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1st Album「about what you think is me」について

はじめに

折角の自分語りチャンスなので、ひたすら自分語りしていこうと思う。
最近は文章でこういう事を残す事も大事らしいので。
ついでにですます調じゃなくしてキモくする。キモい文を読め。
ちなみに曲の解説までの自分語りが超長いのでウザいと思ったら遠慮なく全部すっ飛ばして欲しい。これをわざわざ読む貴方にはその権利がある。

自分語り

自分がDTMを本格的に始めたのは大学2年生の時だったと思うので、このアルバム1枚を出すのに約10年という時間がかかったという事になる。
10年どころか1年でアルバムを出す人も珍しくない中、なんで10年も経ってアルバム1枚なのかというと、自分がこういったまとまった形でリリースするという事が苦手だからである。
制作物をまとめて、アートワークを用意して、物理リリースの場合はCDに焼くなりプレスを依頼するなりしてジュエルケース等でパッケージングするという行為は音楽をリリースするという目的に対して手間がかかり過ぎる。
人がどう思っているかはさておき、自分はこの手間が無駄だと思っている。
音楽をパッケージングしてリリースする目的は
「まとめる事でEP・アルバム単位での世界観を表現したい」
「パッケージングする事で販売しやすい形にしたい」
「EPとかアルバムっていう形態が好き」ぐらいしか思いつかない。
そして自分はそれら全てに興味が余りなく、音楽を作ったらSoundcloudに上げるで自分の目的としては達成されてしまう為、パッケージングが無駄だと感じてしまっていると思われる。

そんな自分が何故今回物理媒体でアルバムを作り始めたのか、
一言でいうと「なんとなく」だ。大した理由もなくて申し訳ない。
流石に10年やっててアルバム1枚もないというもアレか…とか、既存曲でもまとまったリリースがあった方がリスナー的に追いやすいと言われてなるほどとなったとか、これからEPとか出していきたいけどその前にアルバムをバーンと出してすっきりしたいとか、本当に色々細かな理由がある。
元々アートワークやマスタリングを人に頼んで作る予定ではなかったし、もっと言うなら物理媒体で作るかも迷っていた。
アートワークは自分で適当にコラ画像を作って用意する事を考えてたし、何よりそれが自分のアルバムにふさわしいと思っていた。コラ画像好きだし。
いやお前アートワークもマスタリングも結局人に頼んどるやないかいと言われると思うが、これには理由がある。
今回アートワークを頼んだグスタフ・クリムト氏は普段仲良くしているデザインも出来る的な人なのだが、ある日雑談の中でデザインの仕事がないという話になり、じゃあ今アルバム作ってるしアートワーク頼んでみるかと頼んだ次第だ。なんか投げやりじゃない?と思われるかもしれないが、ここは音楽には興味あるがパッケージングには興味ない自分の一面が出た感じだ。
これだけ聞くと思い入れなさ過ぎる人みたいだが、実際彼にはとても実力があるという事は分かってたし、アートワークを彼に頼むと決めた時点でコラージュみたいなデザイン、極めて真面目でカッコいい感じのアートワークにしたいと明確に方向性が定まった。それで色々相談させてもらってこのデザインになったのだから、結果的には最高の選択だったと思う。
マスタリングはアートワークを人に頼んでちゃんとやるのだから、マスタリングも依頼してちゃんとするかと決めた。難波君に頼んだのはもちろんアルバムの曲のジャンルがバラバラ過ぎて、これに対応出来るのは多くのジャンルに知見のある彼ぐらいだろうと思ったし、実際満足な仕上がりになった。
自分が当初想像していたものよりは確実に上等な作品に出来たので、二人には本当に感謝している。ありがとう。

何故今回のアルバムは「about what you think is me」という名前なのか。
直訳すると「あなたが私だと思っている事について」なのだが、これはリスナー側から見て自分にはブレイクコア、フットコア、ドラムンベース、ジューク/フットワーク、ロリコア、他にも様々なイメージがあると思うが、それら全てが間違っているという自分からのメッセージを込めている。
別にレッテル貼りに困った事なんて一度もないが、自分がどこにも所属していない誰の仲間でもない一人の人間であるという事の宣言である。
クレジット的な意味合いだと(Dochakuso Records以外では)Hardcore Teknology、lolicore.jpにメンバーとして所属をしているが、だからと言ってハードテック、ロリコアの人かと言われると何とも言えない所だ。
というアルバム名にしているにも関わらず、全体的なテーマでいうと「ブレイクコア」をテーマとしている。矛盾の塊である。

