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ミュージカル『Phantom』を見ての謎感想

注意

このnoteは2回目のギュリックを経ての謎い感想文です。下記、ご留意ください。

1.普段はぎゅかわいいとしか言えない語彙力ゼロ人間です。情緒も口調もあやふやです。
2.オペラ座の怪人の素養も、ましてやミュージカルの知識もない素人です。故に、解釈等はあくまで主観になります。
3.古典かつ、配信2回終わったあとなのでネタバレだらけです。
4.短く簡潔にしようとする気持ちはないです。垂れ流してます。

以上、前置きという名の言い訳でした。基本的にミュージカルの流れに沿って書いていきます。
では、感想になります!



最初の感想

まず思ったのは、セットがすごい。オペラ座っていう歴史の重みがある場所なだけあって重厚感のある作りこみが映像越しでおおおおってなった。そしてからの、キュヒョンさんのお声よ!もうえ?ファンミーティング等々でかわいいかわいい思ってた人と同じですかって。バラエティでなかなかにダサい姿晒して、更に愛を勝ち取ってきたあの人ですかって。え?歴戦のミュージカル俳優の風格過ぎて、正月に久しぶりに会った親せきの子どもの変貌っぷり並みに驚いてしまいました。声、いい。

パリの街並みとダーエの転機の場面

やっぱり、セットがすごい。映像だからか余計に奥行きを感じられたし、これきっと客席からは詳細には見えないだろうに、美術面での説得力がすごいなって思った。のちのちでも出てくるけど、階段の使い方が上手いのなんのって。高低差のないセットだと物語の演出の幅も違ってくるだろうし、それを照明を使って違和感なく使用している印象?もはや、映画。あと衣装もどれもよかった。パリとかオペラ座に住む人たちの生活を感じられるというか、そこにいる人たちなんだなーって思わせてくれる感じでした

ダーエ(クリスティーヌって長いからダーエでいきます)、かわいいっていうのが第一印象。なんだろう、愛される存在ってこういう人なんだろうなって感じたし、そりゃ伯爵も引き寄せられるわけだ
からの、歌が上手い上手い。素人が偉そうにって感じだけど、笑顔で歌って踊ってる姿に違和感がないというか、華があるし輝いてるけど、ナチュラルにこなしてる感じ?伝わる?大丈夫そ??

んでもって、伯爵登場。ここでさ、もうエリックとの違いが出てるよね。初っ端から音楽と美を愛する者って、すんごい人たらしな様子だし、好意を隠そうとしない部分がファントムとちゃうわ。キャラクターの背景を知らないがゆえの仮定だけど、人に愛されるし、自分の愛を拒絶されることはなかった人生だったように思える。絶対的な自信。

カルロッタ登場からのギュリックね‼‼

ファントム、迫力がすごいったらありゃしない。闇を纏ってたし、爵位を感じられる風格があった。育った環境があれなのにこのオーラって、普通の環境で過ごしていたらどんな人になってたんだろう。
あと、歌詞ね。ここのオープニング・ナンバーの目的としては、パリという同じ町にいても、ダーエとファントムの生きている環境は違い過ぎることを表しているのかなって思っていて。ダーエは明るさとか自然とか愛を歌っているけど、ファントムにとっては闇の中の監獄でしかないっていう対比!ここからしてももう2人の感覚とか価値観は同じではないのが分かる。そりゃファントムに比べて、伯爵の方に近さを感じるわけだわー、

演技とかですごいなって思ったのが、仮面をつけてるときは毅然とした態度なのに、仮面をとって姿見られてから動揺してる辺り!自分的解釈なのだけど、仮面は醜い顔だけじゃなくて不完全な自分を覆い隠してくれる存在で、被ることでファントムという謎に包まれたある種無欠の存在になれていたのかなって思った。だからこそ、その仮面の下を見たものはその完璧さを脅かす存在であり、許されない。ていう考察が出来るくらい演技がすごい。一回、「違うんだ」って言う風に衣装係に近づくとこからの、化け物がいるって言葉に反応して無情に切り捨てるところが特に!エリックとファントムの二面性を勝手に覚えました、わたし。にしても、かっこいい。脚本の作り方的にファントムの弱さが見える部分が多いからこそ、このかっこいいときの破壊力ったらない。たまんねえ。(ここまでまだオープニングなのにこんな書いてて草)

新シーズンを迎えるオペラ座にて

ここで思ったのがバレリーナの衣装可愛すぎな?スカートのレイヤードの仕方が天才過ぎる。そして、ここでご両親のパドドゥ入れるの狡いわ。これ、確実に複数回見ている人へのご褒美だよね。キャリエールの切なそうな顔よ🥲

