強くてニューゲーム。

1000文字/6分
著者:ハナガサペノコ

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天と地の狭間で揺れ動く。
不思議な無形多面体が近づいてきた。

言の葉が紡げない。
続く言葉にならず呂律は御せないが何故か直接、脳で理解はできた。

＊おめでとう＊
自殺者にして
＊捨て去った能無しどもよ＊

........。

「キミに起こった「なにかが」ソレが突然、全て没収され身ぐるみも剥がされた理由は理解できるかな？」


「望んだ行為の代償だ、
　　　　多いに喜びたまえ。」
「そう。何もかもだ。
　　　　理由や御託を並べるな。」

脳が揺れ始める。
声にはならない意識の騒めき。

「ただ受け入れて見てくれ。
　　　希望が叶う。これはゲームだ訓練所。」

「唯一、
　　キミに与えられた特典だ、
　　　　　　　　　確認したまえ。」

反論したい気力が無為に奪われていく。負の感情に眩暈にも似た腹立たしさがあったが多面体ウィザードリィは先へ駒を進める。

「性別の違いは許可しよう。」
「MENSはチカラに+1で。
　　　womanは体力に+1だ。」

一瞬戸惑ったが、
　　鈍い痛みが下腹部で直結される。

「崩御時に於ける年齢は、
　　今のレベルに据え置ける。」
「それを現在の能力ステータス
　　　　　　　　とする。」

名前すら覚えていない。
いや、感情すら消し飛ばす濁流。
脳が揺れる、

＊それくらい理解できるだろう＊

何かが模造る姿勢で蠢うごめく。
捨てられた模倣品？
打ち捨てられた能無し？
いや。
自分なのか？

「数値は出ない。
　　　おおよそで判別したまえ。」

*怠惰な生活を歩んだか*
*切り落とし完全主義者だったか*
*キミがよく知っているはずだ*

萎ろな色彩、球面がさんざウキウキめく。

「まあ、有り体に訳せば自己欲求カンダタという強者に憧れた能無しに垂れ下がる一粒の種蜘蛛の糸だ。」

そういうと多面体の同心円に似た周期がくすりと揺れ涼感なく下卑た笑いを形作る。

どうやら生き返る代償行為？
垂れ下がる蜘蛛の糸？
希望がある...か？
それなら、

「職業選択ハローワークの自由など存在しない。」

＊察せよ＊

そういうとさらに多面体だった・・・・・・同心円が歪みきった表情を形創り、吐き捨てて消えた。

刹那、

弾ける感覚。
上下線の位置情報すら掴めない。

ただ、
個人では、いや。いや。いやぁ、

同じ共有者よわむしが折り重なり積み重ね折り返し折り重なり、

折り重なり折り重なり折り重なり折り重なり折り重なり折り重なり、

意識はここで瞬電する。
記憶はもうない。

夥しく打ち捨てられた集団自殺者が。大きく形をなし別の形を成す。

いつか来るであろう、
1人の成功者となるまで。

立方多面体強くてニューゲームは取り込み続ける。

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著者:
ハナガサペノコ。

だから、
そのままスタートしろ言っただろう？

弱者は強者になるってさ。