いっとき、ペペロンチーノという料理にこっていた。 フルネームは、アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ。材料そのままのネーミングで、にんにく(アーリオ)とオリーブオイル(オーリオ)、そして唐辛子(ペペロンチーノ)からなるソースを、塩茹でた細めのパスタにからめてできあがり。 とてもシンプルなパスタだけど、これが実においしい。食べ飽きない。軽やかな小麦の香りやうまみを、濃厚なにんにくとオリーブオイルで引き出して存分に味わう。植物由来の食材ばかりと思えない奥深さと力強さが
言葉にできないと口ずさみながら 言葉へのせたその哀しみは 言葉でつむいだどの哀しみよりも 深く切ないというのであれば その哀しみは言葉にできるのだろうか それとも沈黙が訪れるのだろうか……
麻雀の魅力のひとつに、腕前と運との絶妙なバランス加減がある。 トランプやUNOほど運まかせでなく、囲碁将棋ほど実力そのままでもない。長い目で見れば上手下手がみえるけど、目の前だけなら初心者が勝つこともある。時に理不尽な展開もありながら、トータルすれば納得の結果に着地する。 そんな湯加減を思わせる景色は、ときおり日常にもあらわれるらしい。 医学のちからを頑なに拒む人がいる。ヒトだって生き物のひとつなんだから、運命は自然にまかせるべきだ。事実、自分は長い間ほったらか
0x0=0 0+0=0 0x1=0 0+1=1 1x0=0 1+0=1 1x1=1 1+1=10 あなたが使ってる四角いそれは、こんなカラクリで動いてます。
高校の定期考査に、赤点というものがある。一定の点数に満たない場合、その科目への理解度が足りないから単位はやれんよ、というものだ。 基準点を30点以下などとする絶対評価もあるが、平均点の半分以下といった相対評価を赤点とする高校も多い。理解の度合いを確かめる定期考査に相対評価はどうなのという疑問もあるが、その是非はさておき。 相対評価な赤点の場合、それを逆手にとって生徒全員で赤点を回避する、実にシンプルな方法がある。事前に生徒全員でしめしあわせ、みんなで仲良く0点をとれ
物心つきはじめたころ、豆腐屋という存在が不思議でならなかった。おとうふってばもめんときぬくらいなのに、それだけでだいじょうぶなのかなあ――。小さな不安がポツリと浮かび、チクリと胸が痛くなる。 豆腐と油揚げの味噌汁で口をしめらせ、納豆に醤油をピッとさす。箸先でぐるぐるかき混ぜながら、不意にそんな遠い記憶がよみがえってきた。
夜ふけにふと、ウイスキーのつまみにネットの購入履歴をつらつら眺めてみた。 ずらりと並んだ商品をスクロールし、のんびり過去へとさかのぼる。同じカテゴリの品が続くと、あの頃こんなのにハマってたなあ……という具合に記憶がよみがえったりして、思いのほか楽しい。 ところが干支にして半周をこえたところで、まったく記憶にないアイテムがあらわれた。四つ葉のクローバーの苗だ。 アルコールの天使が唱えるステキな呪文で、夜の記憶はしばしば消されてしまう。注文した覚えのない商品が届いて