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アルパカの逆走

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#日記

8月は長かった

「私は3が好き」 8月最後の蝉の鳴き声を静かに聴いていると相変わらずいまさっきまであった過…

吉田猿滑
1か月前
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磯鵯のスヌーズ

「いかんですなぁ」 「愉快ですなぁ」 「やれやれ」 資本主義にまみれた街の中でこの三種の言…

吉田猿滑
6か月前
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【無職エッセイ】寝坊した鶏

平日正午に結露した窓を越えてくる陽光の美しさは何故か無職者を孤独に陥らせます。 これは光…

吉田猿滑
7か月前
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足ぶつけ舌打乱打炬燵かな

青年が寒鴉の声を聴いている ボウリングピンのようにぷかぷか鴨 濡れ落ち葉不動産屋のスーツ…

吉田猿滑
10か月前

フリーター歳時記覗く夜長かな

夏終るほろよい五缶飲む友や 珈琲の粉がふくらむ秋日和 子が言った親孝行は生きること 死は…

吉田猿滑
1年前

木犀や 1+1= 1でいい

2023/10/19(木) 大阪の天王寺動物園からチンパンジーが脱走したというニュースを昨日テレビ…

吉田猿滑
1年前

雷と鼠のフットボール

硝子戸の外に白い彼岸花を見かけなくなったころ、行き詰まった神様の肌のように色褪せた畳の上に、湖に浮かぶ海月のように寝転がっていた僕はふと、さっきまで読んでいた小説に見かけた「雷」という漢字のことを思った。 「蹴りたい」 しかし部屋の隅に飾られた紙のカレンダーが底のないゴミ箱の世界に着々と積み上がっていくたびに、真面目に走らない電車のように役に立たない非効率な願い、つまり「雷を蹴りたい」という願いが叶うということは、宇宙の地平線を流れる水滴のように澄み切った秋の夜に、どこか

愉快な一角獣と珈琲の湯気

「青空に線を引く〜、ひこうきくもの白さは〜……、ねえ、このつづき知ってる?」 「あたりま…

吉田猿滑
1年前
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