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ペンタNote

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思いつくままに
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2020年6月の記事一覧

ひがた

干潟に出かけてみた いつもは海の底なのに 大潮になると姿を現す 小さな魚や蟹を見つけて 夏の季節を感じてしまう 海の香りが強くて ミネラルを沢山飲んでいるような 海の鼓動を感じてしまう 干潟には何故か縞模様の波の足跡がある 去年来たときと違う足跡 水溜りに空が映り 雲の流れを感じてしまう サンダルで歩いた跡も 潮が満ちてしまえば消えてしまう くよくよと悩んだことは 二枚貝の中に収めて 砂の中に埋めてしまおう 嬉しかったことは 流れてきたペットボトルに入れて流してしまおう

夏の夕暮れ

島が見える海岸線で夕日に今日の思い出を重ねる ホワイトボードの文字のように空に書いた言葉を消してしまおう 遠くに過ぎる船の音を聴きながら 深呼吸をしてみよう きっと明日は良い日になると 左手のペットボトルに虹がかかる 夏の夕暮れはほのかに涼しく きみのワンピースを揺らしてた

特等席

車のボンネットや天井が大好き ゴロゴロしてます ねこには外車の高級車も関係ない 特等席には間違いない たまに爪を立てて線を入れてしまうけど この車には歯が立たない やっぱり車の上が最高ですにゃ🐈

夏が来る

日差しが眩しい昼間 サンダル履いて 近所のコンビニへ いつも同じアイスコーヒーとスイカバーを 空の雲を眺めながら食べる 君はいつもの麦わら帽子姿 蝉時雨が似合う 梅雨はまだまだ終わってないけど もう暑さはピークだと スイカバーを食べながら笑った 今年は夏祭りが無いとか 海のコンサートが無いとか インスタアップが出来そうにない 来年も夏は来るよねって 駐車場の奥の向日葵に聞いた

瓶の中の思い出

去年の夏の思い出が詰まった瓶を殻にして持ってきた きみとの記憶が賞味期限のコーラのように 何も泡立たなくなり 喉で感じる爽快感もなく ただ甘いだけの関係に飽きたのだろうか 気の抜けた心にさよならしたくて ここから観た花火も ここから始まった恋も 時間の消しゴムにさらわれて 今では殻の瓶だけになってしまった 夕闇が近ずくと 自転車できみが探しに来た 笑顔はいつものように素敵だ 何気なく瓶を眺めながら思った 明日からの君と過ごす思い出を 少しずつ瓶に詰めてゆこう 星の砂のよ