ブレイクコアとは何だ?という問題は自分の脳内で年々強くなっていて、単純なBPMの速さでもリズムの複雑さでもサンプリングという手法が使われているか否かでもない。もちろんアーメンブレイクが使われているかも定義には関係しない。
これに対して自分は「カオスかどうか」を一先ず結論の一つとして出した。
ブレイクコアを作っていく内に、ブレイクコアとして括られている音楽を聴いているだけではブレイクコアを作る事は出来ないと自分は考えた。
ブレイクコアには作る人間のルーツが含まれていたり、直近で気になったみたいなライフスタイルが含まれていたり、クラブミュージック的な観点も非クラブミュージックの観点もその時々によって含まれている。
これらをジャンルとして定義する事は不可能であり、これをブレイクコアとして定義するのなら音楽は全てブレイクコアである可能性を持つ。
逆にアルバムのような複数の音楽によって構築された媒体であるのならブレイクコアを表現する事は可能ではないかと思った。まああくまで自分の中で思っている「ブレイクコア」であり、他人の思っているブレイクコアの定義にはもちろんバラつきがあると思うし、それで良いと思う。
それを表現する為、このアルバムでは全然ジャンルに統一性がない。
敢えてバラバラにしたというよりはアルバム用の曲を作ってたら勝手にバラバラになっていったの方が近いが、「俺」のアルバムらしいなと思った。

今もうブレイクコアはメジャーというには大分ショボいが、様々な音楽の中に溶け込んでいて昔程のアングラさは無くなっていると思う。
ブレイクコアをブレイクコアと呼ぶ事の意味がなくなっている、ブレイクコアは死んだという意見もあるし、言わんとすることは分かる。
だが自分は「ブレイクコア」という言葉が好きだ。
死んだという人の中では死んだのかもしれないが、自分の中でブレイクコアという言葉は魂に刻まれ生きていると思っている。
このアルバムは自分の区切りであり、意見であり、生命反応であり、
自分自身が胸を張って言える「俺のブレイクコア」そのものである。

曲解説

1.Can't Stop Me Anybody 無敵

初出はJ.W.Recordsの「heart♥core」
J.W.Recordsは海外のネットレーベルなのだが、気付いたらリリースページが消滅していたのでDL不可になっていた。J.W.RecordsのBandcampページ自体は今でもあるからリリースを消した理由は謎だ。
フリーDLにしても良かったが、折角なのでアルバムに収録した。
ちなみにこれも含め全ての既存曲はミックスをやり直しているので、以前リリースした時より音が良くなっていると思う。
ちなみにSoundcloudはリリース当時と音源を差し替えたりしていないので旧音源のままだ。ド暇だったら聞き比べて欲しい。
ちなみにサンプル元は前半が「Queen - Don't Stop Me Now」後半が「S3RL - Don't Stop」タイトルはこれらのもじりだが、「Can't」にした事で凄い最強感出ちゃったなと思い、最後に「無敵」とつけた。最強だ。

2.Danke Danke Revolution

初出はmiso-nicomi recordsの「Back 2 BxCx」
当時は完全に最強の曲出来た!と思ってたし今でも気に入っている曲だ。
Soundcloud上では8年前と書かれていて口から泡を吹きそうだが、逆に8年前も今もあんまり変わっていないなという事の表れでもある。逆にダメか?
最初にDDRと喋っている音声を入れたくてDDRでYoutube検索していたのだが、Dance Dance Revolutionの事じゃない別のDDRについて喋っている動画が出てきて、それが意外に良い感じに勢いよくDDR!と言ってくれていたので採用した。もうどの動画か思い出せない。
サンプル元はDDR 1stの曲縛りで作った。初めてやったDDRがCS1stなので。
タイトルはほぼ同じ名前の艦これのエロ同人誌があるが、それが元ネタ。Soundcloudにもサークル名をタグに入れている。

