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断易講義[三伝]歳星/月建/日辰

三伝は天上のもの(例えるならば神仏)として扱い、
卦爻 は地に対応する(地上の人や物)ものです.

・三伝は歳星・月建・日辰のことを言います.(以下参照)
・三伝は卦爻に生剋合冲の影響を及ぼし吉凶に大きく関与します.

・三伝の影響を受けた卦爻の変化の構造が未来の青写真になります.
・卦爻からは三伝に対して一切影響を及ぼすことはできません.

・卦爻の中に占う目的となるポイントを定めます.

・このポイント(=用神)と自分自身における、ふたつのエネルギー状態と距離感で吉凶が決まります.目的と自分の間に正しい位置関係が成立して、かつ三伝から援護されている場合は願い事が叶います.

これがほかでもない、断 #易 の極意です.

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【三伝の説明】

〈歳星〉占う際の年の十二支:年支
太歳とも称し、国家のできごとや自分の一生に関わること、何年かかけて取り組む長期的な展望を占う場合に用います.通常、日常のことを占う場合は使いません.

〈月建〉占う月の十二支:月支
占う当月の節入り日より翌月の節入り日までの十二支のことで、その月の間を月建の力が支配する期間とします.月内の威力は激しく「万卦の堤綱」とし、酷烈にて容赦ありませんが、月の範囲を越えると力は衰弱します.

〈日辰〉占う日の十二支:日支
断法の上で最重要の働きをし、「主宰」と呼ばれます.その作用は卦爻の構造やその状態に合わせてさまざまな働きかけをするコントロールセンターとしての中心的役割を持ちます.なお、月建の影響力はその月内のみと範囲は限定的ですが、問題の根本から事態を変える努力をしない限り、日辰の影響は将来にわたってその状況を支配する力をもちます.

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[見所1]月建の作用
旺相休囚論 (旺ズル/相トナル/休囚スル/月破)

春令/木旺火相  土金休囚
夏令/火旺土相  金水休囚 
秋令/金旺水相  木火休囚
冬令/水旺木相  火土休囚
四季/土旺金相  水木休囚

・〈旺〉ずる
月建と同じ五行となる爻です.特に月建と同じ十二支の爻は、月建に臨むとか、月に値る、月建を持すという言い方をしてその力は最強です.とくにその月内に重大な意義が含まれていると見る場合があります.

・〈相〉となる
月建の五行から生じられる爻で、強くなり力を持ちます.
*実践鑑定としては、旺となる爻は自発的強い意志があるとし、相となる爻は他人の勧めによって強くなっているとか、天祐神助があるととったりします.

・〈休囚〉する
日辰により生扶を受けていない爻であり、かつ月建に対して旺と相にならない場合を休囚といい弱性となり、天地の助けがない、孤立した姿です。
*月建から剋を受けて休囚する場合、衰弱している上にさらに災難を受けたような悪さがあります。

・〈月破〉
月建の十二支と「(対)冲」となる爻を月破といいます.
*月破には真破と実破があります.

[見所2]日辰の作用
〈1〉日辰に生扶拱合すれば衰弱の爻も気力を得る
〈2〉日辰が爻に臨むと月建に休囚しても旺相しているとし、日辰に値る爻は他の爻を生じる、剋するなど動爻同様に他爻に影響を及ぼす.
〈3〉日辰が安静の爻と合すれば「合起」といって動爻と同様卦の中の他爻を生剋する能力を持つ.
〈4〉日辰が発動爻と合すると「合住」といってその力は強まるが、発動の働きを一時休止し、その生剋の作用を表さない。ただし、後日、その動爻を冲する月日に至り、合住の綱が切られた状態となり発動結果を現す.
〈5〉日辰が発動している爻に値ると、その威力絶大となりその日に結果があらわれる場合がある.
〈6〉日辰より爻が冲剋を受けると、休囚の爻は冲散となり、発動した爻は傷を負う.
〈7〉十二運は日辰で決定する.日辰に墓絶・長生・帝旺・沐浴などの十二運に入る.
〈8〉日辰が卦中旺相の爻を冲すると、冲動・暗動といって発動同様、他爻を生剋する能力を持つ.
〈9〉日辰が休囚の爻を冲すると冲散といって無力化するだけでなく消滅する.
〈10〉日辰が旺相する空亡の爻を冲すると、冲実といって空亡が壊れ、再び有効な働きをする爻として復活してくる.(姿形をあらわす)
月破に値る爻に日辰が臨むとき、日月の力量が伯仲します.この爻は潰れてはいませんが一時的にその期間である月内は休止させられます.月破を過ぎたり、合する時に有用な働きを取り戻し復活する.
日辰が旺相の動爻を冲すれば、その爻は一時的に活動休止となります.合の月日に遭い冲の破れを繕った時に有用な爻として働きを復活させる.
日辰が休囚の動爻を冲すれば、他に助けるもの(他爻より生じられている状態)がなければ冲散となって破壊され無力となる.
〈11〉安静爻が旺相し、かつ空亡している場合、日辰がこれを冲すれば空亡が解け即日有用な爻として働く.
〈12〉安静爻が休囚しており、かつ空亡している場合、日辰がこれを冲すれば「傷に傷を重ねる」こととなり、即実冲散する.
〈13〉月破となる爻を日辰が冲すれば、「傷に傷を重ねる」となって即日冲散する.

[見所3]月破について
月破は一方的に破壊を受けることを意味し、日辰の冲の作用のように暗動するなどの作用はなく、月内に強い害を被ります.

〈真破〉
月破以外にも傷を被り、日辰や動爻の生を受けていない場合のことで、その爻はいつまでも無用のまま終わってしまう.

〈実破〉
月破に逢う爻で、日辰や動爻、化出爻から扶けられ(=回頭生)旺じる時は、一時的に傷を受けるも時が至り合に遭って月破の傷が癒える時、また月破となった同一の十二支が来る(=填実する)時に、実破となって吉凶の作用を起こしてくる.
 

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