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商船三井が3万2000トン型のクルーズ船を購入。米シーボンクルーズから

 商船三井は3月17日、米シーボンクルーズから3万2000トン型クルーズ船「シーボーン・オデッセイ(Seabourn Odyssey)」を購入し、同日引き渡しを受けたと発表しました。2024年末を目途に商船三井客船が日本を中心とした海域でサービスの提供を開始します。商船三井グループが100%保有し運航を行う予定です。

 購入から約1年半は現船主のシーボンクルーズがサービスを継続しますが、その後、日本で就航するため必要な改装を実施し、本格的にデビューします。これにより商船三井が保有する客船は既存の「にっぽん丸」(2万2472総トン、旅客定員524人)と合わせて2隻体制となります。
 商船三井客船で提供するクルーズ船を2隻にすることにより、日本各地の発着を大幅に増やし沢山のお客様の乗船機会を創出し、季節感溢れる多種多様な企画で「日本で楽しむ旬の船旅」を提供することが可能となります。

 「シーボーン・オデッセイ」は2009年6月に竣工したベランダ付きのスイートクラスキャビンを基本とするラグジュアリークラスのクルーズ船です。建造ヤードはイタリアの伊Tマリオッティ。乗客定員458、客室数225室、全長198.19メートル、現在の船籍はバハマとなっています。

 サービス提供開始後は、日本を中心とした海域での運航を想定しつつ、世界一周を含む中長期のクルーズも継続的に展開していく方針です。
 商船三井は、ベランダ付きのゆったりとした客室はもちろんのこと、複数のダイニングや広いデッキ、ボートなどを収容できる格納式マリーナといった、船内設備の特徴や船型を考慮したプランを提供していくとしています。
販売商品、価格、船名については、2023年の夏までに商船三井客船が発表する予定です。

 商船三井グループは、クルーズ事業を新たな成長分野と位置付け、2022年11月に3万5000総トン級(定員600人)のクルーズ船2隻を新造すると発表しました。商船三井は新造船で「新たなコンセプトに基づく国際的で高品位なサービスの展開」を目指しており、それを先行して実現するために「シーボーン・オデッセイ」を調達したとのことです。

 新造クルーズ船に関しては2027年の第1船就航を目指して造船所と交渉が進められており、2023年度中には決まる見込みです。
 主機はGHG(温室効果ガス)の大幅な削減に向けた方針を示していることから、LNG(液化天然ガス)など新しい燃料を使用できるタイプのものを搭載すると思われます。船価は1隻当たり500億円程度と見られます。
 新造船に関しては乗りものニュースに詳しい記事を書きましたので、ぜひそちらもよろしくお願いします。


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