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どうなる?2024年度調剤報酬改定〜ぺんぎん薬剤師が中医協 調剤(その1)をとことん読んでみた。

割引あり

実質はじめてのnoteになります。
今回は「中央社会保険医療協議会 総会(第550回)議事次第 令和5年7月26日(水)」で示されている「調剤(その1)の資料を自分なりの解釈で解説してみました。

元となる中医協のスライドが123ページあるので、かなり長くなっています(18000文字超えてます💦)。
また、診療報酬改定についての独自の見解を含む内容になっているので、有料での公開とさせていただきました。

セミナー等の機会があればこんな話をするだろうなあという内容です。
一緒に資料を読み込んでもらい、次回改定について考えてみるきっかけにしていただければ幸いです。
なお、ぺんぎん薬剤師は基本、診療報酬改定については前向きに受け取る傾向があるので、その点についてもご了承いただければと思います。

下手なセミナーにお金を払うのであれば、かなりお得な値段になってると思うので、是非、購入して読んでいただければ嬉しいです。


令和6年度診療報酬改定に向けてのトピックス

中医協(中央社会保険医療協議会)では次期診療報酬改定(令和6年度診療報酬改定)に向けての議論が開始されています。

中央社会保険医療協議会 総会(第536回)資料より

上の図を見ればわかるように、現在、(その1)シリーズが終了し、(その2)以降のシリーズが開始されるところです。

令和6年度診療報酬改定は非常に重要な改定と言われています。
まず、医療・介護サービスを考える上での最重要課題とされてきた「ポスト2025年」に向けた最後の改定となること。
次に、診療報酬改定と合わせて介護報酬改定、障害福祉サービス等報酬改定も同時に行われる6年に一度の同時改定であること。
また、2024年度は第8次医療計画が開始されるタイミングでもあるので、医療計画と合わせる形で医療・介護・障害福祉についての見直しを行うことが可能となります。
さらに、中医協の議論の中で決定したことではありますが、診療報酬改定の実施が6月となる初めての改定でもあります。
そのほか、2024年4月から医師の働き方改革が開始されること、新型コロナウイルス感染症が5類に移行されてから初めての改定でもあります。

診療報酬改定は6月に実施される

令和6年度診療報酬改定は6月に行われる予定です。
これは全体的に後ろ倒しするというわけではなく、中医協答申(短冊公開)は2月上旬、関係告示等は従来通り3月に行われるけど、実際の改定時期のみ、4月から6月に後ろ倒しにするということです。
薬価改定は従来通り4月1日に実施されます。

中央社会保険医療協議会 総会(第551回)資料より

これはレセコンメーカーのソフトウェア改修や各薬局・医療機関のソフトウェアアップデート等の対応による負担を軽減するためのものとされていますが、令和4年度改定の疑義解釈(その1)が公開されたタイミング(令和4年3月31日深夜)を考えると、厚生労働省側の負担軽減の意味も大きいと思います。
実際に上の図では4月以降に疑義解釈が公開される形になっています。
経過措置に関してはこれまでと変わらず9月末までになっていますね。(診療報酬改定の内容自体はこれまで通り3月に公開されているわけですから、準備期間は伸ばす必要はないということですね)

実際にこの流れで改定が行われた場合の薬局業務をイメージしてみると・・・。
4月に薬価改定が実施(残念ながら従来通り薬価は引き下げでしょう)され、4月1日から患者さんの窓口負担は軽減されます。
その後、6月1日から調剤報酬改定が実施。
プラス改定であれば一度安くなった窓口負担が再び増加する形になります。
改定の内容にもよりますが、患者さんへの説明に注意が必要ですね・・・。

「令和6年度は医療費の見直しが4月と6月の2回行われます。
4月以降と6月以降で窓口での支払い金額が一部変更になります。」
みたいなポスター作らないと・・・。

個人的に気になるポイント

薬局(調剤)においては、前回改定で実施された、対物業務と対人業務の見直し、リフィル処方の開始、服薬フォローの評価などの大きな変更がどのように評価されるかが気になります。
また、医薬品供給不安定に対する取り組み、新型コロナウイルス感染症に対する取り組みがどのように評価され、来年度以降の診療報酬に組み込まれるかどうかも気になるところです。

診療報酬に関する議論はテーマごとに分けて進められていきます。
調剤報酬に関する議論の中心は「調剤」というタイトルで行われますが、例えばリフィル処方については「外来について」、電子処方箋やマイナポータルとお薬手帳の関わりについては「医療DXについて」の中で議論されます。
今回はあくまでも「調剤(その1)」の内容についてまとめますので、その他の部分については機会があれば触れたいと思っています。(ご了承ください)

薬局、薬剤師を取り巻く状況

それでは、実際に資料を見ていきましょう。
令和5年7月26日(水)に開催された中央社会保険医療協議会 総会(第550回)で公開された調剤について(その1)(総ー3)です。

資料は大きく以下の3つに分かれています。

  1. 薬局、薬剤師を取り巻く状況

  2. 調剤医療費

  3. 調剤に係る診療報酬上の評価

まずは「1、薬局、薬剤師を取り巻く状況」からです。
この部分は現状の薬局・薬剤師について整理したものです。

薬局や薬剤師に関するデータ

序盤は薬局・薬剤師の現状を示す数値データが続きます。
知っておくべきことなのはもちろんですが、個人的に何かに使えそうなデータなので貼っておきます。

まずは薬局数の推移です。
個人・法人・チェーンの割合も示されています。

中央社会保険医療協議会 総会(第550回)資料より

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