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6月第3週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

ポイント①角換わりは駒損より手番と攻め重視

2023年6月18日O.A
バスケのユニフォーム姿がすっかり板についてきた豊島先生。先週からの続きで豊島・大橋戦、角換わり中終盤の解説だ。動く棋譜は下記リンク先から確認できる。

59手目、☖3五歩の局面からで、もう盤面全体で戦いが起こってますねと豊島先生。2筋の好位置につけた飛車を活用した攻めを見据えて、まずはゴチャゴチャ駒がぶつかる3・4筋にメスを入れる。
桂馬の逃げ道のスペースを開ける。
2筋からの数の攻めをさらに厳しくする為に、銀桂交換の駒損となるが、☖2二にいる相手玉の急所となる3四の地点に活用する狙いで桂馬を手に入れた。
こういう一連の流れを見ていると、豊島先生が中国の春秋戦国時代に生きておられたら、名軍師として重用されただろうなとつい感心して聞き入ってしまう。
角換わりは多少の駒損になっても、強力な角を持ち駒にしているので攻め続ければなんとかなると考えてもよいとの事だった。(無謀な攻めばかりの自分としては若干不安は残る)

ポイント②大駒は近づけて受けよ

2筋の飛車を遮る為に☖2五に歩を打たれた局面。くれるものなら何でも貰っておこうとウッカリ取ってしまうと、受けに利かせつつも飛車取りの☖3四銀を打たれてしまった。しかもこの位置は相手玉に直接王手をかける狙いで、持ち駒の桂馬を打ちたかった場所なので、まんまと相手の思うツボだ。☖2五歩は毒まんじゅうだったんですねと聞き手の山口先生。

☖2五歩の狙いの真意を見定めなければならない
後々面倒だから取っておこうと安易に取ると…
飛車取りをかけつつ☗3四桂のチャンスを消されてしまった

私が日頃からよく勉強させて頂いている将棋講座ドットコム様のサイトに第59期王位戦七番勝負第4局菅井王位VS豊島棋聖の実戦例で解説されていたのでご紹介したい。
(下記リンクからの引用)
https://xn--pet04dr1n5x9a.com/%E6%A0%BC%E8%A8%80/%E5%A4%A7%E9%A7%92%E3%81%AF%E8%BF%91%E3%81%A5%E3%81%91%E3%81%A6%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%88.html

ポイント③敵の狙いを見定めて

69手目☖2五歩の後、果たしてどうするか。こうなるともう受けてる場合じゃないです、と局面を見て苦笑いする豊島先生。色んなところに嫌な手がたくさんありますから(私はそのあちこちに見えている危険にすら気づかなかった)攻め続けるしか無いですねと仰り、相手が銀打ちを狙っていた3四の地点に、先に桂馬を打って王手をかけた。
すぐに取れる駒(☖2五歩)に飛びつくのではなく、初段を目指すならば、相手の次の狙いを察知して上回る手を指すことが大切になってくるそうだ。

お悩み相談・5手詰は2手+3手詰の感覚で

3手詰は何とか解けるようになったが、5手詰がとたんに難しいと感じるので5手詰の解き方のコツはありますかという相談。
これに対し、とりあえず3手詰めを見た瞬間に解けるようになるまで「やり込む」ことが大事だそうだ。
つまり3手詰の形を記憶していれば、あとプラス2手でその形に持っていくには?と逆算して発想が閃きやすくなるのだろう。目安は200問をやってくださいねと優しく微笑む豊島先生だが、初心者にはなかなかのハードルだ。
掛け算九九をそらで言えるように、理屈じゃなくスラスラと出てくるようになりたい。
子どもの頃にそろばんを習っていた私としては、その脳のリソースを何とかして将棋に使いたいのだが…無理筋な願いだ。

浦野真彦八段の200問は必携。駒サプリでも気軽に学べる。

初心者中年女性の存在意義

プロの将棋棋士になるには、まず奨励会の26歳での退会という厳しい年齢制限がある。アマ棋戦で好成績を収め、編入試験を経てプロに転向した先生方もいらっしゃるとはいえ、将棋を習い始めるにあたって拭いきれない年齢のハンデは常に意識させられる。

私は人生の節目節目で激しい競争に揉まれてきた団塊ジュニア世代なので、ナニクソ根性だけはあると自負はしているが、こと将棋を学ぶ事に関してはどうしても引け目を感じてしまう。
ましてや、北陸の田舎住み、中年女性の私が将棋を始めようが挫折しようが、将棋界にとっては何の影響も無い。

私が初段になる、というモチベーションを維持出来ているのは、講座を受講する前のnote記事にも書いた通り、中途半端な自分との決別の願いも込められている。憧れの豊島先生と一緒だから続けられるはずと信じてのことだった。

しかし実際には、3手詰めはおろか1手詰めでさえ間違うことがある。半世紀生きてきた経験なんて何の役にも立たないことに、ささやかなプライドまで打ちのめされる。
小さな子どもでさえ出来ていることを自分が出来ないと、努力の方向性を間違ってるのでは?無理したって別に何もいい事なんか無いのではと心の中の悪魔が囁くことなんてしょっちゅうだ。

将棋界を海に例えるなら、俊敏に素晴らしいスピード感で泳ぎ続ける帝王のマグロが豊島先生だろう。
私はヘッダー絵に載せた古代魚のサカバンバスピスだ。
浅瀬の海底をゆるゆると、下手くそな泳ぎで移動しながら何とか頑張っている。

いや、憧れの先生と同じ世界で呼吸していられるだけで幸せではないか。程度は違えど、同じ将棋界という海に生きる生物なのだ。
いまさら私なんて、何の役にも立たないという悪魔の声を振り払って将棋を学び続けたい。半年間の将棋講座もまもなく折り返し地点を迎える。4月から何の進歩もしていないと愕然としないように、まずはすぐにもっともらしい理由をつけて諦めようとする弱い自分との戦いだ。

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