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ディケンズ『荒涼館』を読む。その4

ディケンズ『荒涼館』を読む。その4

ついに最終巻。読み終わりたくない……。さすがに登場人物の名前を覚えたので、メモはほどほどに、駆け抜けるように読みました。(『荒涼館 (四)』ディケンズ作 佐々木徹訳 (株)岩波書店)

キャディーが病気になり、エスターが看病に通う。9週間て長い。エイダが何か悩んでると思って、一緒にリチャードの住んでるとこに行く。もう荒涼館には帰らないと言うエイダ。内緒で結婚しちゃってた。寂しくなる荒涼館。泣くエス

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ディケンズ『荒涼館』を読む。その3

ディケンズ『荒涼館』を読む。その3

いやー面白いわー。登場人物全員にフォーカスできて、自分が神の視点を手に入れたような気分になる。神の視点とエスターの一人称が役割分担して語ってく方法、ディケンズが初めてだったらしい。ディケンズは人間の内面を深く書けてないって低評価した人たちは、エンタメ小説嫌いか、ディケンズの人気と影響が凄すぎることへの反発だと思う。内面うんぬんが些事に思えるくらい面白い。それに、基本的に明るいからとかく真面目で重々

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ディケンズ『荒涼館』を読む。その2

ディケンズ『荒涼館』を読む。その2

第2巻。登場人物、ちょい役かなーと思って読み流してると後で沢山出てきたりして、読み返すこと多しです。特にぽっと出の医師ウッドコート。エスターに気があるみたいだけど、1巻では会話もないしそんな素振り全く書いてなかったじゃん。新しい人が出てきたら、ちょい役でもメモる事にする。ネタバレしてるので嫌な人は一番下の感想をご覧ください。(『荒涼館 (ニ)』ディケンズ作 佐々木徹訳 (株)岩波書店)

第十七章

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ディケンズ『荒涼館』を読む。その1

ディケンズ『荒涼館』を読む。その1

ディケンズは約150年前のイギリスの超超売れっ子作家。かのドストエフスキーもファンだったと言う。死後評価が下がったりしたけど、今はやっぱりすごい作家と言われています。哲学文学作家というより、情景や人物描写が超絶上手くて読みやすいエンターテイメント作家という感じ。

そんなディケンズの最高傑作とも言われる『荒涼館』は、すごく面白いらしいけど、長いし、六十人くらい人が出てくるそうなので、色々忘れそうな

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