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LINEの生活

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LINEの生活の記事まとめ!
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#ボス編

LINEの生活 シーズン5(最終章)完全版

判断見慣れた光景が広がった。立ち並ぶ数々の工場。なぜかあたりが騒がしい。まるで、電波に不都合が起こって、テンヌキのいたLINEの世界に戻ってしまったようだ。 東は自分のいる場所を確かめるため、聳え立つ大きなスマホに駆け寄った。 『和樹』と表示が出ている。 クローンの東は、まだ和樹とLINEをしているようだった。 「よし、じゃあ...」 東はクルッと後ろを向いた。屋敷が見える。 「行くぞ...ってうわああ!」 東が走ろうとした時、誰かに頭を掴まれた。 「だ、誰!?」 東は掴まれ

LINEの生活#27 緊急会議  シーズン3、「『ボス』編」、完結!!それを記念して、今回も少し長めです!!

テンヌキは一度、人間の世界の話を聞いたことがあった。十二代目の「ボス」の家来が、テンヌキのように逃げ出してきたのだ。まだ「ボス」の家来でもなんでもなかったテンヌキは、街でたまたま、その文字に出会った。 「聞いて欲しいことがある」 そう言って、その文字は、テンヌキに、「旅」で行った人間の世界で知ったことを話し始めた。 テンヌキは、その話を、目を輝かせて聞いていた。だが、話を聞いているうちに、どんどん顔色が悪くなっていった。 話の内容はこうだ。まず、人間の世界は、ここに立ち並んで

ついに「お」の本音が明かされると言うことで、少し長めの LINEの生活#26 「お」とテンヌキ  最後2行、編集しました。

「良心とか言う甘ったるい感情はとっくに捨て---」 「じゃあなんで」 さっきよりも穏やかな声で、テンヌキが尋ねる。 「また質問か?いい加減にしろよテンヌキ」 「なぜあんたは法律を守らなかった!裏切り者は殺すんじゃなかったのか??良心が無いなら、なぜ僕を殺さなかった!?」 「...それは...」 「お」は考え込むような表情をする。 「良心を、捨て切れていないからだろう?」「...」 「『お』、あんたは優しい。優しすぎる。誰よりも、他の文字を思いやれていた...。近くで見ていた

LINEの生活#25 「提案がある」

これまでのお話は、LINEの生活のマガジンの中にある、シーズン1、シーズン2の完全版と、#21〜#24を読めば分かります!!ぜひご覧ください! 「お」とテンヌキが会議室に入ると、そこには、いかにも政治家のような、「政」「治」「大」「臣」と言った文字が集まっていた。「お」が席につき、会議が始まった。 テンヌキのトラウマは、会議が始まってすぐ植え付けられた。「ボス」の「お」が、『今後のLINEの世界について』というテーマで話し合った時、 「裏切り者と思われるような怪しい文字は全

LINEの生活#24 トラウマ

「今が...もしもの時...だな」 「お」は東をおんぶしたまま、倉庫のドアを開けた。ドアが軋む音がする。 バアン! ドアを開けた先には、謎の機械以外、何もなかった。 謎の機械は、文字の平均の身長くらいの直方体の上に、先の方に吸盤がついたチューブが、二本ついていた。 「お」は、東を、その機会にもたれかけさせるように座らせた。そして、チューブについている吸盤を、東の頭に取り付けた。そして、後ろに回り込んだ。機械の後ろには、赤いボタンがポツンと一つだけついていた。 「ごめんな」 「

LINEの生活#23 失敗

東が「老」の住処から出てから少し経った頃。テンヌキと「老」は、東とは違う道で、屋敷に向かっていた。 できるだけ最短の道で、東よりも速く、「ボス」の屋敷に着いておかなければいけなかった。 二つの文字は、地図を持って、一番短い時間で、「ボス」の屋敷に着く道を調べて、その道を進んでいった。ある時は「絵文字工場」の機械を踏み付けながら、「絵文字工場」のシステムをスクラップにしてしまい... この過程で、二つの文字は、三つの「絵文字工場」のシステムをスクラップにしてしまった... そし

LINEの生活#22 怖い

外に出てから、東は、今日の考え事をするのを忘れていたことに気づいた。 「忘れるなんて...な...」 東は今日の考え事を忘れていた理由に気づいていた。 「怖いからだ」東はここにきて、言葉の怖さを味わった。 喋る物には、言葉の「ブレーキ」が効きにくい。いつでも好きなように、好きな事を喋れる... そして神は、言葉に「嘘」を与えた。 「そのせいで...」 東は地面に座り込んだ。 「怖い...」 もう誰にも騙されたくない。怖い、怖い、怖い。 東は前に進む力をなくしそうになって

「『ボス』編」最終局面! LINEの生活#21 仲間割れ

「ふぁああ!おはよう」 東は寝室のドアを開けて外に出た。テンヌキは起きているだろうか? そして東はリビングのドアを開けた。テンヌキは起きていた。リビングの、いかにも豪華に見える机には、朝ご飯と思える絵文字があった。 「起きてたのか、テンヌキ」 「見たらわかるでしょ?」 東は椅子に座って、朝ごはんを頬張り始めた。 「準備できてるか?」 トーストを飲み込んで、東が聞いた。 「東、そのことでちょっと話があるんだけど」 「ん?どした?」 「東、君の作戦はあまりにも無防備だ!昨日あそこ