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LINEの生活#23 失敗

東が「老」の住処から出てから少し経った頃。テンヌキと「老」は、東とは違う道で、屋敷に向かっていた。
できるだけ最短の道で、東よりも速く、「ボス」の屋敷に着いておかなければいけなかった。
二つの文字は、地図を持って、一番短い時間で、「ボス」の屋敷に着く道を調べて、その道を進んでいった。ある時は「絵文字工場」の機械を踏み付けながら、「絵文字工場」のシステムをスクラップにしてしまい...
この過程で、二つの文字は、三つの「絵文字工場」のシステムをスクラップにしてしまった...
そして最後。「ふさふさな森」に着いた。そこは、通り道をなくしてしまうほどに、そこらじゅうから枝、枝、枝。そしてその枝から、目が痛くなるほどに濃い色の葉っぱが、数千枚ほど生えているのだ
「おじいさん、やっぱり進みにくいですね」
「そうじゃの、ただでさえ体が弱ってきて....うおっ!
ガサガサボキボキザアッ!
「おじいさん!?」
「うぐっ!」
テンヌキはすぐに音のしたほうを見た。そこには、信じられない光景が広がっていた。「ボス」の屋敷にいた、「守」の文字が、「老」の文字の線一本一本をおかしな方向に曲げていたのだ
「おじいさん!!!」
「老」は悲鳴を上げている。
「はなせ!おじいさんに触るな!」
テンヌキはリュックから銃を取り出し、銃を構えた。それに合わせて、「守」も銃を構えた。
「僕は秘書だぞ...」
前のな
「守」は銃を「老」に向けて、素早く引き金を引いた。
バン!!
「お前っ!!」
テンヌキはすぐに引き金を引いたが、誰かに頭を殴られ、当たったかどうかわからなかった。
テンヌキは後ろに倒れこんだ...

東はなんとか文字たちから抜け出し、「ふさふさの森」のそばに来た。
「...この森すげえな...」
東は少しため息をついて、
「ここでちょっと休もう」
東の体は、あの東を攻撃してくる文字によって、ぐちゃぐちゃにされてしまったのだ。
「しっかしなあ、あの文字たちもひでえよなあ」
東は持ってきたお茶を少し飲んだ。すると、「ふさふさの森」からテンヌキの叫び声が...!!
「はなせ!おじいさんにさわるな!!」
東はお茶を吹き出し、目を白黒させた。
「テンヌキい!?!?!!?」
ちょっと確かめに行ってこようと、東が「ふさふさの森」に近づいた時、東の後頭部に、金属バットで殴られたような激痛が走った。
「ぐっつう!!いってえ...な...」
東は意識を失いかけていたが、「何としてでも殴ったやつの顔を見たい!」と、残り僅かの力を振り絞り、後ろを振り向いた。

「っ...『お』!!!」

そこには、氷よりも冷たい表情の「お」が立っていた。
お前はこの世界に必要なんだ
「お」は意識を失った東をおんぶした。

屋敷に着いた「お」は、自分の部屋ではなく、屋敷の裏側にある倉庫に向かった。倉庫の扉には、「もしもの時以外、使用禁止」と書いてあった...

続く

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