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呑気症との20年

私が呑気症と診断されたのは小学生の時だ。
お腹がいっぱいで食欲がなく、給食を一口しか食べなかったために、担任の先生が心配して病院に行くよう言ってくれたのだった。
しかし、それからは大変だった。
盲腸ではないかという診断になり、町で一番大きな病院まで行った。そこでありとあらゆる検査をした。
そこまでした結果、診断されたのは「胃に空気が溜まっている」だった。そして、「自然に空気が出るまでどうすることもできない」とも言われた。
絶望だった。
こんなにも不快なのに、現代医学では何もすることができないのだ。
当時は呑気症という言葉すらなく、一錠の薬すら出されずに帰されることとなった。

あれから20年が経ったが、呑気症はいまだに続いている。
中学・高校でも全く症状は改善されることはなく、むしろご飯を食べた後に症状が出やすくなっていた。生きるためにご飯を食べる。けれども頑張って食べれば、お腹が張って苦しい。横になるしかなくなる。
横になると、できる勉強がかなり限られてくる。課題をしようと思っても、書くという作業は横になるしかない腹痛の私には無理だった。
そして、そんなときに私の親は決まって「怠けている」だの「仮病」だの言うのだった。いくらお腹が痛いと言っても、ほぼ毎週だったので聞く耳を持たれなかった。私が人を信用しないのはそのせいかもしれない。
そんな生活は6年以上続いた。
大学になっても変わらず、ひどい時は土日のどちらかを潰すしかなかった。運動しても解消されることなどなく、つらい日々を過ごした。
何がきっかけなのかは分からないが、他の人と食事をした後になる可能性が高かったので、楽しいのに辛いという状況を何度も繰り返した。

さらに現在、社会人になった今でも苦しめられることがある。
整腸剤を飲んだ方がいいというアドバイスも、どこどこを揉んだほうがいいというアドバイスも、残念ながら効くことはなかった。
また、ある友人は空気を出そうと言って私のお腹を叩いたが、それは苦しくなるだけだった。
そうして、腹痛で時間を無駄にしてしまうことが、さらに私には負担になった。

しかし、そんな中でもある程度効いた方法が一つだけある。
それは、深呼吸だ。
私は水泳をしていたせいなのか、どうしても呼吸が浅くなってしまうことが多い。そこでゆっくり深呼吸をすると少しお腹が鳴って動き出すことが多い。ただし100%ではないし、即効性があるわけでもない。しかし、今のところ、一番効くのはこの方法しかない。
もしも呑気症でどうにもならない方がいらっしゃったら、試しに深呼吸をしてみて欲しい。少し軽くなるかもしれない。

だが、やはり呑気症に効く薬が早くできて欲しい。自然に治るのを待つだなんて、何ヶ月かかるかわからないし、実際、私は一ヶ月ずっと呑気症で苦しめられたことさえある。呑気症で普通の活動が奪われてしまうことだってあるのだ。
呑気症を治したい。その一心で私は今日も呑気症に立ち向かう。

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