そして、解雇の話からファントムのことを話している辺りで感じたのは、確実にキャリエールに対して支配人・カルロッタ両人が悪人ていう図式を作り上げているってことで、この前提があるからこそ、後半のキャリエールの過去話がよりびっくりしたものになる気がした。
あと、ファントムについての説明の仕方が、真相を知ってから見ると切なすぎるんよ。幽霊だのなんだの、もちろんこれが彼の生活を守る目的のもとだったとは言え、実の息子をそういう風に言ってしまうのが惨いと思った。エリックにも聞こえているはずだし、この嘘の塗り重ねがファントムの闇を深くしている要因だよね。ほんと、お父さん。

ファントムとキャリエールの会話

このファントムの声、よかった。高貴さがあるのに、顔を見られたってとこのうろたえ方!あと、「どうしようもなかった」って発言に、ファントムの命の価値観というか倫理観が出ていた。キャリエールは目を逸らしていたりして怯えていて、それがまたエリックにとっては切ない部分でもあるのかなー。言い忘れていたけど、単純に声がいい。カルロッタの歌に対しての嫌がり方から思ったのは、音楽は自分が作り出せる唯一の美しいものであり、地上と墓地の両方において普遍の輝きのあるものだからこそ、それが奪われることは耐えられないことなのだなって感じました。

あと、カルロッタの歌を聴いて「我慢できない、連れてってくれ」っていう縋り付き方が、小さい子供が親にねだる様子と同じ過ぎて「はわわわ」ってなったし、「できないっていうことは知っているじゃないか」っていう父の返答を受けての、「ああいつまでもファントムという仮面を強いられなきゃいけないんだ」っていうような自暴自棄感が涙腺殴ってきた。
からのお歌。神に救いを求める辺りにかつての母を、自分を癒してくれる存在を求めている辺りに父親を感じられて、だからこそのキャリエールのあの表情だったんだろうか。これ、エリックは父の嘘を知ったうえで歌っているとしたら少し当てつけもあるのかね、。
ぴえんだね。

カルロッタの見せ場のシーン

ここから思うのが、カルロッタは計画を実行できた力のある人っていうことでした。
前のシーンでファントムは「まだ見ぬ君を待ちわびている、それこそが自分の計画」的なことを歌っていて、同じくダーエも「ここから自分の夢を実現させることが計画よ」ってこの後歌っているけど、この2人に対してカルロッタは、手段の綺麗さは抜きにして自分の人生を生きようと頑張っていて成功した人って感じ?その対比を表しているのが、ダーエの衣装には一切ビーズがないのに対して、カルロッタの衣装はゴテゴテで、これが計画を成功させた人とそうじゃない人の違いに思えた。結構、自分の中では憎めない存在でした。って、こんなに長い感想抱くことが出来るのって、それだけ違和感なく俳優さんたちが演じているからこそだし、本当に尊敬。

ダーエとファントムの出会いのシーン

シャンデリアの言及。彼女にとってシャンデリア=美しいパリの原体験であって、この言及が後でピリッと効いてくるんですよ。奥さん。
ここでさ、バレリーナ越しのカットあったと思うんですけど、これ映像化の利点を活かした伏線の張り方で、こういう仕掛け大好き芸人大歓喜でした。あと、マネージャー(?)の「(衣装は)全ての人と同じように尊いものだから」ってセリフ、ファントムの登場シーンの前に差し込むには中々パワーワードだよね、好き。

そしてダーエの歌、上手い。何回言うんだってね。上手いんだもん、しょうがないじゃん。夢見た場所にこられた嬉しさが伝わってきて、ここまでは「ダーエ、いいヒロイン」って思っていたよ、われ。あと、この内容から音楽のある場所が生きる場所としているという、ファントムとの唯一とも言える共通点が明かされていて、だからこそファントムは余計に彼女に共感を覚えたのかもしれんなー。

からのー、ファントム登場‼この出方、本当にファントム様。軽率に惚れるやつ。いっぱいかっこいい。歓喜に震えている感じが歌声から伝わってきて、推し最高。「完璧だ」っていう歌詞があったと思うんだけど、これも一個のキーワードだよね。「完璧」であることが絶対の美の形であると信じている考え方がファントムにはあるように思えて、これは自分が不完全だという思い込みの反動のように見えるのじゃ。完璧主義な彼にとってダーエとの出会いは本当に奇跡だったのかなって!なおかつ、この「完璧」の完成形は、母との穏やかな幼少期の幸せの最高潮の瞬間であると仮定すると、この出会いの時点でダーエを母と同じ道に進ませたいという願望が透けて見える、私には見えた!!
あと、この時のダーエの影を仰ぎ見ているカット、めちゃ好き。んでもって、歌のクライマックスにダーエ・ファントムがマントを広げるのも、純白を纏っていた母を投影している&文字通り天使の姿をダーエに見たと思うと、まじファントム切ない。あと、じゃんって一緒にポーズ取ろうと合わせてるファントム、かわいいな。たくさん報われてほしい。(願望)

