言葉とイラストの融合詩イラハポについて
詩を書いています、ふるると申します。私の考えた詩(イラハポ)をご紹介いたします。
イラハポとは、イラストレーション、言の葉、ポエトリーを合わせた造語で、言葉とイラストで詩を作る試みです。詩とイラストを合わせたものは沢山ありますが、そういうのではなく、言葉とイラスト、二つで一つの詩、みたいなものを目指しています。図にするとこんな感じ。
見て感じる詩という事で、マラルメの詩論などから発展した現代の視覚詩(ビジュアルポエトリー)の一部かなと思いますが、それはさておき、言葉とイラストの組み合わせで詩情や面白さ、詩の新たな可能性を感じていただけたら幸いです。
第一期
第一期は以下のような感じで、異化作用を狙っていました。(イラストに、意味不明な言葉をつけて、変な感じを醸し出そうというもの。シュルレアリスムのデペイズマンを参考にしています。)
表紙です
変な言葉をくっつけてみる
数式も言葉のうちということで。
造語を逆さにして添えてみたり。
何かの説明書ふう。
ことわざとか。
映画のポスターふう。
漫画のページふう。
疑問形。
何か言ってる。
看板に。
第一期は冊子にしたのを一部無料公開中です。https://fururuusa.booth.pm/
第二期
第二期は、第一期の反省(意味不明過ぎ、想像が広がるのも大事と気づいた)を踏まえて、もう少しイラストと合いそうな言葉を選び、イラストと言葉をなじませる感じで作っています。
雨の音楽
春
鉱物屋
二人組
儀式
友人
ひび
椿
黒手袋
逃避行
視線
第二期も冊子にしたのを一部無料公開中です。https://fururuusa.booth.pm/
これらを詩と言えるのかどうか。私は、詩というものは、言葉でもって言葉の外や言葉以前のものを示し、結果として常識や固定観念から自由になったり、想像の幅が広がったり深くなったりするものだと思っているので、「これは詩です」とまあまあ言えると思っています。あるいは、写真家のClistina Coralさんの言葉「作品とは、何かを伝えるのではなく、何かを喚起させるものです」https://www.collater.al/en/photographer-cristina-coral-interview/をお借りしたいと思います。
読んで下さってありがとうございました!
追記
さて、2020年の一期、2021年の二期の試行錯誤を経てみますと、だんだん、イラストも言葉のうちだと思えるようになり(イラストは元々、本の内容を伝える挿絵から発展したもので、情報を分かりやすく伝えるという、言葉と同じ役割を持つ。)2022年三期、2023年四期では、浮かんだイメージを手がかりに、しっくりくる言葉を配置していくという、自分がいつも詩を書くやり方で作るようになりました。四期では、読者にも参加していただきたいと思い、付箋に何か書いていただくという形のものも作りました。
絵とちょっとの言葉では作者の言いたい事やテーマが伝わらないと言われるかもしれませんが、詩人の天沢退二郎氏は「詩の中に主題があろうがなかろうがどうでもいい事で」と詩論の中で書いていて、私も賛成です。あるいは現代の視覚詩の祖とも言えるマラルメの言っていた、言葉が持つ「意味」から自由になり、言葉を星座のように配置して言葉で音楽をやる、というような。テーマうんぬんではなく、余白を含めた言葉同士のいい感じの組み合わせを考えるという事です。そう、視覚詩に意味はあんまり必要ない……
そうやって作った詩は、何かを喚起はするけど、具体的に言葉で言えるようなことではない……それは、題名のない音楽(絶対音楽)や抽象画だって同じ。それに何の意味があるの?と問われれば、「言葉では言えないようなものがこの世には沢山あり、見たいから、聞きたいから、作ってしまう」としか言いようがありません。
読んでくださってありがとうございました!!
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