参考)司法試験受験生と簿記
みなさんこんにちは、アラフォー司法受験生のボーダーです。
今日はちょっとだけ偉そう、上から目線ですが、お許しください。
私の専門の会計・簿記についてです。
今は2023年の8月。司法試験が終わって論文発表待ちですね。
では、発表まで何をやるか。
同級生やらツイッターを見ていると「簿記をやる」という声が一番多い気がきます。
私は簿記は、めっちゃ詳しいです。
民法の2倍は勉強しました。
そんな私が考える、司法試験受験生の簿記学習についてお話しします。
会計はビジネスの共通語
ビジネスにおいて会計基礎用語が分からない人と会話をするのは結構大変です。
例えば、売上原価、原価率、配当、償却、貸倒れ、原価率、損益分岐、歩留まり、粗利、利益率、資本、純資産、負債、借入、買掛、売掛、前払い、、、、
これらは、会計用語ではありません、ビジネス用語です。
経理でなくとも、お金に触れる人は全員が知るべき用語です。
これを知らないと、正直会話になりません。
法律家同士で言えば、要件、故意、過失、管轄、不当利得、不法行為、錯誤、、、、、このレベルの話です。
ではどのように覚えるのが効率的か。
ここで登場するのが、簿記検定です。
簿記検定は、帳簿を作成できる力を試す試験です。
いわゆる「仕訳」という帳簿入力スキルを測る検定です。
もっとも、簿記検定のカリキュラムがビジネスマンに必須という訳ではありません。不要な知識も多いです。
でも、、、、、、人間ってテストがないと勉強しないですよね?
定期テスト、入試、TOEICがないのに英語勉強って続きましたか。
司法試験がないのに、試験外の法律勉強って続きますか。
続きませんね。
だから、目標としての「簿記検定」が必要となります。
日商簿記2級最強説
日商簿記2級は最強です。
3級は小規模企業の超基礎の会計処理だけを勉強します。足りません。
また、1級はほぼ上場企業の経理マンしか使わない知識がメインです。マニアです。
そして、2級はというと、、、、、、完璧です。
ビジネス用語として使う知識が多く、またレベルや費用対効果が最高です。
特に私が好きなのは、「原価計算」が含まれることです。
原価計算とは、簡単に言えば製品や商品、建築物等の原価はいくらかというのを計算する手法です。
訴訟において、損害額を算定するには、原価計算の知識がないと、適切に損害を計算できないはずです。
3級には原価計算はありません。2級と1級にだけあります。
英語などの語学を1,2か月やっても大して変わらないかなと思います。
でも会計は1,2ヶ月集中してやれば、相当のスキルアップが期待できます。普通に考えて、会社法は会計分からないと理解できないはずです。。。。
3級、2級の勉強時間と難易度
私は大学3年の時に簿記の学習をしました。
3級と2級は同時に勉強できます。
3級が約10日。2級が1ヶ月程度だったと思います。1日あたり5時間程度勉強。
(数年前に3級と2級の試験範囲が変更され、出題範囲が増えました。したがって、上記よりは2週間ほど学習期間は増えると思います。)
本記事は司法試験受験生向けです。そんなあなたにとっては、楽勝です。
試験に受かるのは難しくありません。
なんせ、商業高校の15歳の1年生が学ぶ内容です。(2級は二年生以降)。
みなさんは、どう受かるではなく、どう勉強をするか、が大事だと思います。
ベンチマーク企業を決める。
簿記、会計ってどう勉強したらいいですかねー。よく聞かれる質問です。
私は、「まず、自分の一番興味を持つ企業を決めてください。その企業の財務諸表(有価証券報告書)を読み解くことをゴールにして、簿記検定を勉強しましょう」と言います。
つまり、簿記検定の学習 × 実際の企業の財務諸表 ですね。
これが両輪です。
企業はどこでもいいです。
今なら楽天とかはニュースも多いし、記事も多いし、最高の教材だと思います。
航空会社などもけっこう分かりやすいです。
ちなみに、ビジネス会計ファイナンスの最高レベルの難易度の財務諸表はソフトバンクグループです。
携帯会社ではなく、ファンドなどを抱えるホールディングスの方です。
ニュースや新聞でもよく報じられていますね。
このソフトバンクの財務諸表が読み解ける人はほとんどいません。個人投資家のほとんども理解していないと思います。
サウジとのファンドやら独自のベンチャー投資やらなんやら、、、、私も解読するのに、数十時間使った記憶があります。激ムズです。
最近は孫さんが決算発表をしなくなってしまいました。
数年前のはyoutubeにあります。
会計、ファイナンスの勉強の最高峰として、観てみると楽しいです。
でも、やっぱり、最初はもう少し分かりやすい、実業をしている企業をベンチマークするといいと思います。
お勧めは、吉野家、全日空、サイバーエージェント、楽天などですかね。
司法試験受験生向けの簿記講座
この記事を書いていて、ふと思いました。
司法試験受験生向けの簿記講座があってもいいですね。
今の簿記講座や簿記教材の問題点は、全て15歳の高校生やビジネスを全く経験していない人向けであることです。
そのため、かわいい絵がたくさんある、分かりやすさを重視しているものです。
正直、かなり退屈です。
半年後には法曹界に飛び込む人たち向けにはあまりに退屈。
もっと、リアルビジネスで使える会計力を養うべきだと思います
例えば3級や2級の簿記のテキストの例題やケースを、実際のビジネスの楽天やソフトバンク、吉野家、ANAなどの企業の事例で作れば、かなりビジネス会計力がつくと思います。
例えば、2級の簿記では、株式の減損という処理を学びます。
例えば、ソフトバンクグループは米ウィーワークというシェアオフィスのベンチャーに巨額の投資をしていました。しかし、ウィーワークの不祥事やら業績悪化で、「減損」処理をしました。
当時は新聞等でも話題になりました。
このような生きた情報から会計処理を学ぶと、退屈な簿記勉強が一気に生きたビジネス会計学習になります。
絶対あった方がいいですね。
11月合格してたら開発しようと思います。たぶん。
まとめ
今日は司法試験受験生向けの会計・簿記学習についてお話しました。
結論としては、簿記2級最強です。コスパも最強です。
ぜひ発表まで学習しましょう。
ちなみに3級と2級は一緒に勉強しちゃってください。
2級を学習する時間があるのであれば、3級は受験しなくてもいいかもしれません。勉強だけするけど、受験するのは2級のみ。
150-200時間だと思います。
そして、みなさんは勉強する際には、自分の選んだ企業の財務諸表を横に置いて、実際のビジネスをイメージしながら簿記勉強をすることをお勧めします。
将来、M&Aやらといった企業法務はもちろん、一般民事でも損害額算定など、色々なところで役立つと思います。
ではまた。