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「ご飯」はどこに置くべきか

弁当箱でのご飯の位置

以前にTV番組で、弁当箱では「ご飯」と「おかず」の配置をどうすればいいのかというのをやっていた。どこかの流派が監修しており、「左上位」の伝統により「ご飯」が左側で、「おかず」が右側(右上主菜・右下副菜)であったと思う。あまりよく覚えてなく申し訳ないのだが、私としては持ち上げない弁当箱の「ご飯」が左側にある必要はないだろうと思った。

弁当1
弁当2


一般的に和食では左側に「ご飯」を置き、右側に「汁物」を置いている。「ご飯」を食べる際、右利きの場合には右手で箸を持って左手に茶碗を持つため、茶碗を置くときは左側ということになる。右利きだから右手で箸を持たざるを得ず、茶碗を右側に置いていると左手を伸ばして茶碗をつかむことになり、左手でつかむのであれば左に置くのが近くて効率的ということになる。「ご飯」のように箸でつまみ上げる頻度の高いものは繰り返す作業であり、「汁物」以上に食べやすく効率的である必要がある。

左手に茶碗を持つから弁当箱でも「ご飯」を左側に配置するという考えは、あまりに単純な感じがする。文化的な慣習は時間的な連続からくるこだわりでしかなく、効率性を無視した作法ならば考え直す必要があるだろう。弁当箱はテーブルに置いたままであり、大きなサイズの場合は中央より右側に「ご飯」があった方が右手に近い分、効率的であると言える。

コンビニの弁当箱などは、「Zの法則」や「Fの法則」といったマーケティングの手法により、人の視線が左上から右下へ流れる傾向を意識して「ご飯」や「オカズ」を配置しているという。そして、「ご飯」は右下に置かれる傾向にあるらしい。左上にあるオカズから眺めてどこまで購買意欲がかき立てられるのかは疑問だが、伝統よりも商売っ気を優先させているということである。

ラーメン・半チャーハンでの置き方

和食ではないが、私は中華屋でラーメン・半チャーハンのセットを頼むことがある。運ばれてくる時は、たいていラーメンが右側で半チャーハンが左側に置かれている。私はそのお盆をくるりと回すなり、ゆっくりと器を持ち上げるなりして、大きい方のラーメンの器を左側に持ってくる。そして、レンゲを左手に持ち、左サイドを固めてから食事に入る。これは私の個人的なこだわりなのかもしれない。

ラーメン・半チャーハンセット

ラーメンは箸を使い、半チャーハンはレンゲを使って食べることが多い。メインは量の多いラーメンであり、左手のレンゲでスープを飲み、右手の箸でラーメンをすくって食べる。

半チャーハンを食べる時は、左手に持っていたレンゲを右手に持ち替える。左手を右側に伸ばして半チャーハンの器を抑えて食べる。量が少ないからこそ、多少の面倒は許容する感じだ。

これを逆にすると、自分としてはなんだか違和感があるのである。半チャーハンが左にあってラーメンが右側にあると、なんだか落ち着かないのだ。ラーメン単品ならば中央において余計なことを考えずに食べるのだが、半チャーハンがあるというだけでその配置にこだわってしまうのである。

伝統的な「ご飯」が左側で「汁もの」が右側という配置を否定する形になるのだが、私のこだわりは「ご飯」か「汁もの」かという種類ではなく、量が多くて箸などでつかみ上げる頻度の高いものはなるべく左側に置いておきたいという、和食の「ご飯」にならった主食左側感覚なのかもしれない。

熱くて重くて量が多くて食事の中心となるラーメンが左側にあると落ち着いて食事ができるのだ。半チャーハンの量は少ないので、多少面倒に手を余計に伸ばしてつかむにしても、その回数は限られていることからあまり気にしない。

食べ方は人それぞれだが、皆さんはいかがだろうか。



<写真>
CC BY 2.0  File:Bento at Hanabishi, Koyasan.jpg by Blue Lotus - Flickr

CC BY-SA 4.0    by Kos88
File:Ramen with half sized fried rice(ラーメン半チャーハンセット).JPG


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