からの2人の会話ね。会話って書いたけど、実はここでダーエは一言も喋っていないの、やばくないですか?一見すると、二人の心が通じ合い始めた瞬間のようでありながら、一方的にファントム(エリック)が語っているだけっていう。最初から一方通行だったのかーって。
あと、隠れた才能を見つけ出してそれを更に伸ばそうって提案しているとこ、伯爵とキャリエールと同じなんですよ。何が言いたいかって、本質的な関係性としては、三人とも(なんなら支配人夫婦も)変わらない、支援する男性と才能を披露する女性って構図なのに、ファントムだけがその愛を受け取って貰えなかったの本当に不憫すぎる。
とは言いつつ、このタイミングで、見つめあって素直におしゃべりしていたら、結果も変わっていたかもしれないと思うと、自業自得感もあるわけで。うん。この語り掛け、キュヒョンさんの声だけでほぼ流れが作られているの上手すぎて馬に、、(このネタ伝わらないか、やめよ。)この時の恐る恐るだけど威厳を保とうとしていて、声だけでこの感情の伝えるの、推しが本当にすごすぎて戸惑っている。

進む舞台と二人のレッスン

舞台の構成の話をすると、公演をいくつも行う様子を描いているのが、時間経過を表す方法として秀逸だなって素人目線で思いましまし。あと、ちゃんとカルロッタが主役になってから衣装がダサいのが陰ながら「おお」ってなった。ファントムの嫌がらせ、大々的じゃないけど精神的に来るものばっかりで本人の性格でてるなって思た。

そして、二人のレッスンシーンっすよ。問題は(?) ここでも、基本的に会話はないんです。やっぱり、音楽の中でしか心を交わすことのできない二人なんですかね。ただ、最初のレッスンでは一方的に見つめるのに精一杯だったファントムが、次のレッスンでは姿勢直すために体に触れて、3回目には見つめあうまでに至っているの、ファントム(エリック)が人との接し方を学んでいる様子が伺えて、私の中のお母さん心がガッツポーズしてた。だけど、あくまでレッスンしかしていないの、まじファントムだなって。そういうとこやぞ?

そして、故衣装係が発見されるわけだけど、これ切った後わざわざ首に縄かけているよね?これも、自分の中の悲惨な死の完成形を求めての行動だとしたら、ファントムの道徳心の欠如が感じらるし、サイコパスの香りぷんぷんしているます。

最後のレッスンのシーン、ここ好きだったな。ようやく目を見て会話ができるようになったファントムニム。ただ、まだ愛を伝えることはできないんですわ。ここに限っては無欠のファントムじゃなくて、エリックの表情な気がしており、戸惑うさまに心がウヒョアヒョした。あー、歌っているダーエを見る表情よ、何あの切ない顔。
いいなって思ったのが、声を聴いてからダーエを見てしまう部分があって、惹かれる気持ちを隠そうとするけど、あなた出来てませんよ?って。がん見してますよって。キュヒョンさん、「自分は歌だけで、演技力はそんなに」言うてたの、まるっきり嘘やんけ。や、歌もすごいんだけどね。
そして、結局歌を通して会話する二人よ。ファントムのガラス触るみたいな手つき、女性は壊れやすいものってトラウマと端に初めての経験への怯えが見えて、すごい彼の本質が見えるシーンだったなと思いました。
この時のダーエが抱いていた気持ちは、何だったんだろう。恋心ではないような気もするし。初めてここで彼女にもやっとした。

レストランのシーン

ダーエの衣装って、やっぱりファントムが用意したのかね。なにそれ、切ない。
このシーンでいつの間にかファントムが入場してるけど、目を凝らしてみてるとカルロッタが歌ってる途中なんですね。丸っきり聞く気なくて笑う。しかも、カルロッタのサビの汚い高音で若干耳塞いでて、実にㄱㅇㅇだった。

あと、ここで上手すぎ案件だったのが、ファントムの座っている位置。他にもバルコニーはあるのに、同じ高さに人がいないんですよ。つまりね、外の世界に出てきてもなお、社会とは隔たりがあって、同じ目線でパリの街並みを眺めている人はいないってことが言いたくてですね。その反対に伯爵はゲストを出迎えてダーエをエスコートしとるんです、うっわ。何なら、今までのシーンで(殺された衣装係以外)同じ高さで会話していたのが父とダーエのみっていうね、うっわうっわ。もちろん演出上、ファントムを目立たせたい意図もあったかもですが、この解釈もありじゃない?

