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海洋探索ADV「Subnautica」と「BelowZero」

長めの早期アクセス期間と「オープンワールドでクラフトするゲームなのにマルチ無いのかよ」の声を一貫して無視することで完成したこのシリーズ。続編にあたるBelowZeroが発売されたことで「どっちがいい?」「新作だけでも面白い?」といった質問を複数受けたので、その辺を含めて書いておこうと思います。
※ゲームの基本難易度である「サバイバル」を前提とします。

結論

まずは結論から書けって学校で習いました。

◆「Subnautica」からやるべき人
・オープンワールドADVのプレイ経験がある
・手探りの探索が楽しい
・広大な海を一人で泳ぎ回りたい

◆「BelowZero」からやってもいい人
・オープンワールドADVに不慣れ(未経験)
・ある程度探索にもガイドが欲しい
・人との触れ合い、会話も欲しい

◆シリーズをプレイするべきでない人
・海無理、暗い深海無理
・心臓が弱い
・妊婦

「Subnautica」について

宇宙規模の超大型複合ブラック企業「アルテラ」の社員であるあなた(ライリー)は、ワープゲート建設のため航行している宇宙船「オーロラ号」の乗組員の1人。途中、海洋惑星「4546B」に接近し…惑星から迸るビーム!撃ち抜かれるオーロラ号!脱出ポッド!グワーーーーッ!!!…というところから、物語が始まります。

そう、「物語」が始まります。

「Subnautica」はオープンワールド海洋探索ADVですが、始まりがあり、明確な終わりがあるゲームです。豪快に墜落するのですから、当然目標は「惑星からの脱出」です。その過程で様々な謎と障害に挑みます。
最初から所持しているのはPDA(個人情報端末)で、要するに超高性能SiriがインストールされたiPadです。早々に告げられるのは「周囲をスキャンしました。うーん、生きている同族はあなただけみたいですね」という絶望的な事実です。基本的にゲーム中話しかける相手はおらず、プレイヤーは独り言をつぶやいたり、機械に話しかけるタイプの人ではないので、なんか喋るのはこのPDAと、その辺で見つけた会話ログなどだけです。生存をかけた、孤独な冒険が待っています。

「BelowZero」について

「Subnautica」から1年後だか2年後だか、とにかくそんなに未来ではない未来。「オーロラ号」の悲劇の後の調査研究のため、かの惑星「4546B」で仕事をしていた姉「サム」の死亡通知を、妹で主人公の「ロビン」が受け取ります。しかし超大型複合ブラック企業「アルテラ」の言うことなど信じられない彼女は、自身の高いサバイバル技術と知識を武器に、単身での惑星探索に乗り出します。アルテラに気付かれないよう、小型艇に乗り、惑星に落下していく小隕石の中に紛れ…ぶつかった!破損する船体!不時着します!グワーーーーッ!!!…というところから、物語が始まります。

そう、「物語」が始まります。

中略。前作とは異なり、ロビンは普通に独り言も声に出すし、そもそも姉の身に起きたこと、その真実を突き止めるために来ているので、スタンスが異なります。加えて物心両面でゴリラ(しかもIQ300)と言って差し支えない強靭さを持つ主人公なので、悲壮感といったものとは無縁な冒険が待っています。

「Subnautica」と「BelowZero」の差異

端的に言えば、孤独に海を彷徨う「Subnautica」と、目的を持って海に挑む「BelowZero」となります。また2作は純粋に続きもの、惑星も同じならお話的にも繋がりがあります。なので、特に理由がなければ「Subnautica」がいいと思います。気に入ったら「BelowZero」もどうぞ。
「Subnautica」の方は海がより深く広い上に「マップが一切存在しない」というゲーム性もあって、恐らく難易度の面では「BelowZero」より上だと思います(その代わり「BelowZero」には海とはまた違った環境の「氷上/雪原」といった陸地要素があります)また「BelowZero」はどんどん目的が追加され、比較すると海が狭い上に簡易的とは言えマップが拾えることもあり、素直にガイドに従えば、かなり高速で様々な要素がアンロックされていきます。その辺の遊びやすさを重視するなら「BelowZero」苦労した探索の末についにこれが作れるように!というカタルシスを重視するなら「Subnautica」がよりオススメです。もっとも、不慣れなうちからバカスカ作れるものが増えても混乱する気がするので、そういう意味では「Subnautica」でいい気もしますね。私は両方遊んでいるので「BelowZero」でも「あーはいはい、あれとこれとそれね。とりあえず急ぎ欲しいのはこれだけだな」となりましたが、初見だと全部作ろうとして停滞するかも。
なお日本語音声はありませんが、テキスト量と開発規模の割にローカライズ精度は非常に高く、不自由することはありません。これはシリーズ共通です。はっきりとした物語があるゲームなのもあって、この点はありがたいですね。