3.butt spanker(おしおき mix)

アルバム用の新曲。元ネタはDSの「キモかわE!」というゲーム。
魔界っ子という人外ヒロイン達をなでたりお尻ペンペンしたりするゲームで、タイトルはそこら辺のゲーム性と、ナードコアってタイトルに日本語入りがちだよなみたいな偏見でつけた。
ちなみにゲームとしてはベースがすごろくで、好感度システムがあるのにすごろくという運ゲーをさせられるのでお世辞にも面白くはない。
VOLANTという今はnuphoryと名乗っているアーティストが居て、その人のサンプルパックの音を並べて遊んでいたら良い感じのループが出来て、そこにゲームの萌えボイスを並べてクールさを全部破壊していったら完成した。

4.Bet your life

アルバム用の新曲。元ネタはKIWAMI-HIGHLOWというフリーゲーム。
ハイ&ローというギャンブルをやるゲームで、ミスしすぎると拘束されている女の子が銃撃されて死ぬというゲーム。
ガラージが割と自分の中でアツくなっており、良い感じに音を並べてきた所で何かサンプリングしたくなり、このゲームをサンプリングした。
ゲーム中に余りにも音が少なく、サンプリングと言いつつ4音ぐらいしかゲーム由来の音がない(しかもツクールのデフォルト素材の音とかだと思う)
サンプリングした意味はあったか?と言われると微妙だが、曲としては気に入ったものが出来たのでヨシ。渋い感じに仕上がって笑顔。

5.不老不死、何以知生喜?

曲自体はリリースしていたものを今回アルバムに収録した。
元ネタはLosstime Lifeというユニットの「不老不死」という曲。
結構丸々使いの部分が多くてブートレグ感が強くなってしまったという点は反省しているが、久しぶりにジューク/フットワークを作れたのと真ん中にジャージークラブ意識の展開とかを入れられたのは良かったと思う。
これを作った時がちょうどFL21だかになって、プレイリストで素材を切った範囲ごとにゲインを上げ下げ出来る機能がついて「これでジャージークラブ無限に作れるじゃん!」て思ってそういう展開にした事を覚えている。本当にナメていると捉えられてもおかしくないかもしれない。

6.Mastermind

これも曲自体はリリースをしていたが、今回アルバムにて初収録と言いたい所だったが、REACTIONARYという海外レーベルで「Pencil VS Lil Kevo 303」というスプリットEPがリリースされ、そちらのボーナストラックにこれが収録されている。ギリギリそちらの方がリリースも速かったので過呼吸になりそうだった。
本当はかなり前にそのスプリットEPの話があり、もっと早くリリースされる予定だったのだが自分が例によってあり得ないレベルの遅延をかましたり相手に遅延かまされたりして、もうリリースされないやろなと思ったら突然動きだしリリースがトントン拍子で進んでいったという話だ。
まさかアルバムの時期と被るとは思わずなんだか不誠実な感じになってしまい、曲は良いものが出来ているとは思うがなんだかモニョっとした思い出が残るリリースになってしまった。

7.インディグネイション

アルバム用の新曲。元ネタはテイルズオブファンタジアのPS版。
この曲を作った時はアルバムを作ろうというよりはナードコアのEPを作ろうとしていた。なので曲名も大分ナードコアっぽくした。ブリザガ的な。
最初はジャングルにしようとしてイントロがかなり刻みの強い展開にしたのだが、そこから飽きたのか力尽きたのかドラムンベース色の強い展開に切り替わった。カッコよく出来たから良いか。
皆も「天光満つる処に我は在り 黄泉の門開く処に汝在り 出でよ 神の雷」って唱えて気持ち良くなろう(厨二病)

8.AИӘƎ⅃

アルバム用の新曲。元ネタはドラッグオンドラグーン2から。
butt spanker(おしおき mix)もBet your lifeもそうなのだが、自分は適当にビートを組んで良い感じになったらサンプリングをぶち込んで作るパターンがぼちぼちあり、この曲もそれに当てはまる。元々はドラッグオンドラグーン2をサンプリングしようでスタートした訳ではない。
ドラッグオンドラグーン2のED「尽きる」をサンプリングしたのは2度目なのだが、今回の方が上手く使えたんじゃないかと思う。
途中の左右にパン振りまくってキック連打しているパートがお気に入り。