からのダーエの歌ではちょっと前のめりになってるよ、ファントム。くぁわいいね。指揮してるよ、自分も一緒に奏でているつもりなのかな。むりぽだね。
んで、ダーエの超高音を受けて、パッパがはっとしているのもズルい。ここでエリックの関与にも気づいていたのかなー。あと、伯爵がダーエのエスコートしているのに対して顔背けているように見えたんですけど、これは幻覚だったのかもしれん。なにより!歌の途中でみんなが体を左右に揺らしてノリノリになる部分!そこ!一番上にいるファントムさん!一緒に体揺らしていましたよね!見逃しませんよ!さすがに尊すぎです!反則!許されるのならここだけGifにしたい(大願望)。 伯爵とダーエのダンス、またパッパが反応していて辛い。からのファントム氏もしっかり見ていて辛さ倍増。単純にダンスを見ていた可能性も、反応するパッパも見ていた可能性もあるやん。色々な可能性を内包しているファントムの表情、もう一回見たい。あと、ここでちゃっかり支配人がのっちゃてて面白かった。

歌い終わり、ファントムさん「よっし!」って思いながら服直してらっしゃって、その一瞬の感情の表し方が好きです、おいら。そして、契約しようと盛り上がっている中カルロッタが話しかけに行く時、顔を背けていて本当に嫌いだと感じたし、それを台詞ないシーンで伝えてくるのが、この役者の職人技が光っていて推すしかないって思った。あ、もう推してたわ((( あ、ティターニアに決まった時うんうんしてて、そこもかわゆでした。

一方で、伯爵の「レッスンはいらなかったね」って言葉を、そのまま素直に受け取っているダーエさんにまたもやっとしてしまたけどね。んで、パッパ。なに母の存在ばらしてくれとんねん!なに伯爵とダーエのお膳立てしとんねん!って心情だったんだろうなー。思わず立ち上がっているあたり、焦りが見えたし、ちゃんとパッパと2人がいたとこ睨んでた。

伯爵ダーエの夜散歩

このシーン、個人的にダーエもやっとポイント大加算パーティーでした。おいおい、君ちょっと前までファントムさんといい感じじゃなかったっけ?と。なに伯爵にときめいているん?と。そう思わずにはいられませんよね⁉(押し付け) 

ただ、先ほどのファントムと会話してない点を踏まえると、めちゃ会話してんねん、この2人。くだらない冗談交わしてんねん。単にこれで惚れるどうこうじゃなく、価値観・環境が近いからこそ親密度もぐぐっと高まったのかと考えていまして。そりゃ、ファントム不利よな。

ただやっぱり、彼女へのもやっと感は拭えないわけで、彼女の性格について少し考察しようと思います(突然)
一言で言うと、好意を正面から受け取れる人、だと考えました。ファントム・伯爵に関しても、何ならカルロッタに対しても好意っぽいものを差し出されたら素直に頂戴している印象があるんです。
ただ同時に、好意の裏を読もうとしない鈍感さもあって。人間100%無欲な好意なんてないのに、その欲を見てみぬふりしている部分に若干KYさがあると思うんです。みんな心から私に尽くしてくれている!ありがとう!っていう心理があるからこそ、このシーンでも伯爵のアプローチを受け取れるように感じました。Dプリンセスでさえ典型的なラブロマンスとして描かれない現代において、ダーエはあまり歓迎されないタイプなのかも?うーん、難しい!

