と《猿人の指導霊》以外みんなETB持ちなのでどれをコピーしても強いです。特に《白羽山の冒険者》とは先ほど述べた通り相性最強です。

3.3 守るカード

《剣を鍬に》4
レガシー最強除去。このデッキは一度盤面が勝ってしまえば、とんでもないアドバンテージを稼ぎ出すので、盤面を勝たせるための除去要因としてとっています。《虚空の杯》を採用していないので、無難に取れるのがいいですね。

《精霊界との接触》3

よく確認されます

《剣を鍬に》と比べて多少重たいので3枚の採用。クリーチャーのみならずアーティファクトをも捕まえられるカード。なので《倦怠の宝珠》には残念ながらメインからの回答がございます。
またこのカードの別の目的として魂力での運用があります。具体的には
・ 相手の除去から自分のクリーチャーを護る
・先述の通り、ETB持ちが多いのでETBの再利用
・《濁浪の執政》などブリンクして弱くなるクリーチャーへの対処
です。重いのでしばしば《金属モックス》に埋めることにはなりますが、対処しがたいところを対処してくれるので入れています。

《別館の大長》4

天才のひらめき

何度でも言います。これを考えた人は天才です。初動の安定とフィニッシャーに莫大な貢献をしてくれます。
《金属モックス》に埋まる、初動がほとんど通る、《鏡割りの寓話》で捨てるといった動き。
実にこいつ自体実は素キャストの範疇にいたりします。ゲームがもつれると素キャストできます、特に《鏡割りの寓話》と地下街右ルートが絡むとすごい早いです。地下街最後の部屋から呪禁・+3/+3で出てくるのもフィニッシュ案件。
イラストもかっこよくて好き。

3.4 サイドボード

《封じ込める僧侶》2

おなじみBBA

白いデッキおなじみのサイド。リアニ・ゼニス許しません。NicFit対面だと《老練の探検者》サクられたタイミングでほぼタダで出てこれるのは最近知った。
クレリックなので《練達の地下探検家》の恩恵を受けられます。
加えて、《精霊界との接触》の魂力が追放除去にアップグレードされるので覚えておきましょう。

《安らかなる眠り》2

RIP

白いデッキおなじみのサイド2。リアニ・マークタイド・ペインター許しません。《別館の大長》見せて先手1置き出来ると気持ちがいい。

《外科的摘出》1
墓地対その2。こちらは青いデッキ、《剣を鍬に》が入ったデッキにも入れることがしばしば。《虚空の杯》が入っていないので無難に取れるのがいいですね。

《フェアリーの忌み者》2

D.D.ク〇ウ

墓地対その3。ANT・リアニ許しません。これらのデッキに対しては当て方がわかれば《外科的摘出》よりも効果的なことがしばしばあります。

《聖戦士の奇襲兵》《第三の道のロラン》各1枚

デスタクで
おなじみ

ディッチャ枠は散らしています。理由は《倦怠の宝珠》と《実物提示教育》です。当て方はまあ大体わかると思います。

《赤霊破》《紅蓮破》各1
安定のUR対策。後述の《月の大魔術師》の枠をもうちょっとこっちに咲いてもよかったかなと思ったりしています。やはり《表現の反復》や《濁浪の執政》を咎めてとどめまで案内してくれるのは強いです。

《月の大魔術師》3

月メイガス

個人的おしゃれ枠。ミラー、特に白単に対して効果が期待できます。そのほかにも土地基盤の緩いデッキやURなんかに対しても効果があります。
《稲妻》を食らってしまう分は《血染めの月》に利がありますが、《練達の地下探検家》で強化できたり、地下街最終部屋からフタとして出せたり、チャンパーにしてイニシアチブを護れたり逆に取り返したりとクリーチャーならではの使い道が結構あるので選んでいます。
はまったら強いですが、若干癖があるので他にいいのがあったらそっちに変えたいなと思いつつ、戦略とは噛み合うので他のヘイトと兼ね合いになるかと思います。

《仕組まれた爆薬》1

多色だからできたこと

調整の末行きついた一枚。置き方はこんな感じ。
・0置き: ミラー先攻(金属モックスETBにスタックして爆発)
・1置き: デルバー、《廃院の神主》、土地単
・2置き:《解放された狂戦士》《悪意の大梟》《氷牙のコアトル》
・宝物込み3置き: 《真の名の宿敵》、ミラー
使い道は幅広く、大体腐らない全体除去なので採用しています。

