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Eternal PartyTOP8 赤白イニシアチブの全て

◆はじめに

お疲れ様です。ルーデンです。
今回はEternal Party Tokyoで僕が使用し、予選全ストの6-0-2という驚異的な数字を叩き出した赤白イニシアチブについての記事です。
今の自分に書ける全てを詰め込みましたが、まだ自分も出場予定のEWEが控えていることを鑑みて途中からですが有料となっています。申し訳ありません。
では本題に入ります。

◆デッキリスト

今回も話を分かりやすくするため通常のデッキリストとの比較から始めます。

チャレンジで勝っていたリスト
ショーケース準優勝の白単
今回使ったリスト

これを参考に話を進めていきます。

◆なぜ赤白なのか

最初に世に出てきたのは白単のイニシアチブでした。
このデッキも勿論強力ではあるのですが、欠点もいくつか存在します。
・手札の質を上げるカードがない
同じストンピィデッキである赤単プリズンを思い出して頂くと分かりやすいのですが、あのデッキは《再誕の刃、ラエリア》や《鏡割りの寓話》といった手札の質を向上させてくれるカードが大量に入っているため、ストンピィデッキ特有のオールイン構造と相性が良いです。マスト対処のカードが多く、対処できなければそれが更なるアドバンテージを稼ぎ出してくれるため、それを早く出すようにすることが肯定されるからですね。
しかし白単はイニシアチブ持ちのクリーチャー以外はせいぜい《石鍛冶の神秘家》くらいしかアドバンテージを獲得する手段がなく、その《石鍛冶の神秘家》も本体を除去されると持ってきた装備品を有効に使うのは難しいでしょう。つまるところイニシアチブにアドバンテージ獲得を頼りすぎているので、イニシアチブ持ちをカウンターやハンデスで効果的に対処されてしまうと後が続きにくいという点がまず1つ目の欠点です。
・対策カードに弱い
すでに流行し始めていますが、《解き放たれた狂戦士》のような強烈な色対策に対してスマートに対抗する手段を持ち合わせていません。
白単側も《歩行バリスタ》や《歪める嘆き》、《カルドラの完成体》や《梅澤の十手》といったカードで抗ってはみるものの、相手がそもそも対策カードを入れていない場合や、別の対策カードを入れている場合はスカる可能性も考えるととても良い選択とは思えません。
そこで白単の良いところだけを残しつつ、よりアドバンテージ獲得能力に優れたカード群を採用し、色を増やすことで色対策カードの効き目を低減させたたのがこの赤白イニシアチブになります。

◆メインボード解説

イニシアチブ持ち

イカれた三兄弟


このデッキの核です。最初に世に出た赤白イニシアチブは3種類合計9枚の採用にとどめてましたが、自分は全て4枚ずつ採用しています。
まずイニシアチブは連打することに意味のある能力です。自分がイニシアチブを持ってるならダンジョンを加速させるのは勿論、相手がイニシアチブを持っているならコンバットを介さずに相手からイニシアチブを得られる、という点が重要です。
イニシアチブ持ちのクリーチャー群はサイズが優れている(マナレシオの話ではなく、レガシーでよく見かけるクリーチャーサイズと比較しています)ので、相手にコンバットを常に要求し続けると大抵有利にダメージレースを進めることができます。つまり被ったところで有効に使えるため全く問題ありません。
《濁浪の執政》に対して弱いから《宮殿の看守》と散らすというのも懐疑的です。確かに《濁浪の執政》のような巨大なクリーチャーに対しては後からイニシアチブ持ちを出す動きは弱いと言わざるを得ませんが、こちらが先にアクションをとる場合や速度が必要なマッチアップはイニシアチブ持ちのクリーチャーを繰り出したほうが圧倒的に勝ちに近づきますし、そもそも減らされているのは《濁浪の執政》に対してもコンバットに行ける《練達の地下探検家》なので矛盾を感じました。
なのでデッキの強さを最大限引き出すためにイニシアチブ持ちは3種12枚フル投入にしました。

鏡割りの寓話

正直《混沌の洞窟の冒険者》よりもこのために赤を足していると言っても過言ではありません。
このカードはとにかくストンピィ戦略との相性が良いです。
宝物は《猿人の指導霊》や《水連の花びら》といった刹那的なマナ加速によって失ったアドバンテージを帳消しにしてくれますし、ストンピィデッキ特有の引きムラもある程度解消してくれ、コピー先には困らない上どれも強力なのでフィニッシャーとしての側面もあると至れり尽くせりです。
本来不安定な側面もあったストンピィ戦略にこれほどの「安定」をもたらしてくれるカードは他にありません。必ず4枚採用しましょう。