その後ろにファントム登場‼なにその帽子、それで隠せてるつもり?おっちょこちょいさん?
っていうおちゃらけシーンではないよね。みあね。やあ、ここマジで切ないのなんのって。もうエリックの表情とかは説明とか無理。推しのあんなに悲しみと驚きに包まれた顔見ることが出来て、ファン冥利に尽きまくりでした。あー、思い出して泣ける。ここでさ、今までダーエへの思いがどんな種類のものか分からなかったエリックが、伯爵と並ぶ彼女を見て独占欲を覚えた瞬間だったよね。うわー、うっわー。伯爵と同じ側から登場して、伯爵越しにダーエを見ているのも、本当はそこは自分の場所なのにって思っているのかな。あのハイライトのない目で!ハイライトのない暗い目で!涙!!!つら!
何が辛いって、もし監督と天才歌手の息子としてオペラ歌手2世の道を歩んでいたら、その場所には彼がいた可能性が高いっていうね。もう、泣いていい?泣くわ!
あ、もうここのファントムの歌唱については言葉が出ないです。追いかけることが出来ないのも、ダーエのグラスにしか縋れないのもさ?涙腺壊しに来ているよね。や、ここまで多少声は荒げるだけの彼が、絶望しながら地面に膝つけたんですよ?もう、やばいじゃないですか。なんか「推しすごい」を超えた。こんな人を推していたなんて、自分幸せだと思う。うわー、うっわー。本当は綺麗な言葉で語りたいんだけど、纏まらない。絶句!

ダーエ毒盛られるの巻

(まって、まだ1幕終わってないのか。ファントムに絞って書いているのに長すぎ笑)
まーたファントムさんレッスンしとる。伯爵さんは花もって楽屋に来ているのに。前述のシーンを経て、せめて歌の先生の立場は守らなければいけないと思ったのかしらね。独占欲の方向性が、あくまで献身的なの本当に泣ける。伯爵が来た時の鏡、本当狂おしいほど好き。素人でも、仮面付けての感情の表し方が、いかにすごいかってことは分かるってもんで。あーあー、褒める言葉のレパートリー少ないの本当やだなー!!!

からの、シャンデリア落下!!!これ大げさな対処だけど、大げさだからこそのファントムの優しさが表れていると思いました。単に舞台に出て攫うだけでは彼女の失敗が全面に押し出されたまま人々の記憶に残ってしまう、なので大掛かりな騒動を起こすことで自分が悪役になり彼女の歌手人生を守ろうとしたって、えっも。ただ、この時舞台にいた彼女も危険にさらしている部分に、ファントムの動転具合が垣間見える!あと、ここで思い出したのが、シャンデリア=美しいパリの原体験っていうダーエのシーンね。彼女の大切な父との思い出を傷つけることでしか、彼女を守ることができない。え、やっば。しかも、縄着る時の必死さね?彼なりの優しさを持っていても、どうしても価値観が異なっているの悲しすぎるんよ。
そして、お姫様抱っこしながらの歌唱。急にナムジャを感じてしまい、情緒がいかれ申した。はあ、いい1幕だった。

ダーエを閉じ込めるファントム

この船?の装飾、1幕のレストランのシーンの装飾と似てる。あれが終わってから、手下たちに命じてこれ作らせたとしたら、かわいい。

この冒頭の歌、ダーエへの盲目的な気持ちが全面に出てた子守唄に感じた。また、起きてる瞬間には伝えられない激おも感情、こっそり伝えてるよこの人。えー、エリックに寄った感情むき出しの歌も好きだけど、ファントム感のある毅然とした歌い方も好きで困った!あと、「捨ててはいけない」の歌詞に、両親に捨てられた過去を感じられるし、低い声から優しい中音に移るのが非常に好(はお)。あと、「泣いている子供」って歌詞も彼の本質を捉えていて超好(はお)。っていう自分の思いの告白の歌の最後に「こんな私を見てくれ」って言うの、激好(はお)。ここでいう「私」はきっとエリックのことだし、本当は弱さも込みで見つめて欲しいのに、その勇気が出ない彼の葛藤がみえる。あ、最後のベッドのカーテンをふぁさって掛ける姿が貴族すぎました、心に刺さりすぎたので反省してほしい。

んで、母の形見のショール嗅ぐとこね!琴線に触るどころかかき鳴らしに来てた。これ個人的に似た経験があって、愛犬が死んだ時なんですけど。その子の匂いがついた首輪を触らないでおいてて、たまにその子を思い出したくて嗅いだりしてました。きっと似たような感情だったのかも。ただ、その形見をダーエに渡しているのは、自分にとっての光を見つけたから上書きされても大丈夫と判断したためで、最後に母の匂いを嗅いでいたと感じました。

パッパ登場。ちょうど匂い嗅いでる時に表れてやべってなっていて、人間らしさがあった。このキャリエールとの会話、ファントムとして振舞おうとしつつも弱さがあって、その動揺が振る舞いの乱れとなって表れている演技がすごい好きだった(ここまで一息)。「嫌だ」って言ったのとか、もうエリック君の主張じゃん。
あと、閉じ込めれば安全だっていう考え方がエリック母と同じだと思った。墓地を監獄と称しつつも、平穏は約束されると理解はしているからこそ、ダーエをここに居させたいっていうね。逃げるのも方法の1つだけど、解決には至らない事が多いって知らないのは、両親の影響な気がした。
この一連のやり取り、声のトーンを使い分けて話していたの1人の役者としてすごかったなー!あと、目にハイライトがないのめちゃ好きです(突然の告白)。うーん、そんな息子の姿をみて、パッパは何をおもったんだろう。

