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東大大学院(教育学研究科)受験記-受験まで3ヶ月しかなかった人バージョン-

これを読んでくださる方がどれほどいらっしゃるのかわかりませんが……

都内私立大学(偏差値50くらい、教育系)→東大大学院(教育学研究科、教育心理学コース)の体験記です。
(ちなみに、高3の偏差値は35です。大学は小論文で奇跡的に受かりました)
私自身が受験するときに、情報が無さすぎて孤独だったので、読む方がいらっしゃるかわかりませんが、書き留めておきます。

※こちらは、かなりギリギリのスケジュールで受験した例です。あくまで私個人の体験をそのまま書きます。
あと、私は東大しか受験していません(落ちたら就活しようと思っていたため)。


ざっくりとしたスケジュールはこんな感じです。
4-5月 院に行こうと考える
5月中旬 説明会に参加
6月 受験校を決め、受験勉強開始
7月 研究室訪問・出願
9月 受験

志望校を決めよう!

↑最初に言いたいのですが、最も大事なのは、
大学の知名度や、学部受験の偏差値にとらわれないことだとまじで思います
「何をしたいか」をメインに決めてください!


私は、学部2-3年生の頃から、ぼんやりと院進したいなぁと考えつつ、志望校を決めないまま4年生になりました。
「あれ?みんな就活とかやってるし、そろそろ志望校決めないとやばいのでは…?」と焦り始めたものの、どうやって志望校を決めたらいいのかさっぱり分からない!!
院って、偏差値もなければ模試もないですよね。なので、大学受験までのように目処を立てるということができません。

漠然と発達心理学をやりたいなぁというのはあり、とりあえず興味のあるキーワードをググりまくり、論文などを読み漁りました(ざっと目を通す程度)。
すると、なんとなく、やりたいことが絞れてくるのと、よく見る著者の名前が分かるようになってきます。
そこで、私の場合は、見かけた著者を片っ端からググり、大学院で学生の指導している方をピックアップしました(大学所属でなかったり、学生指導は行っていなかったりという方もいたので)。
この際、その通りにやると大量にヒットしてしまうので、私の場合は、金銭的な面もあり、ここで公立の大学に所属している先生に絞りました。

また、自分の大学の先生にも、院進したいということと、興味のある内容をお伝えし、何人か知っている先生の名前を挙げていただきました。

そこで、1番ヒットしたのが東大にいる先生だったのです……!
「と、とうだい、、、」とビビりつつも、この時点で5月に入っていました。

説明会に行こう!

↑受験時にどんな勉強をしていたかなどが聞けるので、外部の方は参加するのをおすすめします!!

時すでに5月。
とりあえず東大の院試について調べ始めます。
どなたかのブログで、5月中旬に東大(教育学研究科)の説明会があったというのを見て、慌ててホームページを探しました。
締め切りの2日前とかで、奇跡的に間に合い、滑り込みで説明会の申し込みをしました。そして、何も準備しないままとりあえず参加しました。
外部受験で入学した方の勉強方法などを聞いて終わりました。

しかしそこで、私が受験を決める言葉があったのです…!
院生の方の
「今からでも全然間に合うよ!」
という言葉…!!
いやいや、そんな東大に受かってるような方が言ってるんだから信用ならんぞ…今5月だよ…?と思いつつも、何度も言うので「可能性はゼロじゃないかも…?」という気持ちも芽生えてきました。

その後も色々と考えたのですが、最終的には「東大を受けるなんて機会、滅多にないし!人生経験だと思って受けてみよっかな!」と、東大受験を決めました。
このとき6月です。

研究室訪問に行こう!

↑基本的には、外部ならば行った方が確実に良いと思います!!!
受験前に会っていれば、面接試験のときに「ちゃんと考えて受けに来てる」と分かってもらえますし、研究室によっては研究企画書の相談などにのってもらえることもあるそうです(私のところは逆にNGでした)。


ネットで院試のことを調べると、ほとんど研究室訪問がマストであると書かれており、調べてみることに。
すると、東大(教育学研究科)は、「出願前までのみ受け付ける」と書いてあるではないか…!?
焦って申し込むと、訪問可能な日が出願締め切りの3日前……!!
またもや奇跡的に、滑り込みセーフで訪問しました。ほんとーに危なかったです。

私はオンライン上でしたが、研究室の雰囲気なども分かり、少し先生とお話しできたので、それだけでも「東大の研究室訪問しちゃった!先生と話しちゃった!!」という感じで良かったです笑
先生は、私の名前や大学名、関心内容などを手元で控えている様子だったので、確実に行ってよかったと思います。
そして、さらに「ここに通えたらいいなぁ🌸」という気持ちが湧きました。

