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メリークリスマス、自動ドア

こんばんは。
マトリョーシカ・マトリョーシカ・マトリョーシカです。みんなからはよくマトシカって呼ばれています。失礼だよね。人の名前を略すなんて。
でもさ、自分でも自分の名前(マトリョーシカ・マトリョーシカ・マトリョーシカ)を書くときには、めんどくさいな〜って思っちゃうから(特にテストの始まりに自分の名前を書いてるときなんて、三つ目のマトリョーシカのマ辺りでこれ時間ロスにつながってんじゃん!もうみんな問①にいってんじゃん!おい、先生!とかなんやら思って腹立っちゃうよね)、みんながぼくの名前を略して呼ぶことは許してあげてる。でも、あいつとかあの子とか何人かは、ぼくの名前(マトリョーシカ・マトリョーシカ・マトリョーシカ)を略さずにいつもちゃんと、へい!マトリョーシカ・マトリョーシカ・マトリョーシカ!とか、お〜い!マトリョーシカ・マトリョーシカ・マトリョーシカ!って呼んでくれているってことはここでちゃんと言っておかなくちゃならない。まあでも彼ら(あいつとかあの子とか)はそんなことには気がついていないかもしれないけどさ。さて、なんの話をしようとしたのだっけ。

そうそう、僕の名前のこと(マトリョーシカ・マトリョーシカ・マトリョーシカのこと)はどうでもよくて(よくないけど)、今日は最近書き残した日記をここにものこしてやろうと思ってこのnoteを書き始めました。いやさもちろん、日記って本来他人に見せびらかすものじゃないだろぉって叫ぶ人たちの声もよくわかるんだけど、だれかが言ってたようにぼくたちは結局のところ人の頭のなかに生きないと生きてるってことにはならないらしいんだ。


2023年12月
鴉と鴎と鴨がじゃんけんしてた日

ぼくは自動ドアにぶつかった。
スーパーの出口の自動ドア。
ぼくは隣の(背の低い)子とのお喋りに夢中だった。
前を見てなかった。
後ろも見てなかったけど。
自動ドアは止まった。
動かないまま。
しーん。
頭が混乱した。
だってこんなこと初めてだったし(たぶん)。
店長さんの顔を想像した。
店員さんの顔を想像した。
店員さんを呼ぼうと隣の(背の低い)子と決めた。
店内に戻ってふたりで十秒くらい見回した。
でも、すぐには店員さんが見つからなかった。
どうしようどうしようとふたりで笑った。
ふと、自動ドアに目をやった。
しっかり閉まったり、開いたりしている。
なんだよ。
いや、なんだよ。
なんだかぼくらをからかっているようだった。
忘れていた、自動ドアはしっかり者だった。
安心した。
だからもし自動ドアにどんとぶつかってパニックになっているだれかがいたらぼくを呼んでください。
すぐさま駆けつけるから。そしてこう言うから。

「落ち着いて、大丈夫だから。きみは自動ドアにからかわれているだけだから。ぬははは」


追記
この出来事を忘れ去った頃、ぼくは再び自動ドアにぶつかる、と思う。



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