そして復讐に向かうファントム。このリプライズよかった。狂気が込められていて、ダークヒーロー的なカッコよさがあった。歌が上手いのは言うまでもなっしん。あくまで、彼女を守ることが行動原理なのもいいよねー。この脚本版のファントム、(浅い知識だけど)もう一つのバージョンに比べて人間らしく書いているらしい。だからこそ、彼の気持ちの流れとか変化をいろんなところから感じられる!しかも、それを昇華する演者さんの技量に圧巻される2日間です。

ダーエ・キャリエールの回想シーン

2人の回想に入る前に一個。え?ダーエさんマエストロ=ファントムって知らなかったんですね!?本当に言葉の裏を疑わない人っすわ。信じたくなかっただけなのか、どうなんだろう。
あと、このパッパの語り方がまるで「息子の存在は他者に迷惑しか与えない、恥である」って思っているみたいで、親の子どもに対する思い込みの怖さを見た。

回想シーン。この描き方おしゃれだったなー。ナレーションだけで回したキャリエール役の方もだし、表情と踊りだけで物語の中核を演じたお二人本当にかっこいい。ちょいっとバレエやってたんですが、足のラインの出方とか手の使い方が、クラシックに寄り過ぎずけど優雅さも感じられた!テイラースウィフトのLoverのライブ映像で同じくバレエダンサーが躍っているのがあるんだけど、それも今回も言葉なしに情景を伝えられるバレエっやっぱりいいなってなった。パドドゥの振りも、リフト・回転技できめるっていうより、魅せるところに技を入れていてかっこいい構成だなってほぼ素人は思ったよ。

ただ、「全てがパーフェクトだった」っていうセリフ、なんか息子と同じ完璧を最高のものとする考え方が流れていて、血は争えないって感じた。
ってからの、パッパの不倫宣言。びびった。くずい。なに美化して話してんねん。最低。って思った。エリックは顔っていう視覚的な醜さがあったけど、その父親は目に見えない醜さを持っていたんかーって。見た目の美醜は個人の価値観だけど、このくずっぷりは全国各地どこいってもアウトよ。しかも、受け入れる準備が出来ていなかったって何それ?受け入れられると思ってる傲慢さね?「強くなれるように祈った」も、そうちゃうやん?彼女はすでに強いから。ファントム氏も前のシーンの歌で似た事言っていたけど、君ら親子そういうとこ似ているよね。
ってパッパに注目したけど、マッマももしかしたら純粋なだけではない気もする。絶望して毒薬飲んだとはいえ、エリックが大きくなるまでは生きていたじゃん?これ、パッパを繋ぎとめるためだったんじゃないかって。毒を飲んだ自分が劇場の地下に居れば、仕事に来た彼は絶対に会わざるを得ない。しかも、子供も産むことで彼とのつながりを強制的に作ることが出来る。これ本当に捻くれた発想だとは思うけど、こういう可能性もあると思いました。ちなみに、この後の母の死のシーンではゴリゴリ泣いたのでメモれませんでした。
仮面を作ってあげたシーンも、ここで母親はこの顔を愛していたって言っていれば違う結末になっていたし、「少なくとも私は楽になった」ってなにそれ?予想外に授かった子とはいえ、7年も向き合ってきたらもうすこし親としての振る舞い出来てもええのになー。うん。あ、最後のマッマの天使オマージュのポーズ、1幕のダーエのポーズと本当に似ていてこういう視覚的な繋がりの作り方好きでした!

