死霊の盆踊り

クソ映画見たから感想書くわ.


クソ映画とは何か?


「ここに穴を掘ってください.掘り終わったらその穴を埋めてください.」
って言われて穴を掘っている人を横で眺め続ける作業.
 
人間の殺し方は退屈さの暴力. 


背景


盆に出雲に帰った時に,高校の友達と二人で何するにも暑いしTSUTAYA行って映画借りて冷房効いた部屋で観ようぜってなった.
ここまでは完璧な夏休みだったのにTSUTAYAで友達にB級サメ映画にしない?って血迷った提案をされて瓦解した.ただ,TSUTAYAのサメ映画の品揃えが悪かったため,クソ映画と評判の死霊の盆踊りを借りた.
TSUTAYAの店員はサメ映画を置かないならそれ以上にクソな映画は置かないで欲しかった.しかもこれ準新作扱いだったからレンタル料が張ってて切れる.

友達


映画のレビューに星1と星5の両方に「最悪の映画です」って書かれてるのがすきっていう強者.映画に詳しい.
わたしと映画みるなら,戦争モノのグロ映画かB級のサメ映画かなーって考えてたんだ!どっちがいい?って聞いてきた. 


死霊の盆踊りとは


とりあえずイントロを書いたライターだけは評価できるので置いとくわ.

ここ
 http://www.eden-entertainment.jp/saitei2020/

画像1


満足度が堂々の0%.
面白そうだけど,これに惹かれて観てしまったら後悔するやろなっていう地雷感.
このコピーによってクソ映画に足を掬われる犠牲者が生まれてるとしたら救いはない.つーか,最低映画の大逆襲2020とかいう企画通すな.ホラー映画より笑いどころも山も落ちもないクソ映画のほうが冷めるので夏に効く.無力感を感じる.


中身

 
内容に触れないわけにもいかないけど,先の通りに起承転結も話の展開もセリフも背景も何もないので深く語ることがない.気になるんだったらレビュー読むなり映画見るなりしろ.ただし,映画なんて見るな.
 
カップルのドライブシーンから始まって山奥で事故になって車が落下して気がつけば墓地で目覚めて,死霊が踊り踊ってるところに出くわすっていう映画.
面白い(クソな)のは,死霊は夜に目覚めるって設定なのに導入部の空が真昼なところ.CGか何かで昼に撮った映像を夜に加工しかったけど忘れたらしい.低予算映画特有の手抜き感.
その後の展開はポルノ映画のため,女の人が脱いだり踊るだけ.ストリップショー.踊りに意味はない.踊ったからと言って何かが蘇るわけでもない.自称・闇の帝王とかいう役の俳優が嬉しそうに全裸の女を眺めるだけ.現場の空気が凍っているのが容易に想像つく.
90分のうち80分はここに割かれる.無言で女が踊るだけ.わけがわからない.1分耐えて退屈な踊りを眺めたとしてもあと89分も残っていて絶望する.ストリップなら楽しんじゃないか?とかポルノならそれでいいじゃないか?と思うならお前が映画を見ろ.

低予算なので画面は永遠に固定されてるし,舞台装置も学園祭程度.強いて言うなら,ストリップをする女優は本職を起用したが低予算の衣装にクソなカメラワークのため,肝心の脱ぐシーンが画面外に外れたりと楽しめない.踊りは上手いかもしれないが80分同じものを見せられるため徐々に感動は薄れてどうにでもよくなる.残るのは早く終われという祈りのみ.

そんで,主人公が最後に死霊の仲間になろう!みたいな感じで殺されそうになるけど,ちょうど朝日が昇って助かる.終わり.
 
 
話はずれるけど,字幕のお仕事って訳した文字数に応じて報酬が決まるらしい.
つまり,無言の時間が大半な映画の僅かなセリフたち(大根役者・棒読み・画面の右下のカンペを執拗に注視している)を訳すのは地獄.
金にもなんねーし,意味のわからない映像を隅までみなきゃいけない虚無.
訳したところでセリフ群が文脈を形成してない絶望感.
 

ーー
クソ映画の後に普通の映画みた感想
「場面展開がある!」
「オープニングが動いてる!」
「死霊の盆踊りの字幕量を導入数分で超えた!」
「昼と夜がある!」
「ワンシーンのカットだけで,キャスト数超えた!」
 
予算が全て.監督がまともなことが全て.

導入部があるとか,オープニングのために動画があるとか,多くのキャストを起用してるとか,話に意味があるとか当たり前の有り難さに気づく.


 
 
 
飽きた.終わり.

サメ映画のほうが,サメによって動きが生まれカメラワークも場面展開もあっただろうからよかったな.