そのつど払いにしますか?まとめて後払いにしますか?
僕たちのお店では、来てくれた人たちに「そのつど払いにしますか?まとめて後払いにしますか?」と聞いている。どうしてそうなったのか、そこにはいくつか理由がある。
最初はオペレーション上の理由から始まった
ペンギン酒店の開店初日。夫婦ふたり、その日が初出勤のアルバイトスタッフひとりで営業したら、あまりにいそがしすぎて「伝票のつけ忘れ」が多発。
さすがにまずいと思い、翌日から採用したのが「そのつど払い」つまりキャッシュオンシステム。伝票をつける手間をはぶいて、その場で商品と代金を交換するという方法。これならもらい忘れることはない。
キャッシュオンという言葉は使わずに、なるべくわかりやすく説明しようとして
・学食みたいに先払いです(いけると思ったけどあんまり伝わらなかった)
・HUB(ハブ=都会にあるアイリッシュパブ)って知ってますか?ああいう感じです(鹿児島にはHUBがない...)
・マックやスタバみたいにカウンターで選んでその場支払いです(これが一番マシだった)
など試していた。2年やってて、最近ではお客さんのほうから「そのつど払いでしたよね?」と聞いてもらえるように。
ただやっているうちに「そのつど払い」だとめんどくさい場面もいろいろと出てきた。スタッフも増えて、伝票をつける余裕も生まれて来た。だから今は「そのつど払い」と「まとめて後払い」を選べるようにしている。
そのつど払いのメリット、デメリット
そのつど払いのメリットとデメリットをいくつかあげてみると
【そのつど払いのメリット】
・お金のもらい忘れがない(お店側)
・完全にワリカンが出来る(お客側)
→自分が注文したらその場で支払うので、たくさん飲む人もあまり飲まない人も自分の分だけ払っている状態が作れる。気を遣わなくていい。
→現金支払いはもちろん、QRコード決済やタッチ決済とは相性がいい。
【そのつど払いのデメリット】
・トータルいくら使ったかが分かりづらい。
・結局領収書を書く時に困る。
・お金のやりとりの回数が増えるので、忙しい時間帯がキツい。
→特にクレジットカードは相性が悪い。めんどくさい。
まとめて後払いのメリット、デメリット
続いてまとめて後払い。基本的には飲食店はこのスタイルなのでわざわざ言うまでもないかもしれない。と思いながらも敢えてメリットとデメリットをあげてみると、
【まとめて後払いのメリット】
・トータルいくら使ったかが分かる。
・領収書もすぐ書ける。
・お金のやりとりが一回だけでいい。
→クレジットカードとの相性はいい。
【まとめて後払いのデメリット】
・伝票のつけ忘れが発生する(お店側)
・ワリカン負けする人が損した気分になったりする(お客側)
一番大切なポイントは?
「そのつど払い」と「まとめて後払い」を選べるようにしている。と書いたが、ただ両方選べるということが大切なわけじゃない。一番大切なポイントは、
『どちらを選ぶのが、目の前にいるお客さんにとってよりよいのか』
ということをぼくらお店側が理解して、お客さんに説明して、誘導するということだ。
「そのつど払いもまとめて後払いも選べるけどどうしますか?」
と単に聞くだけではダメで、
「ご家族でしたら、まとめて後払いの方がいいですよね」
「お酒たくさん飲む人と、あまり飲まない人がいるならそのつど払いのほうがおたがい楽ですよ」
など
「どちらも選べますが、このシチュエーションならこっちがいいと思う」
と提案する。そうすることでお客さんたちにもそれぞれ気持ちよく過ごしてもらえる可能性が高くなるし、お会計の方法を選ばせるお店なんてあんまりないからお客さんの印象にも残るかもしれない(本音が出てます)。
本題からは外れるけど、ペンギン酒店には『飲み放題』というシステムがない。これまた理由はいろいろあるけれど、一番の理由は本当に飲みたいお酒を飲みたい量だけ飲んでほしいから。せっかく飲みに来てるんだから一杯一杯を自分のために選んで、大切に飲んでもらえたらうれしいと思っている。飲み放題にするとどうしても「元をとらなきゃ」ってなっちゃうし。お店側も、美味しいお酒だけど原価が合わないから仕入れられないなってなっちゃうし。
まあそんなこんなで、お酒や料理以外のことでも「このほうが気持ちよくすごせるんじゃないかな」っていうこと、あと「他でやってないからお客さんの印象に残るんじゃないかな」っていうことはどんどんやっていこうと思って日々過ごしている。
あ、自己紹介を忘れていました。ぼくたちは鹿児島市の騎射場で居酒屋『ペンギン酒店』を夫婦でやっています。ちなみにペンギン酒店は、こんなお店です。
お近くに来られた際はぜひ一杯だけでも飲みにいらしてくださいね。待ってまーす♪
子育てしてる大人たちが心からリフレッシュできる飲食店を作っていきたいと思っています。応援してくれたらとってもうれしいです。