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パトゥムタニ日記vol.39〜甘くないのがお好き?〜

「この蜜柑、甘い?」
「いや、酸っぱいよ。今の時期の蜜柑は、まだ酸っぱいんだよ」

毎朝、近くの工場の前にオートバイで果物やタイのお菓子を
売りにくるおじさんがいます。
蜜柑を売っていたので声をかけてみました。

うーむ、酸っぱいと来たか。
蜜柑といえば甘いよォと答えるのが常道だと思っていたけど、
酸っぱいって言っちゃうんだ。

日本に行って驚く事。
果物が、甘い!
糖度 xx % という表示もよく見ます。
昔話になりますが、日本だって私が子供の頃の果物は酸っぱかった。
夏蜜柑やグレープフルーツには砂糖、苺には砂糖と牛乳をかけて。
リンゴだって、紅玉とか固くて酸っぱかったなあ。
今じゃ、そういう果物は売れないんじゃない?と、母。

そしてとっても不思議なのは、お菓子は「甘さ控えめ」が主流らしい。
テレビリポーターの「甘くなくて、美味しいですねぇ」は
「甘くないから美味しい」のか「甘くなくても美味しい」のか
「甘くないけど美味しい」のか。
いずれにしても“甘さ”が否定されているようです。
ならば、果物に期待される糖度の高さは何なのでしょう。
リポーターが同じ口で
「あっま〜〜い❤️」
と叫ぶのはなぜ???

確かに、甘味料で誤魔化したようなタイの菓子に比べて
日本のお菓子は良心的な味です。
洗練されている、と感じます。

甘味料を使えば簡単に甘くできてしまうお菓子を、敢えてそうしない。
自然のままなら酸っぱい果物を、品種改良で糖度追求をしていく。
そこに美味しさのポイントが有るなら
日本人って、つくづく努力とか究道が好きな人達だわ。

そういう小さな努力を重ねて、技術力を高めていくのが日本人なのでしょう。

さて、問題の蜜柑ですが「酸っぱくて美味しい」
うちの家族には大変評判が良かったようです。🤭

「あるがままのキミが好き」
進歩がないんだよなぁと思いつつも、そんなタイ人も、私は結構好きです。


本日もお読みいただきましてありがとうございました。

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