所詮、嫉妬

「家の表札に鼻くそをつけられたが、俺はあえてそれを取らずに毎日見ることで、湧き上がる怒りをやる気に変えている」
アンガールズ田中がラジオでそんなことを言っていた。

金持ちによる金持ち批判。売れている人間による売れっ子批判。
そんなんが一番寒い。僕に言わせれば田中も十分成功者だけど、田中の熱を帯びたこの言葉は、はすに構えた僕の背筋を伸ばした。

自分の感性や信念に反するものが、一定層から受け入れられているのを目にした時に湧き上がる気持ちに名前ってありますか?
「こいつが作ってるもの何年も変わってなくない?」「え、てか、お前が言ってるその”面白いもん”早く見せてくださいよ(笑)」
とか、みっともない感情を胸いっぱい抱いてから、これは嫉妬じゃない、だってあいつと僕がいいと思ってるものは根本から違うし、そもそも畑が違うから比べられない。と付け足す。じゃないと自意識が崩壊しちゃうから

でも、もう付け足さなくていい。付け足すことで、せっかくのガソリンが、ただの水になってしまう。悔しさを受け入れて、それをできるだけ濃いガソリンに変えるんだ。
ありがとよ、成功者。お前がくれたこのガソリンで僕は前に進める。

所詮、嫉妬のこの感情で、何キロ走れるかが勝負なんだ。

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