去煞留恩・忘恩留煞

去煞留恩・忘恩留煞

「煞」とは我を害する凶爻のことです.
「恩」とは我を益する用神のことを言います.

卦中用神爻が発動して世爻に生合し、凶神を冲剋する形にあるのを「去煞留恩」と言います.

(例)*「出世」を占う

・沢雷随ー雷沢帰妹

申月辛酉日

‥ 未(妻財)〈応〉
— 酉(官鬼)→ ‥ 申(官鬼)
— 亥(父母)〔伏神:午〕
‥ 辰(妻財)〈世〉
‥ 寅(兄弟)→ — 卯(兄弟)
— 子(父母)

用神は五爻にある酉です.退神になっておりますが月建が扶拱しており退神をとらず発動と見ます.
発動した酉は、仇神である寅を剋して世爻である辰と合しています.

このように用神が発動して世爻と手を結ぼうとしているのみならず、悪神を剋している状態になっているものを去煞留恩といい、邪魔者を取り除きしっかりと用神が助けていくれていると判断します.

反対に卦中忌神が発動して世爻と生・合する場合を「忘恩留煞」といいます.

(例)*お金のことを占う

・水地比ー坤為地

申月丁未日(寅卯空亡)

‥ 子(妻財)〈応爻〉
— 戌(兄弟) → ‥ 亥(妻財)
‥ 申(子孫)
‥ 卯(官鬼)〈世爻〉
‥ 巳(父母)
‥ 未(兄弟)

せっかく世応の関係がよく、財神から生じられている関係であるのに、間にある忌神の「戌」の兄弟爻が発動し、世爻と剋合し、横槍を入られて隙をついて邪魔をしてくるという関係です.このようになっているのを「忘恩留煞」と言います.

さらにこの卦で世応の関係について吟味してみましょう.世爻が空亡していることに着眼し、この構図について黄金策千金賦では「事阻隔兮間発、心退悔兮世空」と表現され、対応している相手と相通じることを妨げるだけでなく、気力に乏しくものごとが成就しないどころか天涯孤独で終わることを示しています.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?