《別館の大長》

《意志の力》のない赤白というカラーリングにおいて、高速コンボに対抗する数少ない手段です。
フェア相手でも先手《別館の大長》公開→1tに《白羽山の冒険者》という誰も抗えないブン回りに寄与する非常に強力なカードです。
しかし初手以外ではほぼ役に立たない面もあり、そのピーキーさから採用を躊躇われている部分もあると思いますが、《金属モックス》や《鏡割りの寓話》と不要なカードを処分する手段のあるこのデッキでは、これくらいピーキーなカードを入れても問題になりづらいです。
また《地下街》の踏破報酬である《死せる三者の玉座》から出てきた場合は8/9飛行という《濁浪の執政》をも上回る圧巻のサイズとそのマナ要求能力で速やかにゲームに勝利できるという側面もあるため、デッキに入っていること自体が非常に大きなリターンをもたらす場合もあります。
なので《別館の大長》は採用しておくことをオススメします。
ストンピィデッキに半端な器用さは必要ありません。なるべく自分の都合を押し付けるカードを使い、デッキ全体の向いてる方向を揃えた方が勝率が上がると思っています。

《孤独》→《剣を鍬に》

一長一短

元々のリストは《孤独》でしたが今回は《剣を鍬に》にしました。
《孤独》は、《引き裂かれし永劫、エムラクール》や赤単プリズンのような1ターン目から除去する必要があるクリーチャーを展開してくる相手に抵抗する手段としては優れていますが、手札の消費が多く気軽にプレイできないのと、イニシアチブ対策として増えている《倦怠の宝珠》や《静寂をもたらすもの》にハマるパターンを避けるために《剣を鍬に》を採用しています。
特に手札が減るデメリットは無視しがたく、デッキの性質上ピッチコストでプレイする時は押し付け用のカードが減っていることが多いので、除去でゲームを伸ばしても勝ちきれないことがあるのが気になりました。
《実物提示教育》系デッキや赤単プリズンが大きく数を増やさない限りは《剣を鍬に》のほうを優先してよいでしょう。

《精鋭呪文縛り》か《選定された平和の番人》か?

購読者の方からの質問があり追記しました。
まず《選定された平和の番人》は《精鋭呪文縛り》よりコンボデッキに強いです。
レガシーのコンボデッキは大抵《思案》や《定業》といった強力なドローソースを採用しているため、《精鋭呪文縛り》で1枚抜いても次を見つけられる可能性もあり、そもそも2枚持たれている場合や手札に無い場合は効果が低いです。
一方《選定された平和の番人》であればその問題は発生しません。
また起動型能力も重くできるのが大きく、《精鋭呪文縛り》では対処できない《演劇の舞台》のような強力な起動型能力を持つ土地も指定できますし、《騙し討ち》や《地底街の密告人》といった起動型能力を持つコンボパーツには出すにも2マナ、起動にも2マナと劇的に刺さります。
フェアデッキ相手もフェッチランドを指定してハメたり、戦場に出るに際し〜能力なので除去を指定してテンポを取ることも可能です。
総じて能力面では平和の番人の方が優れており、戦闘面も《精鋭呪文縛り》の持つ飛行はイニシアチブの奪い合いに強く、《選定された平和の番人》の持つ警戒はイニシアチブの保持に強い、と別々の利点があるため特段《精鋭呪文縛り》の方が優れているとは思いません。
よって《精鋭呪文縛り》より《選定された平和の番人》の方が優先されるというわけです。

《選定された平和の番人》《エメリアのアルコン》の減量

元のリストで4枚ずつ採用されていた《選定された平和の番人》と《エメリアのアルコン》ですが、イニシアチブクリーチャーを増量した関係で枠が圧迫された分、複数枚引いた時にあまり強く使えないこれら2種のカードを少し減らしました。
もしどちらかに寄せるとしたら《選定された平和の番人》かなと思います。どんな相手にも一定の効果が望めるうえ、基本的に一直線に進むしかないストンピィデッキにとって、対戦相手の手札を確認することはゲームプランを立てる上では非常に重要だと考えているからです。

◆土地構成

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