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Vol.24:「聞得大君」のざわめき

「聞得大君」とは、琉球王朝第2尚氏時代に制定された役職で、王朝のための神事を司るノロの最高位の事を指す。その時の王様の妹が就任するらしい。これは「おなり信仰」といわれ、妹がスピリチュアルな力で兄を守護する概念であるらしい。驚くべき事に、その概念は、この現代においても継承されており、2020年に第21代の聞得大君に就任した女性がいるという。

「聞得大君」を過去世にやっていたとされる人に結構な数遭遇してきたように思う。過去世という概念はそのエッセンスを持つとされているから、1人の聞得大君のエッセンスを持つ人が複数人いてもおかしくないので、21代まで存在した聞得大君の人数から考えると、100人を超える聞得大君の過去世のエッセンスを持つ女性が現代に生きているのかもしれない。

複数の聞得大君をやってたとされる人の過去の記憶を聞くと、山の上の御嶽の側の小さな家に住まわされ、王様が御神託を得たい時に、たづねてくるという。
この場所は、おそらく、斎場御嶽の奥宮とされる山の上に近い場所であろうと類推される。

過去に聞得大君の存在であったという人から聞いた話であるが、御神託通りに王様が物事を成せばいいのだが、ちょいちょい受け入れられずに、その通り実行しないのよ、と嘆いてもいた。また、権力争いの根拠として、聞得大君の御宣託だとして、謝った御宣託を出したりさせられてもいたようである。

映画スリーハンドレッドにおいても、レオニダス王が山の頂上の巫女の元に行って御神託を受け、300人で戦いに向かう決断をするのだが、王を失脚させようとする勢力に巫女が操られていた、というシーンがあった。

古今東西、シャーマニズムは政治や権力に、いいようにコントロールされてしまう宿命があるのかもしれない。

聞得大君を筆頭に三女官、地域毎のノロと、神女は組織立てられていたようである。御嶽やグスクにはノロの住居跡もしっかりと残されている。高級神女を33君と呼んでいたらしく、33人ではなく、とても多いという意味合いであるようで、100人以上が一時代に存在したという。高級神女の過去世を持つものが2000人はいてもおかしくはないのである。

沖縄にスピリチュアルな女性が、現代においても多く出現し、それらの女性の過去世でノロをやってましたという女性が多いのも、必然であろうと思われる。
石を投げればノロやユタに当たる、とされるぐらい、沖縄では、そのような存在が多い。カミンチュ能力は沖縄県民には標準装備されているから、と、いうフレーズもよく耳にする。

「天照ノア」は過去世において聞得大君を演じていた存在のエッセンスを持つのかどうか分からないが、「尚巴志」と対話し始めているという事は、聞得大君制度が確立する前のノロと関係が深いのではないかと類推される。

「観察者ユリヤ」も沖縄出身であるので、カミンチュのDNAも含まれているかもしれないのだが、どうやら、チャネリングとか巫女とかよりしろ、という概念を超えた存在のように思える。

そして、「天照ノア」のストーリー展開に応じるように、「聞得大君」的な存在達が、何やらざわめき始めたような出来事が起こり始めている。

続く。

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