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パトゥムタニ日記 vol.51〜タイの春節にいろいろ考える〜

2023年1月21日 午前10時30分
朝からなっていた爆竹がひときわ大きな音を立てました。

中華系の友人達から一斉に新年を祝うメッセージが届きます。

新年快楽 恭喜發財 万事如意


まあ、タイ人の彼、彼女達は中華系2世か3世で
ほとんどは漢字の読み書きができるわけではなくて、何かのコピーなんですが。

傍に書かれたタイ語も漢字っぽいフォント(タイ人談)にしてあります
春節用LINEスタンプもいっぱい


タイに帰化した華人は700万人以上。
インドネシアに次ぐ華人国だそうです。
タイの経済界を支える財閥は、ほぼ全て華人企業。
裸一貫で本国からやってきてタイの経済界を牛耳る大企業を建てた立身出世談は
どの企業でも創業者の伝説になっています。

それほどの巨大企業でなくても、
ちょっとした町工場や大きな商店は漢字の看板を挙げている所が多く、
華人の主人เถ้าแก่ (タオケー)が仕切っています。
働いているのはタイ人。

いいのか、と思うのです。
日本人の私が言うのも変な話なんですが、
上から下まで中華系に仕切られるタイ経済。
廂貸して母屋取られたこんな状態。
タイ人、平気なのか。

ふと、流れたYouTube内のCMは
『お金持ちの華人ファミリーを嘲笑うタイ人メイド』
と言うドラマ仕立てのもの。
独特のイントネーションで話されるタイ語。
キンキラのアクセサリーをつけた成金中年女性達。
食事もそっちのけでスマホを覗き「取引成立。45000バーツもうけ〜」と叫び続ける男性。
祖父母に擦り寄って金をねだる軟弱そうな孫息子。
タイの田舎から出てきたらしいメイド服の女性はあきれ顔。
思い起こせば、30年前に私が来タイした頃から変わらないステレオタイプ。
華人ー成金
タイ人ー使用人
これでいいのか。。。

「いいんじゃない」
ご近所から頂いたお供え物の果物やらお菓子やらを頬張る我が夫。

「あの人たちはタイに帰化してタイ人になってるし。
もう中国語も出来なくて、帰る所もないかわいそうな人達だよ。
中国よりタイの方が良かったからここに居るんだからさ、
置いてあげたらいいよ」

そう来たか〜、このタイ人の捻じ曲がったプライド😧

お供え物はお祈りが済んだらすぐに従業員や近所に配るのが決まりのようです


確かに私の友人世代(40〜50代)ではかなりタイ化が進んでいて
両親と話すのもタイ語、と言う人がほとんど。
華人学校というのもあるそうですが
私の友人は皆、タイの普通校でした。
もちろん上流社会では、今でも生粋の華人コミュニティがあって
中国語を話し、中国文化を大切に守っているのでしょうが
それは700万の華人の一握りにも満たないと思います。

多くの中華系タイ人達は土着のタイ人と混血し
春節のような大きな行事は行うものの
日々はタイ文化の中で生きている。

流れ着いた土地でしっかりと根を張りつつ
自分達のアイデンティティを守っていくのが華僑と呼ばれる人たちの強さなら
それを取り込んでしまうタイ人ののほほんぶりもまた靭さ。

上に着飾ったメートラニー像 下に春節のお線香


今朝、散歩をしていて見つけました。

タイ土着の地母神メートラニーは
仏陀の瞑想を妨げる魔物達を退ける女神として、タイ仏教に組み込まれました。
その像と春節のお飾りを一緒に祀ってしまう。
尊いもの、ありがたものは何でも一緒に拝んじゃえと言うタイらしさ。
アバウトよね〜、アナタ達。

因みに本日22日が 今年の春節元日ですが、
華人家庭に嫁いだ日本人友人曰く
元日は決して働いてはいけないそうです。
この日働くと、一年中働かなければならない。
だからのんびり食って寝る。
思い切りlazyに過ごすのだそうです。

おや?それってウチのタイ人達の日常かも。。。😅







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