回想明けの2人の会話でもパッパ?ってなった。「いつかは捨てなければならないが、父親に捨てられたと知れば耐えられないだろう。だから父親だと明かさない」って、まず捨てるな?なに離れようとしてんねん。自分が父親と言葉で認めるのが怖いだけな気がする。って、ここまでキャリエールにめちゃ怒っているようだけど、こういう人間の脆さ詰め込んだキャラクター好きなんです。現実ではNOだけどね。

そして残ります宣言をかましたダーエ。前に書いた、良い部分だけを受け取る天才っぷり発揮してる。あとここから彼女の性格のもう1つの特徴として、ぜったいに加害者にはなりたくない精神があると思った。ここで逃げたらファントムを捨てた加害者になってしまう、だから逃げない、みたいな考え方ね。言葉にするの難しいけど、現実でもいるタイプ。

ファントムのカルロッタ殺害

ごめん、推しの豚小屋発言が聞けたことに喜びすぎて記憶ない。目がぎらついておった。闇落ちした感じ、大好き。語彙力死滅。怒りで震えた声、普段聞けないから小躍りしながら聞いていた。ちょっと、これくらいで許してほしい。ほんと、推しあっぱれ。

ピクニックと顔見せ

はあああああ。まず怯えながら出てくるエリック、ちゃんと良心があったんだね。この弱さが魅力的なんだよ、君は。もうさ?地下にいる彼はファントムじゃなくて、カッコつけたいお年頃のエリックなんだよね。常にダーエのことを伺って、喜ばしてあげたい感じ。小学生男子がお母さんを喜ばせたいと思って色々しているのとテンションが同じ過ぎて、母性駄々洩れ。とてもさっき人を殺した人とは思えない。2面性、万歳。ただ、喜ばせたいエリックに対して、ダーエは平気と言った割に怯えていてそこが切ないのなんのって。
ピクニックの提案の仕方、かわいすぎた。ミュージカル見てツイッターの感覚でかわいいって言っちゃいけないのかもだけど、さすがにかわいい。子供。ばぶい。このばぶさ、演技ってヤバイ。手下に森出せ!って指示するとこも、腕組みするところもさ?うっはわわわわわわ。むりい。ごめん、こういう見せ場でこそ説明頑張らなきゃいけないだろうけど、無理。もうほんと、ただの秘密基地を紹介する子供。愛おしい。ファントム見て愛おしいと思うなんて、ずるい。森を作っているのも、1幕冒頭で自然を歌うダーエに対して闇を歌うファントムの構図があったけど、本当は彼も自然を望んでいたってここで知ることが出来る。ここで?劇ラストで?晒しちゃうわけ?確実に観客をファントム目線にしようとしてるやん、ずるい。そんなんしなくても好きなのに、更に感情移入しちゃう。しんどい。
からのピクニックシーンね?「これで完璧」って言っているあたり、例の完璧主義出てるし、これこそ母親とやりたかったことなんだろうか。泣けるね、軽率に。もうさ、このシーン全てが好きなんだけど、カッコよさ取り繕えてないのとくに良かった。ファントムっていうかっこいい主役の代名詞的存在なのに、ここまで人間の素を出してオドオドする不器用さを晒そうって推しの感覚よ。内またになってるしさ?正直、ここから先かっこいいシーンあんまないじゃん?だからこそ、よりエリックの心情が掘り下げられていてノムチョア案件です。「詩も好き?そうだと思った!」って言い方がキモ過ぎて(褒めているよ!)、愛おしい。
ウィリアム・ブレイクのチョイスも、彼の社会に受け入れられなかった背景を考えると泣ける仕掛けだし、からの母との回想ね?それを歌う声と表情が、涙は流さないけど泣いているようで、観てるこっちが号泣だわ。はあ。

あ、ここからダーエ更にモヤモヤゾーンだ。「愛していないと言えるならこれ以上言わない」とか、すごい神経じゃない?顔みたい気持ちはわかるけど、この迫り方は暴力的にも思えた。正直、ここで彼女無理ってなる。これって彼の心を開きたいっていうより、自分はいい人だって証明しようとしているみたいで、エリックにたいして礼儀を欠いているくないすか?先輩?ましてや、彼と心を通わせる方法である音楽で訴えかけるのも、うーん。なんか、なんかさ?結局、エリックって名前も呼ばないあたり、あくまでファントムは彼女にとって恩師なんだろうか。だとしたら結構思わせぶりでもあるよね。うーん。

あ、エリックに感想戻します。もうさ、ここ涙でしかない。台詞全部好きだった。言い方も込みで、エリックの揺れが伝わってきて泣いた。ダーエに声を荒げちゃって、ハッてしてるのも、雨が降りそうって怯えているのもすごい。一貫してダーエへの拒絶をしているのに、台詞一個一個ニュアンスが違っていてさ?うん、すごい。これ仮面付けてるんですよ?表情使えないのに、これ本当もうすごい。ダーエがお母さんの存在を話してから、目のハイライトがスっと消えたのも、過去を回想してる風だった。んで、ダーエの歌声に怖がりながらも心開かれていく様子もさあ?むり?むり。ちょいちょい、「あっ」って子供みたいな声出していて。もう一回見たい。

