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物来就我

【物来就我】

「物(もの)来(きた)りて我(われ)に就(つ)く」と読みます.
物とは「用神」のこと、我は「世爻」のことです.
尋ね物など、人や物を待つ占いの場合(*注:自身が対象となるものではなく主位に立つ場合)、その対象となる目的物である用神と世爻の関係を精査します.

この場合、用神が世爻を「冲剋」または「生合」しているなどの関係性の構図ができた場合、「尋ねたものが自分に向かってやってくる」と言って望みが叶いやすい象と判断します.


 例えば世爻が「戌」出会ったとします.卦中用神が「寅」であって発動したとき世爻は剋をうけます.同じように「辰」が動爻であれば「冲」を被る形、さらに「巳」は生じ、「卯」は合を受けることになります.占卦にこうした用神から世爻に向かってくる関係性があれば、「物来就我」となります.それぞれの違いとしては強弱緩急の差があり、列挙すると〈剋〉はその勢いよく急であり、〈冲〉はこれに次ぎ、〈生と合〉は緩和の意味になりゆっくりとなります.ときに冲と剋を同時にかねる場合はその勢いが猛烈に過ぎてしまうことがあり、もし用神が衰弱しているときはかえって害をうけることを心得ていかねばならないこともあります.

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例)初めて鑑定を受けるお客様。電話がありこちらに向かうと連絡が来た.予定の時間を30分オーバーするもまだ来場していないため、こちらから電話したが携帯につながらない.果たして来るかどうか?

寅月戊寅日(申酉空亡)
天沢履ー風沢中孚

⚊戌(兄弟)
⚊申(子孫):《世爻》
⚊午(父母)→ ⚋ 未(兄弟)
⚋丑(兄弟)
⚊卯(官鬼):《応爻》
⚊巳(父母)

鑑定のゲストの用神は「官鬼」.応爻に旺相の用神が臨み、なおかつ本日の「寅」が官鬼を示し、世爻を「冲」して居る.「物来就我」の構図になりこちらにむかっており必ず来ると判断.どうやら世爻が空亡を示しているのは場所がわからず迷って視野に入っていない模様.連絡がつかないのは、連絡の六親である父母爻「午」が発動し「未」の合を化出しているので動いて動かず、つまり連絡したいができない事情を示しており、これはおそらく携帯の充電が切れたか何かで一時的に連絡ができないのであろう.

この占断を受け、腹をくくりじっと待つ.

この占断の5分後にベルが鳴り、無事来場.

やはり携帯のバッテリーが切れてしまって迷ったが連絡できなかったとの事.


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