プレイガイド

以下はシリーズ共通の簡単なプレイガイドです。向き不向きの判断にでもなればいいかなと思います。wikiとかもあるので、本格的に詰まったり、遊び尽くしたくなったら、頼ってみるのもよいと思います。個人的には海外wikiの方が詳細なのでオススメです。

生活と拠点
プレイヤーを殺す要素は、ざっと抜き出すと以下の通りです。
・肉食魚類など、攻撃的な動物
・空腹/渇き
・窒息
・落下などのダメージ
まぁオープンワールドADVの定番要素です。特に序盤は、避けようと思えば避けられる肉食魚類より、不安定な食生活と装備が貧弱であるための窒息が大きな障害となります。
その辺を回避するために、まずは最低限の装備を整え、食料と水の確保方法を学び、比較的安全な場所に拠点を作り、さらに資源を集めて船を作成し、拠点を拡張して…となります。
この辺りが序盤から結構シビアなので、この手のゲームに不慣れな人には難しい面もあるかと思います。何せ拠点建築の場所選びや構造を考えてあーでもないこーでもないと言っている間にも、容赦なく腹が減り喉が渇き、思いっきり窒息します。そもそも海中の拠点は「通電していないと空気がないので普通に死ぬ」という徹底ぶり。もっとも、死んでも所持品の一部ロスト程度で済むので、素直に死んでリトライするのもよいと思います。
その他、拠点では水槽を作って魚や植物を愛でたり、生活空間を作って気分をアゲることができます。自分だけの海中基地というのは、やっぱりワクワクするものです。どこにいくつ作るかも自由なので、メイン拠点とは別に、探索の足がかりとする前哨基地を作っている時なんかも、テンションが上がります。

位置の把握と探索
先にも書きましたが、このゲームにはミニマップや、勝手にマッピングしてくれるような便利なマップといったものがありません。何もしなくても機能するのは、装備としてコンパスがあるくらいです。初代の「Subnautica」には「墜落したオーロラ号」という巨大なモニュメントがあるのでそれを軸として現在地を把握することはできますが「BelowZero」にはそれすらありません(その分狭いけど)いずれにせよ、上下左右が全部海!という状況で何も考えずに泳ぎ回ると「どこだよここ…拠点は…腹減った…船の電源が………ん、何か聞こえ…ギャアアアア」となります。焦れば焦るほどドツボにはまる。最高ですね。
そこで重要になるのがビーコン。好きな場所に設置し、名前をつけられます。PDAが勝手に設定してくれるものもあります。自分が建てた拠点への道標として必須ですし、不意に見つけた洞窟の入り口、特定の資源を得られる海域、近づいてないけないエリア…といったものを自分で設定していきます。そうして「手詰まりだな…次は…あっちの海域はまだ行ったことがないな、行ってみよう」となっていくわけです。より遠く、より深く、より危険な海へ。

アイテム確保・制作の優先度
食料や飲み水の確保が最優先なのは確かなのですが、そこから先については何はおいても乗り物です。また乗り物も万能ではなく、初期段階では圧壊深度が浅く、さして深くまでは潜れません。これを改善する深度アップグレードモジュールの制作を第一に考えるべきでしょう。そうして探索可能な範囲を広げていきましょう。またプレイヤー自身も深い場所では秒で酸素がなくなる仕様なので、深海での船外活動時にそれを抑える「リブリーザー」も優先的に作成したいものです。
また「新しいレシピを見つけて、不意に特定の素材が必要になる」ということが頻繁にあるので、拠点のストレージはどんどん拡張しておくべきです。中でも「鉛」とにかく「鉛」です。拠点の拡張で大量に必要になる上、各種製造にも結構必要になるのですが、あまり集中して採取するということができず、かつ「色合いの都合で物理的に見つけ辛い」という特徴がある鉱物なのです。他の鉱物より、可能な限り優先して、拠点に余らせておきたい鉱物です。

最後に

個人的には、マップが非常に広く、また陸上要素がほぼなく海洋探索に集中できた前作の方が好みでしたが、新作も勢いを付けて遊びきった程度には楽しかったです。どっちもオススメ。両方買っても一般的なゲームフルプラ1本分程度のお値段ですし、無料配布やら割引もちょいちょいあるので、SF深海探索にロマンを感じる、それなりに心臓が丈夫な人はぜひ遊んでみてください。妊婦の人は産まれてからにしてくださいね。
………理由は、PVを見れば分かると思います。
Subnautica
Subnautica:Below Zero

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