LINEの生活#36 「東」という人間
フォトギャラリーで画像選んでるんですけど、いつもの画像が見つからんからまた画像変えました...
最後のシーンで「えっ」って言うと思います!
本編↓↓
時は少し遡り、東たちが「ボス」の屋敷に潜入した頃...
ダダダダダダダダダダ!屋敷中に、激しい銃声が響いている。
「殺すなよ」
「ああ...」
二つの文字は、小さな声で耳打ちし合う。そして、エレベーターから家来を遠ざけるように、エレベーターと距離をとった。すると、家来も東たちの動きに合わせて、こちらに近づいてきた。
まだだ...。じりじりと家来を近づける...。
まだだ...
まだだ...
「今だ!!!」
東は叫んだ。それと同時に、東とカーソルは、エレベーターへ駆け出した。
「っ!!しまった...!!奴らを確実に捕らえなければ!!」
家来たちは、エレベーターに全速力で走ってくる。
「おい!!急げ!!」
「わかってるから!!」
東は「閉」のボタンを押した。
ドアが閉まりかけた時、「このっ!」ガッ!家来がエレベーターのドアをこじ開けようとする。
「やべっ!」
ダダダダダ!東はボタンを連打する。
グググググ!家来はドアをこじ開けようとする。
ダダダダ!
グググ...グ...
疲れたのか、家来のドアを開ける力が弱くなった。
「よし!!」「今だ!!」ダダダダ!
ポーン!
「閉まったあ!!」
東とカーソルを乗せたエレベーターは、七十階へ上がっていく。
「ついに『ボス』とご対面かあ...」
「...東」
「ん?」
表示が、十階になる。
「やっぱり、無茶だよ......こんな作戦...」
「馬鹿野郎...今更何言ってんだ!もう引き返せねえところまで来たんだぞ?」
「......もし、もしもさ」
エレベーターの表示が、十五階になる。
「もし、俺が『ボス』のスパイだったらどうする?」
「......どういうことだよ...?」
カーソル...スパイなのか!?
「お、おま、お前、スパイだったのかよ!!」
「...ちゃんと協力はするし、裏切ったりはしない。でも、もしもそうだったらどうするって話さ...」
「...俺は、ただの、最低なやつだ。そいつがどんな奴か、どんな性格か...そいつと関わって俺は得するか...そんなことを考えてからしか、行動できない。...もし、嫌いな奴が死にかけていて、俺に助けを求めていても、俺は助けない...当然の報いだって思って...いい気分になる...。まともに本音で語り合える奴なんて、親友しかいねえよ...。...もしかしたらみんな、そんなやつかもな...」
エレベーターは、ぐんぐん上に上がっていく。
「じゃあ、...僕はどうなんだい...?僕はその...東にとっての『関わって得する奴』?『好きな奴』?」
心なしか、エレベーターのスピードが上がった。
「それとも、『関わっても得しない、嫌いな奴』?」
「...お前がスパイだってどういうことだよ」
「だからそれは例えばだって...」
五十階...
「......深く関わった奴じゃないと、そんなにすぐには決められないな...。けど、今日俺たちは深く関わることになる。だから.......」
六十階...
「もしかしたら決まるかもしれねえな、お前のこと、俺がどう思うか」
東はカーソルに向き直った。
「もうおしゃべりは禁止だ。分かったか?」
カーソルは、大きく頷いた。
「行くぞ!」
エレベーターの表示が、七十階になった。すると...
「なっ!?」
ぬっと「守」の文字が...
「守」の文字は、手に持っていた金槌を振り上げた。
「くっ!!」
カーソルが銃も向けるが...手遅れだった。
ドカッ!ドカッ!
「っあ゛ッ!!」
金槌は、二つの文字の頭に激突した。
(くそっ...こんなところで......見つかる...なん...て......)
東とカーソルは、気を失った。「守」の文字は、二つの文字を、「ボス」の部屋まで運んで行った...
「んっ...痛ってえ...は!?」
東は目を覚ました。わけがわからなかった。手足には、枷がはめられている。隣にはカーソルがいる。まだ気を失っているようだ。カーソルも同じように、手足に枷をはめられていた。
自分たちは今、「ボス」の部屋にいるらしい。「お」の部屋と全く同じ造りだった。
...一つ、違う点を挙げるとすれば、「ボス」の席に「老」の文字が座っていることだった......
続く
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