9.blaze up(my heart)

アルバム用の新曲。元ネタはいとうかなこの「BLAZE UP」という曲。
“Hello, world.”というエロゲーのOP曲なのだが、絶対早回ししたら良い感じになるだろ!とYoutube Musicでたまたま再生された時に思い、自分のサンプルネタ用のプレイリストに保存した事を覚えている。
ボーカルがかなりそのまま使いしてしまっているのは気になるが、イントロを短く切ってスタブ代わりにしたり、途中でアシッドを入れたりTekno展開を入れたりと結構面白い事は出来たんじゃないかと思っている。

10.New World

アルバム用の新曲。元ネタはPS2用ゲーム「NAMCO x CAPCOM」のOP「すばらしき新世界」という曲。
アルバムのフットコア枠にはMastermindがあるのだが、もう1曲ぐらいフットコア入れたいな~と思い制作した。
自分の好きなアーティストことWe Rob Raveの曲にOPERATORという曲があり自分はその曲が大好きなのだが、メインジャンルタグに「almost psytrance」とついていて確かに曲もローリングベースっぽい音が採用されているのをこの曲は大いにパクっている。
ローリングベースの作り方なんて知っているはずもないので、適当に16分でボボボボボボと鳴らしているだけだが、大体こんな感じな気もするしOK。

11.Re:amphetamine

初出はHardcore Teknologyの「中枢神経」というスプリットEP。
sabi君と合作した曲だが、折角なのでフットコア作りましょうよ!と言われてネタは自分が決めたのだが、ブレイクビーツの刻みはsabi君が担当した部分が多い。後半突然BPMが変わる展開もsabi君が突然ぶっこみだしてDJで使い辛くなったな~と思っていた事を覚えている。
実はこの曲はプロジェクトファイルを紛失しており、sabi君に当時のファイルを持っていないか確認した所、ほぼ完成版のプロジェクトファイルが出てきた。
しかしラストのジャングルテック展開でベースが入っていなかったり、途中の声ネタが1か所だけ入ってなかったりでオリジナルとは明確に異なる箇所が存在する曲になった。後半のベースだけは新しく入れなおしたが、シンセが違うしそもそもオリジナルと音階も違うと思う。ご愛敬という事で。
元ネタはlivetuneのボカロ曲「anthem」「our music」の2曲。合作相手がsabi君という事で古(いにしえ)のボカロ曲を敢えて選択した。

12.Koibumi

初出は同じくHardcore Teknologyの「Nervous System 神経系」というスプリットEP。これと中枢神経は両方ともM3限定リリースだった。
元ネタはNorth Windというエロゲー。PS2で全年齢版が出ており、自分はこれの全年齢版を高校生の時にプレイした記憶がある。
Loctek、Shoujo等のアーティストの影響が強く出ており、全体的なハードテック成分はLoctek、やたら強くサイドチェインをかける所みたいな細かい場所でShoujoの影響が出ている。
これもプロジェクトファイルがお釈迦になっており、これに関しては2mixファイルだけが残っていたのでほぼそのまま再マスタリングして貰った形になる。当時も難波君がマスタリングしてくれたと思うので、既存曲の中で最も当時のリリースと変化量が少ない曲かもしれない。

おわりに

アルバムを作ったのでスッキリしたので、これからはBandcampで小さなEPとかを作ってデジタルリリースを増やしたい。
本アルバムに関してはDJ出演の時等で持って行って買えるようにするつもりだが、Bandcampでのリリースは今の所考えていない(郵送面倒なので)
ただ完全にしないというのもちょっとな…と思うので、年末か来年頭等の出演が落ち着いたタイミングで一週間だけとか期間限定デジタルリリースをしようと考えている。どうしてもイベントに来れない!という人は気長に待ってくれると助かる。

「ブレイクコア」スピリット、大事にしていきましょう。エーザイ。

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