4. 採用しなかったカード

4.1 《plateau》

デッキがデュアランを不要とした

魂力ランドにとってかわられました。理由は単純で、多色マナは《水蓮の花びら》で間に合っているから、そして何より《乾燥台地》の不採用です。
土地を切り詰めて代わりにマナジャンプ手段を豊富に取り込んだ結果、フェッチが抜けました。フェッチが抜けると素引き以外に引く理由のない《plateau》は《感動的な眺望所》と大して変わらないうえ、それは《魂の洞窟》よりも基本的には弱くなってしまいます。
それよりなにより、色マナに関しては3マナ域であれば《鏡割りの寓話》や《白羽山の冒険者》が出てしまえば問題なく供給が効くので問題ないという結論です。

4.2 《選定された平和の番人》

だいたいPVと比較される人

これは《精鋭呪文縛り》の項で述べた通りです。
フェッチに対して指名すれば相手のマナが縛れるという利点がありますが、現在の環境上ミラーとURデルバーが大手である以上あまり有効でないうえ、後手を取った時点でこの戦略はあまり機能しないので私はあまりにもピンポイントな利点だと思っています。

4.3 《エメリアのアルコン》

ANTキラー

《エメリアのアルコン》に関しては私は過剰だと思っています。
この恩恵についてミラー戦の場合、1ターン延長のため《別館の大長》と大して変わらないと思っています。URデルバーの場合は先述の《選定された平和の番人》よろしく、赤青1マナ構えられて《稲妻》の脅威もあるため後手の場合の有効性ががくっと落ちます。
また、もっとも刺さるANTやDoomsday、リアニメイト、ショーテル、エルフといったコンボデッキに対してですが、ここが私は過剰だと思っています。
ANT、Doomsday、ショーテル、エルフについては先手だろうが後手だろうが《精鋭呪文縛り》と《別館の大長》でたいていの場合は事なきを得るでしょう。ハンデスされるのは《エメリアのアルコン》も同じのため深くは考えてはいけません。また特にDoomsdayやショーテルには《意志の力》が入っているので《魂の洞窟》に対応している《精鋭呪文縛り》に利があるかと思います。というかこれのために《魂の洞窟》で執政官は指定したくないです。
リアニメイトについても死ぬときは同じですし、死ななかった場合ハンドを追放して《信仰なきものあさり》のチャンスを減らせる分やはり《精鋭呪文縛り》に利があると思います。

4.4 《宮殿の看守》

おっさん

素直に白ダブル出して除去するなら《剣を鍬に》を打ちましょう。この能力なら《精霊界との接触》でもいいです。デルバーやミラーなどの対面で統治者を得たところですぐに取り返されて負けを加速するし、実際対面に出されたらごっつぁんしてることが多いので入れたらまずい気がします。

4.5 《虚空の杯》《スレイベンの守護者、サリア》

チャリスがいらない
サリアもいらない


《別館の大長》がもはやこれらを不要にしました。というかこのデッキはマナ払ってヘイト置くとかそういうゲームじゃなくなってきてます。

4.6 《三なる宝球》

赤単プリズンのときから何とも言えない感じがしてる

4.5節と大体理由が同じですが、これに関しては赤単プリズン時代から嫌っている理由があります。《不毛の大地》に対して自分が弱くなるのです。
正直《血染めの月》ありきのカードだと思っていますし、あっても《不毛の大地》が多い環境でもこのカードの採用はごっつぁんされて負けにつながることがしばしばあるので採用をためらいます。

5. プレイング

5.1 マリガン

ストンピィデッキです。マリガンで勝負を決めましょう。
マリガン基準はこうです。

  • マナジャンプできる

  • マナジャンプして出すものがある

  • 手札が濃い

結構言語化難しいですこれ。
具体例としてこんなやつ。

ほぼ満点

手札が濃くてマナジャンプして1ターン目から《白羽山の冒険者》が打ち消し無効で出せるので文句なしのキープです。

これらの手札はどちらもマリガンを検討します。

70点ぐらい
論外

前者は6枚キープ以降ならキープですが最初の7枚だったら1ターン始動目指してマリガンしたいです。《不毛の大地》も多少怖いです。
前者は大エッジケースで、2ターン目始動ですが手札のバリューが果てしなく高いのでキープです。もしこの《金属モックス》が《平地》などの1マナしか出ない土地だったら始動が遅すぎるのでマリガンします。
後者はコントロールデッキではないのにこんなに《剣を鍬に》があって3ターン始動と遅いので即マリガンです。