出願書類という名の研究計画書

まず立ちはだかったのが研究計画書です。
なにせよ、出願の7月までに完成させなければならない。
しかし、私はこの時点で、卒論のテーマも決まっておらず、大学の先生には卒論を決めてから考えろと言われました。

卒論のテーマが決まったのが出願締め切りの2週間ほど前。そのあとに、私の場合は、卒論のテーマに関連づける形で研究計画書のテーマを考えました。
自分の大学の院生には「3ヶ月はかけた方がいい」と言われていたのですが、実質1週間程度。締め切り日のギリギリまで書き、チャリで郵便局まで走りました。郵便局が閉まる5分前になんとか出願。

(しかし、Web出願で、書類をPDF変換するのを忘れており、wordのまま提出してしまったことが、締め切り後に発覚…!それから毎日、出願が認められることを祈ってました笑)

受験勉強-3ヶ月どうする⁉︎-

まず、使った教材を紹介します。
上記の説明会で院生の方々に紹介してもらった中で最低限のものをとりあえず買った感じです。

※統計は、紹介してもらったものが初学の私には難しそうだったので、大学の先生にお借りしたものを使いました。


①発達と学習
イチオシです!!!東大の教育学部の教授の方々で書かれている本なので(今はいらっしゃらない方もいますが)、過去問との関連性もかなり高めでした!
これが読めれば、教育・学習心理学系の問題はだいたい解けるかなぁって思います!
この本は、けっこう読み込みました。ノートにまとめ、キーワードを押さえつつ、自分で説明できるようにする感じで毎日読みました。
正直、時間がなかったので、今年いる先生を調べて、徹底的に勉強する章を絞りました…笑

②乳幼児のこころ
私はこの本の内容に近いことを研究計画していたので、この本も買いました。
個人的にはかなり読みやすく、パーっと読める印象でした。読み込むというほどではなく、1回読んで、あとは気になったところを読み返す程度でした。
発達に焦点を当てているので、これも読めれば心理学分野はかなりカバーできるのではないかと思います。特に私の年は、たまたま発達心理学寄りの問題が多く出題されたので、記述にとても役立ちました🌸

③Introduction to Psychology
英語のために買いました。
ただ正直、3ヶ月しかない中で全部読むのはとても無理だったので、とりあえず英語に慣れるつもりで、毎日少しずつ、コースに合う内容の章(ほとんど当て勘ですが笑)を読んでいくようにしました。
私は運良く、大学の先生が日本語版(2万円くらいする)を貸してくださったので、英語との参照がしやすく、心理学の用語も分かりやすかったです。
たぶん、心理学英単語なるものを買ったらもっと効率良いかと思います。
ただ、amazonだと偽物だったという口コミも見たので、気を付けて買ってください💦(私は不安で本屋さんに行って買いました)

④あと勉強が必要なのは、統計(研究法)かと思いますが、勉強するの大変ですよね…。
私は学部で履修した、研究法の基礎の基礎みたいな授業の資料をもとに勉強しました。そのため、勉強に困っているという方は、早めに院生の方などに相談するか、ご自分で分かりやすそうなテキストを探して勉強するのがいいかなと思います。


これらを、大学の授業や卒論と並行しつつやったので、私としてはいっぱいいっぱいの3ヶ月でした💦
勉強が大っ嫌いな人生だったので、こんなに勉強したのは冗談抜きで生まれて初めてでした。
でも、目的があったからか分からないけれど、3ヶ月、なんとか頑張れました。
たまに受かった自分を想像して、そんな夢みたいなこと起きちゃったらヤバいな〜💓と思ってました。

受験当日

そんなこんなで、無事に受験票も届き、受験日を迎えました。
オンライン受験は初めてだったので、zoomの設定など色々と分からなくて、私はそこそこ苦戦しました💦

試験の概要はこんな感じです。
一次試験(筆記試験)
1日目 英語
2日目 心理学
一次合格発表
→受かった人のみ二次試験(面接)
最終合格発表

一次試験①悲劇の英語

確か大問2問でした。1年前とかなり出題傾向が違い少し驚きましたが、和訳しか出なかったので安心しました。

しかし私の身にはハプニングが。
まさかのパソコンがフリーズ。
試験中にです。もう頭真っ白になりました。
特に勉強した内容だった前半は問題なく書けたのですが、後半に取り組めた時間は結局何分だったのか……。当時はもうめちゃくちゃ時間が長く感じて。でも機器トラブルによる試験時間の延長等は対応しないという旨を事前に言われていたので、連絡取ってもっと時間かかったら嫌だし、どうしようとパニックになりつつ、イラつきもしつつ、泣きそうになりながら、座ってました。
なんとか最後動いたものの、時間がなかったので後半の問題は全て短い一文しか書いてません。最後の小問に手をつけたときには残り30秒しかなかったのを鮮明に覚えています。