そして、顔見せてからの荒ぶりと歌よ。これまで綺麗に歌っていたのに、泣きながら歌うのは狡いて。良すぎて自分の言葉で語るには不十分だと思う程。自分の半生を、諦めの笑顔を浮かべながら走馬灯みたいに俯瞰で歌うの、本当に鳥肌たった。「やっぱりだめだよな」って1幕冒頭でパッパに拒否られた時みたいな自暴自棄感があったけど、ダーエの拒絶は彼にとって唯一の光がなくなったと同義だからこそ、この瞬間には死を意識していた気もする。これ生だったらどうなっちゃうんだろう。「愛している、呪ってやる」のとこ!もうもうもう、一番この劇で好き。ショールの扱い方も子供が人形抱くみたいにしたと思えば、投げつけて、縋り付いて。セットも衣装も一番シンプルなシーンなのに、ここまで感情揺さぶるの本当に反則。大号泣。全人類、観て?

ラストシーン

ダーエの加害者なりたくない精神part2ありましたね。「愛しているといいに行かなきゃ」て。や、本心の部分もあるだろうけどさ?もうすでにエリックの心は傷ついているわけで、君の愛しているで100%治るとは言えんやんか。許す側の方がエネルギー使うわけで、もうそんなHPはないのよ彼に。傷つけたことはダーエとしては一生背負うべき出来事だと思うのに、逃れようとしてるというか。ラストもやっと。

んで、カルロッタの死からのファントムの登場ね。これ、1回目見たときはなんで外出てきたん?って思ったんだけど、2回目で思ったのは「自分の人生を完璧な悲劇として終えたかった」って可能性でした。外の状況はある程度把握していた上で外に出て、自由に歩き回りファントムとして死を遂げたかった的なね?生きてほしかったな、

そして、父との対話っすわ。ちょっと思ったのが、父は息子の死を目前にしてようやく向き合う覚悟ができたんだなって。遅い、遅いけどちゃんと親子の時間ができてよかったとも言えるね。
やーここのさ、エリックの悟ったような喋り方よ。ようやくファントムとキャリエールじゃなくて、父と息子の会話になってて、良くはないけどもよかったねって声をかけたくなる暖かさがあった。「もう見たさ」って父の台詞に対して、ハッとしたエリックの表情よ。父親がようやく自分の事を認知してくれるのかってびっくりしてた。よかった、よかった!!お母さんと自分は捨てられた訳じゃなかった、お母さんは自分を心から愛していたって知ることができてエリックの最期は救われたんだろうか??

そしてクリスティーヌと再び出会い、本当の終幕に。やー、本当ここもキュヒョンさんの演技素晴らしすぎた。うわぁぁぁぁって叫んで、盲目的に最期までクリスティーヌを求めていて、やばかった(語彙力)。今まで隠れて生きてきた分、力を振り絞って自分の感情のままに動いているようで、これが彼の描いた完璧なエンディングだったのかと思うと、寂しい気持ちにもなるし、引き際は自分で決められることができてよかったっていう安堵もある。あんびばれんつ!!!「約束したじゃないかっ!」って吊られながら叫ぶところ、父親への最後の頼みがそれなのかーーーって私が辛くなったくらいだから、キャリエールの気持ちは計り知れんよな。
んで、看取られるエリック。傷付けられはしたけど、最愛の人と音楽に囲まれて、完璧な終わり方だったのかなーー やー、切なすぎるて!!!!もっと他の道はなかったん???ここまでギュリックに惚れすぎて、このエンディングがしんどすぎる。異世界に転生して歌手として無双するスピンオフとかない?ないよね?このラストだから美しいんだもんね?あー、あー、いい舞台だった!!!!!!!!!

カーテンコール

ラストの投げキッスで死んだ、以上!!!!!!!!


終わりに

ここまで読んだ人、いないだろーなー。自分でもビビる長さだもん!はっはっはっ!!支離滅裂かつ謎考察に満ちてたね!はっはっは!!

だけど、自分の言葉で表したいって思える作品って少ないと思ってて、推しが出てたとか抜きにして、本当に素晴らしい時間を過ごせました。正直、ミュージカルと原作の素養がなくて楽しめるか不安だったけど、心から作品を好きになれたし、このnoteが何よりの証拠です。また、いつかキュヒョンさんのミュージカルもだし、韓国のミュージカルそのものに触れたいなー!

最後になりますが、配信してくださった関係者の方々、最高の製作陣、圧巻のキャストの皆様、最高の推しキュヒョンさん、そして読んでくださったあなた!
本当にありがとうございました!!

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