最後にこの初手。

この手札は、1ターン目からは動けませんが、《平地》から《剣を鍬に》を構えられて、《不毛の大地》もケアできているのでキープします。

5.2 プレイ順

このデッキはある程度の順番さえ覚えておけば大体何とかなります。

まず金属モックスに埋める優先順位をランク付けします。番号が若い方から埋めていきましょう

  1. 《別館の大長》

  2. 《精霊界との接触》

  3. 《猿人の指導霊》

  4. 《混沌の洞窟の冒険者》《練達の地下探検家》

  5. 《剣を鍬に》《鏡割りの寓話》

  6. 《精鋭呪文縛り》

  7. 《白羽山の冒険者》

ハンドとの相談は絡みますが原則こんなもんだと覚えておくといいでしょう。

次に手札に来た肉のプレイ順。これも若い方からプレイしていきましょう。

  1. 《精鋭呪文縛り》

  2. 《鏡割りの寓話》

  3. 《白羽山の冒険者》

  4. 《練達の地下探検家》

  5. 《混沌の洞窟の冒険者》

イニシアチブクリーチャーが後ろに行く理由は、イニシアチブミラーだった場合後手に後手にプレイした方が有利だからです。また、そうでなくても盤面が広がっている方がイニシアチブを保守しやすいのでイニシアチブクリーチャーの方が優先度が低いということは念頭においてよいでしょう。

また、例えば《精鋭呪文縛り》《鏡割りの寓話》《練達の地下探検家》と持っている場合は《精鋭呪文縛り》→《練達の地下探検家》とプレイしましょう。1・2のカードはあくまでも初動の初動であり、イニシアチブ自体にもったりしている余裕はないので、1・2のカードたちは原則1枚だけプレイすることを念頭に置いておくとスムーズに展開できると思います。

ただしこれもハンドとの相談で、土地がないとやばいときは《白羽山の冒険者》から行くなんてことはしばしばあります。

5.3 サイドボーディング

これは賛否あるのですが、基本的に対面がクリーチャーデッキであれば《鏡割りの寓話》《別館の大長》《混沌の洞窟の冒険者》あたりを抜くようにしています。
対面がクリーチャーデッキでなければ《剣を鍬に》《精霊界との接触》が抜けていくのは明白ですね。

6. 対面ごとの戦略

とはいえ現状URvsイニシアチブのタイマン状態なのでそこだけ書きますね。

6.1 UR

《精鋭呪文縛り》が通るだけで試合は7割以上勝てます。できるだけ確定的な段階でしっかりと《精鋭呪文縛り》をプレイしていきましょう。
イニシアチブは取り合いになりますが《剣を鍬に》や《精霊界との接触》で防衛できるので除去を大事にしていきましょう。

サイドボーディングはこんな感じ(だいぶ先に行ったことと違うので迷走気味)outがしづらいデッキなので調節難しめです。《鏡割りの寓話》は悠長かつ《水流破》に当たるので逐一抜きます。

in 《安らかなる眠り》*2、《赤霊破》*1、《紅蓮破》*1《月の大魔術師》*2
out 《鏡割りの寓話》*4、《混沌の洞窟の冒険者》*2

6.2 イニシアチブ

すごろくゲームのはじまりです。とにかく駒を先に進めましょう!《別館の大長》はあまり信用してはいけません。それでも5.2節の順番を守りつつ、イニシアチブを大量に出して進めればオッケーです。《精鋭呪文縛り》の飛行戦力はきっと強い味方になります!

サイドボーディングは先手のみ行います。後手ははっきりいってメインのままの方が強いです。というのも後手だけ《別館の大長》が弱いのでこれを抜くためのサイドボーディングといった感じです。

in 《月の大魔術師》*3、《仕組まれた爆薬》*1
out 《別館の大長》*4

7. おわりに

長くなりましたが、わたくしなりのボロスイニシアチブを練りこんだ結果の解釈です。
正直サイドボードはまだまだ詰めが甘いと思っていますので今後デッキがさらに掘り下げられてより強力なデッキになることを願っています。

と、そんなことを願いつつ、《練達の地下探検家》の禁止も願っております。

来年は全国規模の大型大会にこいつを持ち込めたらと思っております。

以上。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?