もう確実に落ちた。
3ヶ月、夢見させてくれてありがとう、東大。
そもそも、東大に行けるかも、なんて夢見れるだけでも贅沢なことだし。偏差値35だった自分がそんな経験できただけでもすごすぎる。
その日はもう落ち込んで寝ました。とりあえず次の心理学はせっかく勉強したので受けるけど、一次終わったら就活始めよう。
そう思って2科目目に臨みました。

一次試験②傷心の心理学

パソコンはさすがに変えました笑。事情を話して人から借りました。

もう英語で充分やらかしたので、勉強したことが少しでも先生方に伝わったら嬉しいな、そんな気持ちでした。特に、志望教員の先生に、伝わってくれたら嬉しいなと思いました。
偶然、私が特に勉強した発達心理学に関する問題が多めに出たので、そこはたくさん書きました。合ってるのか分からないけど、書きたいこと全部書きました。
他の問題も、自分なりに頑張って考えて書きました。
ただ、統計は出題傾向が大きく変わっていて、私にはすごく難しくて全然分かりませんでした。だから、ここまでなら分かりますということだけ書いておきました笑。

感想としては、英語でやらかした上に、統計は問題の意味すらよく分からなかったので、「あ〜もう終わったな〜」という感じです。
とりあえず心理学ではフリーズしなかったので、試験時間いっぱいまで考えて答えることができた、それでもう満足でした。

二次試験(面接)

一次で落ちたと確信して、合格発表すら見ずに、スッパリ切り替えて就活を始めました。就活の仕方があまり分からなかったので、友人にききながらエントリーするところを絞り、もうここに電話しようと決めてたときでした。
「一次試験合格者の方にお送りしています。」
メールが来ました。
正直、ビビりました。
落ちたと思い込みすぎて、間違って受験者全員に送られてきたのかなと思いました(メーリスのミスってあるじゃないですか…)。
ちなみに、この日は面接試験前日です。それも夕方にメールが来ました。
震えながら、確認のために合格発表を見ました。
番号があったんです……………
印象としては、かなりの数の人が残っている感じでした。
募集人数は多くはないので、面接でたくさん落とされるということなのか??
そうだとしたら、私は落ちてると確信して面接の準備をしていなかったので、もう無理ゲーでは??

とりあえず、試験に寝坊しないように、早く寝ました笑。布団の中で、ぼんやりと志望動機とか、研究計画書の内容とかの確認をして、寝ました。

次の日。朝zoomに入ると、私がトップバッターでした。つまり、もうそれ以上準備する時間は全くありませんでした。
そのまま、ぶっつけ本番でした。

体感としては、ゆるっと短く終わった感じでした。全く圧迫感はなく、穏やかな感じで、先生方は私の拙い話を頷きながら聞いてくださっていました。あと、私ではなく先生がお話しする時間が長めでした笑。
何をみる試験だったのか、私には正直分かりませんでしたし、あっけなく終わったなぁという感じでした。
一方で、東大の先生方がずらっと並んで、私の話を頷きながら聞いてくれた、というだけで、すんごい体験したな〜!って思いました笑。これだけで後世まで語り継げるぞって笑笑。


最終合格発表の日。
もうほんとに、何が受かるのか全くわからなくて、面接にも手応えはなかったので、期待もせずという感じで迎えました。
なんか見たくなくなってしまって、でも、そのとき一緒にいた、ずっと私の受験を応援してくれていた人に、「今見なさい!」と言われ、おそるおそるスマホでページを開きました。
………ここ、スクロールしたら分かるんだ
めちゃくちゃ緊張しました。今まで生きてきて、「やりたいことを見つけて、それに向かって勉強する」ということを初めてやりました。
こんな舐めた人生で、そんな簡単に思い通りになるわけないか、とも思いつつ。

意を決してスクロールしました。
自分の番号がありました。
一緒にいた人が先に泣いてくれました。それを見て、最初は実感が湧かなかったけれど、私も涙が出ました。
絶対に忘れないだろうな。
そんな日になりました。自分にケーキを買って帰りました笑。

おわりに


以上が、私という一個人の受験記です。
ここまでお読みくださって本当にありがとうございました。

もし、無謀かもしれないけど東大の院に挑戦してみたい…!と思っている方がいたら、「こんな奴もいたなぁ」と思ってくれたら嬉しいです🌸

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