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ダムについて

先日の台風で試験貯水中の八ッ場ダムが一夜にして満水になった動画を見た。ダムマニアが撮影したものだった。

民主党政権時代に一時建設中止に追い込まれた八ッ場ダム。首都圏の河川氾濫を防いだヒーローという取り上げ方もされているし、野党のブーメランにもなっている。

土木的スケールのダムに美しさを見る人々もいる。ブラックバス釣りでいくつかのダム湖でバス釣りをやったことがあるが、ダムも素敵だなと感じる事もあるし、たしかに、建築家として、ダムという土木的スケールの構築物の美しさもわかる。

ダムによって立ち退きを余儀なくされた方もいるし、川魚の遡上が妨げられ、自然景観が壊されてもいる。

「ダムネーション」という映画を見た。世界的にダムはもういらない、という風潮は起きている。取り壊したところ、サケが遡上しはじめる様子も描かれている。日本においても熊本県のダムの解体が行われて、オイカワの遡上が戻ってきたらしい。

ダムがなければ水害はどうするんだという問題もある。日本は歴史的に治水をどうするかというのが都市づくりのポイントであったのだから。

立場によってダムに対するとらえ方は様々ある。

じゃあ、いったいどうすればいいのだろうか、となるが、答えはそうそう簡単ではない。

ダムから派生して、サーモンの養殖による海洋汚染とか、ブラックバスによる外来種の弊害とかの問題もある。電力問題もある。

ダム無しで治水が出来て、貯水も出来て、発電も出来て、河川の生態系が維持される画期的な方法が近い将来に確立されるのだろうか。

もしくは、人類は増えすぎた、という事に帰結するのだろうか。



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